最初の実験ジョークアプリとしての「メニューメーカー」
--現時点で何か動くものってあるのですか?
田方氏:まだまだ研究開発の途上なので、今お伝えしたチャット・ボットとしてはありません。でも、実験的に作った、冗談半分のアプリならありますよ!メニューメーカーというWEBアプリです。
--どういうものなのでしょうか?
田方氏:簡単にいうと、料理名を作るアプリです。最初から高度な文章をプログラミングするのはとても難しいので、ある程度単語を絞り、適当に組み合わせただけで意味のある言葉が生成できるものはないかと考え、思いついたのがこの料理名生成プログラムです。
操作いただくとわかると思いますが、正直、おバカAIなので生成された料理自体はあくまでジョークです。ただ僕が提案したいのは、会話できるAIにしろ、コンピュータゲームにしろ、そろそろ、決められたセリフだけをしゃべるのは終わりにしようということです。
シューティングゲームであたかも敵が操縦しているように、その場で動きを自動生成するように、セリフも、その場で単語から自動生成しようということです。
《メニューメーカー》
https://robomind.co.jp/menumakerpage/
--今実際にやってボタンを押してみたのですが、「天涯孤独なお父さんの嫌いな熱帯魚に、ワインをしかたなくかけたコンソメスープ」っていうメニューが表示されました(笑)
田方氏:くだらないでしょ(笑)
でもこれが、単語から文を組み立てる第一歩なのです。予めいくつかのメニューを用意しておいてそれを出力しているのではなく、バラバラの単語からその場で組み立てて、毎回メニューを生成しています。そのため、少ない単語でも、無限のメニューを生成できるようになっています。
夢はあくまで「面白い物語の自動生成」です
--今日は数歩先の未来の姿をイメージできた気がします!田方さんの今後の目標を教えてください。
田方氏:僕の夢は、あくまで「面白い物語を自動で作ること」なんです。そのためにはロボットの心がどうしても必要だから、このような研究開発を進めています。
今までは一人でシクシクと研究開発を進めていたのですが、資金的な基盤も少しずつでき、そろそろちゃんとした組織体制で進めていかねばと考え、先日から採用を開始しました。
年内から来年頭にかけて、まずは動くシステムのベータ版をリリースできるようにしたいなと考えています。
--あくまで物語の自動生成なんですね!その初心が素敵です。最後に一言お願いします。
田方氏:ディープラーニングなどの現在主流のAIは特化型人工知能と呼ばれていて、画像認識や囲碁・将棋・チェスなど特定の分野では、人を凌駕するまでになってきています。
でも、囲碁や将棋で人間に勝てたからと言って、何か他の仕事ができるわけではありません。今、求められているのは、「あれをやって」と頼めば何でもやってくれる人工知能です。人間のように、言葉で説明すれば、その通りに仕事をしてくれる人工知能です。これを汎用人工知能といいます。シンギュラリティの鍵となる技術ともいわれています。
汎用人工知能には、言葉の意味を理解できる技術が不可欠ですが、まだ、誰も実現できていないのが実状です。株式会社ロボマインドは、「言葉の意味の理解」を実現できる世界で唯一の会社です。
シンギュラリティを起こしたいという方は、是非、弊社までご連絡ください。
現在、絶賛ロボットの心開発エンジニアを募集しております!
--最後は採用の宣伝になりましたね(笑)ありがとうございました!
編集後記
これまでにないアプローチでロボットの心を作るプロジェクト、と聞いて思わず関西まで取材に伺ってしまいましたが、その価値は十分すぎるほどありました。この取材の後、田方さんと一緒に飲みをご一緒したのですが、本取材以上のディープなお話を伺うことができました。
田方さんの研究開発内容はまだまだこんなものではなく、詳細は会社HP内の研究開発ブログをご覧いただきたいと思います。
以下が最初のブログ投稿となるので、是非ここから順番に読まれることをお勧めします。
(前編でお伝えした3つの物語は、ここから引用いたしました)
Love Tech Mediaでは今後も、ロボマインド社の挑戦を追っていきたいと考えています。
本記事のインタビュイー
田方篤志(たかたあつし)
株式会社ロボマインド 代表取締役
30歳になったとき、ロボットの心を作るアイデアが、ふと、ひらめく。コンピュータに意識を発生させ、人間と同じようにしゃべることができるロボットの心のアイデア。まずは、「プログラム入門」という本を買って来て、勉強を始める。かなり無謀なチャレンジと気づいた時には時遅く、既に会社を辞め、毎日、図書館に通って研究漬けの生活をしていた。収入もなく、このままでは生活できないと思ったとき、ふと、ひらめく。「そうだ、働かなくてもお金が入る仕組みを、先に作ろう」と。そうして、いくつかソフトを作り、そこから権利収入を得られるようになった。今は、AIの研究に専念している。