※2020.4.21追記:埼玉県深谷市による「LoGoチャット」導入の効果試算に関する発表内容記事はこちら
記事の要点
・ふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を企画・運営する株式会社トラストバンクによる、国内初の自治体専用チャット『LoGoチャット(ロゴチャット)』に、4つの新機能が搭載された「モバイルアプリ版」が登場。
・既存機能の他に、「GPS機能」「手書き入力機能」「音声入力機能」「QRコード読み取り機能」が新規実装。出張などの外出先から連絡・相談や、外回り業務での情報共有、さらには災害など有事の際の対応がさらにスムーズに。
・正式リリース発表から約2ヶ月、現在計56自治体、計19,295ユーザー(2019年9月~2020年1月24日)が無料トライアルで利用中。
LoveTechポイント
これまで自治体のボトルネックの一つとなっていた「コミュニケーション」をスムーズにするLogoチャットに、モバイル専用アプリが提供されることで、さらに現場実装力が高まると期待しています。
自治体間のIT格差是正を促すLoveTechなサービスとして、引き続き最新動向を注視して参りたいと思います。
編集部コメント
ふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を企画・運営する株式会社トラストバンクによる、国内初の自治体専用チャット『LoGoチャット(ロゴチャット)』に、4つの新機能が搭載された「モバイルアプリ版」が登場した。
LoGoチャットとは、行政専用回線の総合行政ネットワーク(LGWAN)を介して業務アプリケーションを共同利用できる「LGWAN-ASP」を活用した、自治体専用ビジネスチャットツール。
行政職員の人手不足が深刻化する中で、各レイヤー間における情報のやり取りを円滑にし、コミュニケーションコストを軽減させることで、行政が本来的に注力すべき事象により多くの時間を割けるようにする点がLoveTechだと感じ、リリースのタイミングで当メディアでも取材したサービスだ。
正式リリース発表から約2ヶ月、現在計56自治体、計19,295ユーザー(2019年9月~2020年1月24日)が無料トライアルで利用中だという。
例えば埼玉県深谷市では全職員1,100人に試行導入しており、出先と庁内の情報共有などでの活用を通じて、1日1人あたり15分、全職員で年間66,000時間の削減効果を試算している。また福島県伊達市では、台風19号の災害対応や外郭団体との連絡で実証実験を行ったとのことだ。
この『LoGoチャット』、これまではパソコン端末での利用を想定した「デスクトップアプリ版」と、Web上で動く「ブラウザ版」の2種類が提供されていたが、今回新たにスマホ端末専用の「モバイルアプリ版」が追加で提供開始された。
今回、モバイルアプリ版だからこそ追加された4つの新機能によって、出張などの外出先から連絡・相談や、外回り業務での情報共有、さらには災害など有事の際の対応がさらにスムーズになるという。
一つ目が「GPS機能」だ。災害時の安否確認や職員の参集、避難所の開設、支援物資の受け入れ状況、家屋の倒壊等の被災状況といった、各避難所および現場からのリアルタイムな報告に、位置情報を付すことができる。目印となる建物等が災害で倒壊し識別不能となるケースも十分に想定されることから、GPSによる地理情報が共有できることは、時によっては命を左右する大きなポイントになるだろう。
二つ目が「手書き入力機能」。チャットでのやり取りの際に、指やタッチペン等で文字や図といった手書き画像を、そのままポストイットのように投稿することができるという。Windowsのペイントアプリのように、手書き入力機能を選択すると、白いキャンバス画面が表示されてそこに手書き入力する、というオペレーションだ。
三つ目は「音声入力機能」。手が離せない時のとっさの口頭メモが、そのまま音声認識技術を通じて文字データとしてテキスト化され、チャット送信できるものだ。日頃からLINE等のSNSで音声入力を活用している人にとっては特に便利な機能と言えるだろう。
最後四つ目が「QRコード読み取り機能」。昨今の全国的キャッシュレス決済推進の余波もあって、QRコードの活用機運がますます高まっている印象だ。チラシ等の物理的な媒体で目にすることも多い。QRコード先のURLについて、いちいちブラウザで開いたUDLをコピーしてチャットコメントに貼り付けるのは、なんとも面倒だ。だからこそ、読み取ってそのまま投稿できる機能は、アプリのパッケージ機能として必要不可欠なものと言えるだろう。
もちろん、これらは「モバイルアプリ版」に追加された新機能であって、他にもたくさんのスタンダード機能が存在する。
ちなみに、モバイルインストール型は何かと不安という声もあるかもしれないが、当然ながら高度なセキュリティ対策が施されている。アプリ利用開始時に「端末認証コード」を発行するので、登録されたモバイル端末のみ『LoGoチャット』の利用が許可される。また、モバイル端末のデータ暗号化チェックを実施し、データの暗号化(PINコード設定)が設定されていないモバイル端末での利用は制限される。さらには『LoGoチャット』に添付されたファイルの、モバイル端末への保存制限をかけることもできるという。
なお、リリースしてから今日まで、無料トライアル登録をする自治体には「デスクトップ版かブラウザ版」のいずれかを選択してもらっていたが、本日よりここにモバイルアプリ版も追加。今後は「デスクトップ版かモバイルアプリ版のいずれかが“推奨”」という案内になるという。もちろん、ブラウザ版は引き続き提供をする予定で、利用選択も可能とのことだ。
自治体職員数は過去24年間で約55万人減っている一方で、地域課題の複雑化や災害対応などで業務は増大し、職員の業務工数は日に日に多くなってしまっている。
中央省庁でもデジタル手続法の成立などを背景に行政事務の効率化が進められているが、自治体では電話、メール、FAX、会議に多くの時間が割かれており、コミュニケーションのデジタル化は急務となっている。
そのような背景だからこそ、昨年11月よりスタートしたトラストバンクのPubliTech(公共×テクノロジー)事業の拡大と普及に、今後も期待したいと思う。
以下、リリース内容となります。