LoveTech Media編集部コメント
IoT技術を活用した金融包摂型FinTechサービスを展開するGlobal Mobility Service株式会社(以下、GMS)が、株式会社デンソーをリードインベスターとして、総額約17億円のシリーズDラウンド資金調達を第三者割当増資により完了したと発表した。
同社は、自動車の遠隔起動制御を可能にする独自開発のIoTデバイス”MCCS”と”IoTプラットフォームシステム”を活用し、従来は与信審査に通過することができなかった人々へ、ファイナンス会社がオートローン・リースを提供することを可能にするFinTechサービスモデルを構築している。
どういうことか。
世界には11億台を超える自動車が走行する中、オートローンを活用して自動車を購入したくとも、そもそも与信がなくてローン申込時の審査に通過することができず、自動車を入手することができないという人々が、実に20億人近くも存在する。
その層の方々に対し、テクノロジーを活用して車の購入・利用機会を創出するサービスということだ。
同社ホームページ記載の、従来のオートファイナンスとの比較がわかりやすいだろう。
以下が従来型のオートファイナンス例である。
ファイナンス企業による与信審査が必須となっており、ここを通らない限り、人々はローンを組んでの車の購入に至ることができなかった。
これが、車両に同社提供のMCCSを搭載することで、与信情報のない方でもローンが組めるようになるというわけだ。
これを可能としているのが、同社開発の“MCCS”である。
様々なモビリティと繋がり、様々なデータ通信を行う事ができる、最先端のIoTデバイスである。
MCCSはセンシングを行うだけでなく、エンジンの遠隔起動制御が可能となっている。
この機能があることにより、与信審査のない方に対しても安心して車のオートローンサービスを提供することができる。
例えば、ローン返済することなく持ち逃げをしようとしたり、ローン返済が滞るといったリスクに対して、即座のエンジン停止等を遠隔オペレーションすることができるので、実害に至らないというわけだ。
もちろん、都合が悪くなったら外して捨てる、ということができないよう、簡単に取り外しのできない仕様となっている。
これは何も車だけに実装できるものではなく、あらゆるプロダクトへの設置が可能なものなので、車のオートローン以外でも様々な展開が期待できる。
与信がないことでローン申込時の審査に通過できない事態は、特にASEAN諸国において顕著であり、これまでGMSは東京本社を中心として、フィリピン・カンボジア・インドネシア・韓国にも現地法人を設立し、地場のファイナンス関連企業と協働して金融包摂のエコサイクル創出に取り組んでいる。
今回の資金調達を通じて、新たな事業領域への取り組みや新たな国・エリアへの展開、国内外における既存の事業展開の加速、及び独自のIoT技術を活用したモビリティサービスプラットフォームの開発を加速させるという。
そう、これはASEAN諸国のみならず、格差の広がる我が国でも他人事ではないサービスなのである。
FinTechといえば、資産を管理したり増やしたりするのに長けるサービスは多いが、このような“お金を借りる”ことの基盤をアップデートするようなサービスは、まだ珍しいのが現状だ。
「真面目に働く人が正しく評価される仕組み」を創造する。
そんな同社のビジョンに、今後も期待したい。
以下、リリース内容となります。