意識とは何か。この深淵なる問いは、古くから哲学や科学の世界で探究されてきた。私たちは日々、感情や思考、さまざまな感覚を通じて世界を経験しているわけだが、その前提にある「意識」の本質については、未だ多くの謎が残されている。
そんなことを考えながら、2024年6月にロンドンで開催された「London Tech Week 2024」を探索していると、メイン会場にてDeepak Chopra(ディーパック・チョプラ)氏によるキーノート「我々はVRの中に住んでいるのか?(Are we Living in a Virtual Reality?)」と題されたセッションが開催されていた。
チョプラ氏といえば、代替医療と精神性の分野で世界的に知られており、意識を宇宙の根源と捉え、心と身体のつながりを強調するホリスティックな健康法を提唱している人物。本セッションのタイトルを見ると「シミュレーション仮説」に関する内容かと思ったが、チョプラ氏は「意識自体が根源的な実在であり、現実はその意識の創造物である」との主張を軸にセッションを展開しており、より唯心論に立脚した哲学的立場からの講演であると感じた次第だ。
本記事では、チョプラ氏の発言をほぼそのまま翻訳し、その上で関連するトピックの解説を加えて理解の助けとなるよう試みた。
宇宙は “無” から成り立っている
最初に質問です。私たちはバーチャルリアリティの中で生きているのでしょうか?
端的に答えると「イエス」です。今からこのことを説明してみます。
まず、インターネットで「科学における125ほどの未解決問題は何か?」という質問を検索してみてください。最初に出てくるのは、きっと「宇宙は何でできているか?」でしょう。そして2番目の問題は、きっと「意識の生物学的基盤は何か?」でしょう。
簡潔にお伝えすると、宇宙は “無” から成り立っています。そして、意識に生物学的基盤はありません。つまり、これらはそもそも間違った質問なのです。間違った質問をし続ける限り、正しい答えは得られません。
現在、主流の科学はこの2つの問題に取り憑かれています。最新の科学モデルによると、科学は現実を直接見るのではなく、現実のモデルを作り出します。これらの有用なモデルは、理論、実験、観察に基づいています。つまり科学自体が、意識の中での活動や経験なのです。
最新の科学モデルによると、宇宙の70%はダークエネルギーで、これは通常のエネルギーとは異なります。これは数学的構造で、アインシュタインが説明した「宇宙定数」になります。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による最新の観測では、宇宙は光速よりも速く膨張していることがわかっています。この膨張は銀河間の空間で起こっており、膨張と共に時空が生み出されています。
※ダークエネルギーとは、宇宙の加速膨張を引き起こしていると考えられる未知のエネルギーを指し、1990年代後半の遠方のIa型超新星の観測から「宇宙が加速的に膨張していること」が発見されたことをきっかけに、この現象を説明するための存在として提唱された。その正体は未解明であり、直接観測することもできないが、ダークエネルギーがもつ負の圧力が、宇宙の加速膨張を引き起こす要因と考えられている。現在の宇宙論モデル(ΛCDMモデル)では、宇宙のエネルギー密度の約68%がダークエネルギー、約27%がダークマター、残りの約5%が通常の物質とされている。
現在、宇宙の地平線はほぼ1,000億光年にも及び、銀河は光速よりも速く宇宙の地平線を越えて移動しています。しかし、このダークエネルギーが何なのか、私たちには分かっていません。ダークエネルギーは原子でできていないので、私たちはそれと相互作用できません。私たちは原子でできているので、原子とだけ相互作用できます。その相互作用は光の屈折、反射、吸収として現れます。宇宙の約70%は目に見えず非原子的で、残りの30%のうち27%はダークマターで、これも目に見えず、原子でできていないため相互作用できません。つまり、原子でできた宇宙は全体のほんのわずかなのです。
※ダークマターとは、重力を通じて他の物質に影響を与えるとされている物質のこと。原子や分子からなる通常の物質(バリオン物質)とは異なる性質を持つと考えられているが、その詳細はまだ解明されておらず、ダークエネルギーと同様、直接観測することができない。
最新の計算によると、生命が存在できると言われる「ゴールディロックス・ゾーン」と呼ばれる領域があり、惑星はある基準を満たす必要があります。適切な温度や、重力場と電磁場の比率など、多くの条件が必要です。このモデルによると、天の川銀河だけでも600億の居住可能な惑星があると言われています。もし1つの銀河に平均1,000億の星があるとすれば、居住可能な惑星の数は数え切れないほどになります。しかし、これはあくまで原子でできた宇宙の話です。宇宙のほんのわずかな側面にすぎません。
※ゴールディロックス・ゾーン(Goldilocks Zone)とは、恒星の周囲にある領域で、惑星の表面に液体の水が存在できる適切な温度範囲を持つ、温度が高すぎず低すぎず生命が存在するのに適した「ちょうど良い」環境領域を指す。「ハビタブルゾーン(居住可能領域)」とも呼ばれており、生命が存在する可能性のある惑星を探す上での重要な概念となっている。
原子は粒子でできていますが、そこには“二重性”があります。つまり、観察しているときは粒子として現れますが、観察していないときは波として振る舞います。波は時空間に特定の位置を持ちません。測定をしたときだけ、これらの波が質量とエネルギーを持つ粒子として現れます。これが物理学の「観測問題」です。粒子が原子を作り、原子が分子を作り、そして私たちや、この舞台、ロンドン、地球が形作られます。しかし、宇宙の規模から見れば、地球は砂浜の砂粒1つにも満たないのです。
※ここで言及されている「観測問題」とは、量子力学における基本的な問題の一つで、量子系が観測(測定)される際に、どのようにして「確定した結果」が得られるのか、その過程を理解し説明する問題となっている。チョプラ氏が例示したケースで示されているように、量子力学の数学的形式では、粒子は複数の状態の重ね合わせとして存在するが、観測を行うと一つの結果に収縮する。この波動関数の収縮や観測による状態の確定をどのように解釈するかが観測問題の核心となっている。量子力学の基礎にある実在論と確率論、観測者の役割など、多くの深遠な問いを含んでおり、現在もなお物理学者や哲学者らによって様々な解釈や理論が提案され、量子力学の理解を深めるための重要な研究領域となっている。
もし明日、気候変動や核兵器、サイバー戦争、種の絶滅などの問題で地球が消滅したとしても、宇宙の観点からすれば、それはほとんど気づかれないでしょう。私たちは無限の廃品処理場の塵の一つにすぎません。そして、その廃品処理場さえも、私たち自身が作り出しているものなのです。
私たちは今、技術が「人間の知覚を拡張する」という、非常に興味深い段階にいる
ここまでお伝えしたとおり、宇宙とは「無」からできていることになります。では、次の疑問が生まれます。「なぜこのように見えるのでしょうか?」。なぜ私やあなた、あるいはあなたが見るものすべてがこのように見えるのでしょうか?このステージ、マイク、岩、動物、バクテリア、ウイルス、植物、星、銀河。もし「無」からできているなら、なぜこのように見えるのでしょうか?
それは人間の脳と心に見えているのです。あなたが宇宙として見ているものは、人間の脳の投影であり、人間の心の道具であり、それは空間と時間を超えた非局所的な意識の一つの変調なのです。
つまり、意識に生物学的基盤はありません。生物学自体が「意識の経験」だからです。あなたはどうやって自分に体があることを知っているのでしょうか?見ることができ、触れることができ、味わうことができ、匂いを嗅ぐことができ、それについて考えることができ、モデルを作ることができます。今日の技術によって、私たちの感覚経験の範囲を広げることができるのです。私たちが何をしているのかというと、知覚装置の範囲を広げているのです。しかし、ここで経験が起こっているわけではありません。これは知覚装置であり、私たちの心は、あくまでその知覚を理解するための認知能力です。
私たちは人間の知覚にアクセスできますが、100個の目を持つ昆虫にとって世界はどのように見えるのでしょうか?コウモリが超音波のエコーを通して経験する世界は?紫外線を通して航行する鳥にとっての世界は?2つの異なる軸で眼球が回転するカメレオンにとっての世界は? 私たちには想像もつきません。つまり、世界の見え方は「誰が見ているか」によって異なるのです。そして私たちの場合、観察の道具は約20万年かけて進化してきた人間の脳なのです。
※このように、生物がそれぞれの種固有の感覚器官や認知能力を通じて経験する 「主観的な世界」 を指す言葉として「環世界」が挙げられる。これはドイツの生物学者 であるJakob von Uexküll(ヤーコプ・フォン・ユクスキュル)氏によって提唱された概念で、外部の物理的な世界そのものを示す「客観的世界(Umgebung)」とは異なる概念として体系化されている。
科学革命はわずか500年前のことで、相対性理論と量子力学は100年ちょっとの歴史しかありません。AIや、Snapchat/Instagram等でのやりとり、World Wide Webなどといった新しい技術の一般的な使用は25年も経っていません。
私たちは今、技術が「人間の知覚を拡張する」という、非常に興味深い段階にいるのです。
では、今私たちが持っているこの経験はどこで起こっているのでしょうか?あなたは私を見ていますが、その「見る」という経験はどこで起こっているのでしょうか?
それはあなたの目の中で起こっているのではありません。現在の主流科学によると、私から跳ね返った光子があなたの目に入り、レンズを通過し、視神経が交差し、曲がった網膜に当たります。あなたの目は2.5cm×2.5cmで、互いは9cm離れており、網膜は曲がっています。もしあなたの目の中に私のイメージがあるとしたら(実際にはありません、電気化学反応だけです)、9cm離れた2つの私が見えるはずです。しかし、それはあなたが経験していることではありません。
見るという経験はあなたの脳の中で起こっています。あなたの脳は10cm×12cm×15cmです。この部屋がどうやってあなたの脳の中に収まるのでしょうか?外に出て天の川銀河を見てください。それがどうやってあなたの脳の中に収まるのでしょうか?
あなたの脳の中で起こっているのは電気化学反応です。しかし、あなたは電気や化学を経験しているわけではありません。あなたは「これ」そのものを経験しています。自分自身を、私を、そしてこの状況を経験しています。あなたは自分の思考、感情、想像、憧れ、恐れ、実存的なジレンマを経験しているのです。
化学反応はどうやってそれを経験させるのでしょうか? つまり、私たちは間違ったモデルを持っているのです。脳は見ること、聞くこと、味わうこと、嗅ぐこと、あるいはどんな感覚も経験していません。脳は心の変形された形であり、心はさらに意識の変形された形なのです。
この経験はどこで起こっているのかという問いに対する唯一の答えは、「意識の中で」です。意識がなければ、この経験自体が存在しません。それはあなたの脳の中ではなく、意識の中で起こっているのです。
※チョプラ氏のここまでの発言は、哲学における「唯心論(Idealism)」に関連していると考えられる。唯心論とは、意識や精神が物質よりも根源的な実在であると主張する哲学的立場。彼の「脳は心の変形された形であり、心はさらに意識の変形された形」という言葉は、意識が唯一の実在であり、物質世界はその表現または現れにすぎないとする一元論的観念論(monistic idealism)の考え方を示唆している。なお、David John Chalmers氏によって提起された「意識のハード・プロブレム」(hard problem of consciousnes)も、物理的な脳のプロセスから主観的な経験(クオリア)が生じる仕組みを説明することの難しさを指しており、チョプラ氏のこの主張はこの問題に対する一つの解答として、意識を基盤とするモデルを提案していると言える。なお、インド哲学のヴェーダーンタ(Vedānta)学派も唯心論と共通する要素を持っており、ブラフマン(宇宙の根源的な意識)とアートマン(個々の自己)は本質的に同一であると説いている。物質的な世界は「マーヤー(幻影)」であり、究極的な実在は意識であるとしていることから、ここでもチョプラ氏の発言と一致している。
私たちはLLMを通じて新しい「ストーリー」を生み出そうとしている
では、なぜ意識が見えないのか、触れられないのかと疑問に思うかもしれません。それは、意識に形がないからです。形がないので境界もなく、無限です。意識は空間も時間も超越し、時空の外にあり、還元不可能で根本的なものです。
意識はあらゆる経験の基盤です。私たちの経験は、S-I-F-Tという頭字語で要約できます。つまり、すべての経験は感覚的知覚(Sensation)、イメージ(Image)、感情(Feeling)、思考(Thought)のいずれかであって、これ以外の経験はありません。他のすべては人間の物語/構築物なのです。
この経験はどこで起こっているのでしょうか?驚くべきことに、この経験は時空の外で起こっています。今のこの経験、そしてあなたが持つどんな経験も、時空の外で処理されているのです。
時空と因果関係の劇場は、時空の外にある無限で、境界のない、形のない、還元不可能な、理解不能な、想像不可能な、知覚不可能な根本的な現実から投影されています。それは時空の外にあるので、原因がありません。原因のない、時間を超越した、根本的で、還元不可能で、想像不可能で、知覚不可能なものです。しかし、それなしには知覚も概念も存在しません。
これは新しい考えではありませんが、今日の技術によって実際にこれを探究することができるようになりました。なぜなら、時空と因果関係の劇場における身体と心を持つあなたは、人間の意識の中の仮想的な現れだからです。
約45,000年前まで、私たちホモ属には、ネアンデルタール人やデニソワ人など、複数の種がいたと言われています。私たちはその中の一つ、ホモ・サピエンス(賢い者たち)と自らを呼びました。そして45,000年前まで、他の動物と同じように、私たちにも言語がありました。その言語は交尾の呼び声、危険の合図、食事の合図という3つのためだけのものでした。これが種の生存方法だったのです。
しかし、ホモ・サピエンスは「ストーリー」のための言語を作り出しました。最も支配的なストーリーは常にゴシップでした。誰が誰と寝ているのか、誰が誰に何をしているのか、誰が信頼できるのか。その後、ストーリーはお金という別のストーリーへと進化しました。物々交換から貝殻、コイン、紙幣、そして今では暗号通貨やデジタル通貨へと進化しています。これらはすべて私たちが作り出したストーリーなのです。
さらに、植民地主義、帝国、人種など様々なストーリーを作り出しました。経験を遺伝子、エピジェネティクス、微生物学としてモデル化しました。そして今、これらのストーリーは大規模言語モデル(LLM)へと進化し、物理学、化学、数学、哲学、神学、宗教のすべてのストーリーを統合した「新しいストーリー」を生み出そうとしています。
しかし、このようなストーリーが起こっているのは、本当のあなたが時間や空間の中にいないからです。あなたは意識として、人間のシミュレーションを行っているのです。そのシミュレーションの中に、他の種や動物、そしてあなたが想像できるすべてのものが含まれています。
2兆の銀河、7億6000万の星、数え切れない惑星を持つ宇宙は、無限の意識の中の人間の構築物であり、そのシミュレーションは今まさに起こっています。そしてそのシミュレーションにはあなたの体と心も含まれています。
これがとても興味深く、解放的なのは、死後に何が起こるのかという問題にも答えを提供するからです。なぜなら、死ぬのはシミュレーションだからです。そしてシミュレーションは循環し、進化するように見えます。
私たちは宇宙の中にいて、それは私たち自身の想像力である
最後、残り約4分でひとつの体験をしてもらいましょう。簡単な質問をします。
「今回の話は面白いと思いますか?」
(会場から「はい」の返答)
では、同じ質問をしますが、今度は答えないでください。私が手を上げるまで答えないでください。
「今回の話は面白いと思いますか?」
(沈黙の会場)
はい。私が今した質問は、精神的な出来事です。皆さんからの答えも、精神的な出来事です。その間にあなたがいます。そしてその間はとても静かです。あなたがいるその間こそが、シミュレーションが生まれている場所なのです。
それが「純粋意識」と呼ばれるものです。純粋意識は、空間を持たず、時間を持たず、還元不可能で、根本的で、理解不能ですが、あなたは今すぐにそれを自分自身の存在として体験することができます。
存在。意識。気づき。根本的な現実。宗教的な言葉を使えば、「魂」や「スピリット」と呼べるかもしれません。認知科学では、それを「意識的エージェント(conscious agents)」と呼びます。あなたは意識的エージェントの行列の中の意識的エージェントであり、共に時空と因果関係の劇場を投影しています。これには変化する身体と心も含まれます。
※意識的エージェントは、アメリカの認知科学者・Donald D. Hoffman氏によって提唱された考え方。進化心理学や知覚科学の観点から、「現実とは意識的エージェント同士の相互作用によって構築されたもの」だと主張する。Hoffman氏の理論では、私たちが知覚する物質的な世界は、意識的エージェントが情報を交換し合う過程で生じるUI(ユーザーインターフェース)のようなものであり、真の現実を直接反映しているわけではないとしている(真の現実を直接映すのではなく、生存に必要な情報を効率的に処理するためのインターフェースという考え方)。詳細は書籍『The Case Against Reality: How Evolution Hid the Truth from Our Eyes』にて解説されている。
あなたは「私には身体がある」と言いますが、どの身体ですか?受精卵、胚、赤ちゃん、幼児、ティーンエイジャー。身体はモノではありません。それはシミュレーション、動詞なのです。この意識の中で、私たちの存在の行列は自己調整し、自己組織化し、同期し、存在するすべてのものと絡み合っています。今日、私たちは量子もつれ、非局所的相関、無限の調整と相関、無限の進化、無限のもつれ、そして無限のホメオスタシスについて知っています。それは創造性の終わりのない地平線の中で、階段のように無限に繰り返されます。
その創造性の基盤は何でしょうか?それは想像力です。私たちは宇宙の中にいて、それは私たち自身の想像力なのです。
想像力の最悪の使い方は、現在世界中で蔓延している「ストレス」です。それは自分が誰であるかを知らないことに起因しています。それは宇宙意識の自発的な進化に抵抗することです。自分自身の存在に落ち着き、そこにとどまり、あなたの忠誠心を身体と心からすべての経験の源へとシフトすることができたとき、すべての人間のジレンマは消えます。死という根本的なジレンマも。
なぜなら、空間と時間を超えたものは、誕生や死の対象ではないからです。インドの偉大な知恵の伝統には、マーヤーという言葉があります。マーヤーは「幻影」という意味ですが、「シミュレーション」、「変動」、「振動」とも訳せます。それは私たちである根本的な非局所的で測定不能で理解不能な、空間と時間を持たない存在の振動です。
私たちは自分自身を「自撮り」のために犠牲にしてきました。そして自分が「自撮り」だと信じている限り、これらのジレンマを抱えることになります。私たち自身をマトリックスであるマーヤーに戻しましょう。マトリックス(matrix)、物質(matter)、メーター(meter)、時間(time)、測定(measure)、音楽(music)はすべて同じ言葉です。それらは無限の意識のシミュレーションであり、あなたと私はその意識のマトリックスの一部なのです。
ということで、ご清聴ありがとうございました。
取材/文/撮影:長岡武司