記事の要点
・株式会社ninpathが不妊治療の治療記録・管理「ninpath」β版をリリースするとともに、不妊治療と両立可能なお仕事紹介サービス「ninpath career」をローンチ。
・「ninpath」は、自分自身の不妊治療の周期毎の記録・管理だけでなく、自身に近い状況の第三者の治療データを閲覧することができ、自分にあったクリニックや治療方針を選ぶ際の判断材料に加えることができる。
・「ninpath carreer」は、フレックス制度やリモートワーク、時短勤務など、一般的な求人広告ではあまり掲載されていない不妊治療との両立にも適した就業形態の求人を扱っていく。
LoveTechポイント
妊娠・出産は極めてパーソナルで人生を左右する複雑な問題であり、親しい間柄であっても、不妊治療に取り組んでいること、ましてや治療経過を共有することは稀だと思います。
これまで共有されてこなかった一人ひとりの治療記録の匿名性を守りながら、不妊治療の取り組み方を一歩前進させるサービス設計は画期的であり、非常にLoveTechだと感じます。
編集部コメント
夫婦の6組に1組が不妊に悩んでいる。
国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第15回出生動向調査(2015年)」によれば、妻の年齢が50歳未満で、結婚後15~19年の夫婦のうち、過去に不妊の心配をしたことがある割合は29.3%と全体の3割近くにのぼり、その数は増加傾向にある。また、その半分以上にあたる約15.6%の夫婦が、具体的な治療を受けているという。
この身近な課題に対峙しようと、株式会社ninpathが2つのサービスを同時に立ち上げた。不妊治療の治療記録・管理「ninpath」β版と、不妊治療と両立可能なお仕事紹介サービス「ninpath career」だ。
「ninpath」は、自分自身の不妊治療の周期毎の記録・管理だけでなく、自身に近い状況の第三者の治療データを閲覧することができる。基本の3ステップは「記録」「振り返り」「比較」だ。
【ninpath機能一覧】※印は、今後実装予定の機能
- マイデータ(ご自身の治療記録・管理機能)
- みんなのデータ(他のユーザーの統計的な治療データ閲覧機能、属性などのソート機能)
- クリニック実績(クリニック毎の妊娠率などのデータ閲覧機能、データが集まるまでには時間を要します)
- 治療費管理機能&費用シミュレーション※
- ステータスに合わせたクリニック情報提供※
不妊治療はステップアップするほど高額な費用がかかる上に、クリニックによって治療方針が異なったり、受けられる治療に差があったりと玉石混交な診療実態が課題視されている。しかしながら公表されている情報は少なく、患者はどのクリニックでどのような治療を受けるのが自分たちにとってベストなのかを考える際に、頼るべき指針がほとんどない。
これに対し「ninpath」では、検討する際の客観的なデータを増やすため、、不妊治療の悩みや想いの「共感」を分かち合うのではなく、第三者の治療記録という「事実」のみを提供する。
一人ひとりが積み重ねた治療記録が、当人の振り返りだけでなく、見えない誰かの一歩を照らす道しるべとなるわけだ。
β版サービス立ち上げ直後ゆえに、まだ登録データは少ない状況。進行形で不妊治療に取り組んでいるカップルだけでなく、治療を卒業された方も治療の経験を登録して、経験者みんなでサービスを育てていく意識を持つことが大切だろう。
また、同時ローンチされた「ninpath career」も注目だ。同サービスでは、フレックス制度やリモートワーク、時短勤務など、一般的な求人広告ではあまり掲載されていない不妊治療との両立にも適した就業形態の求人紹介していく。
不妊治療の通院タイミングは、月経周期や卵子の生育具合などにも左右され、自分の意思でコントロールすることは難しい。思うように治療が進まない場合、排卵誘発剤の注射や投薬の追加などで、通院頻度があがる場合もめずらしくない。
だからこそ、治療に対応しやすい制度や風土が整った会社で働くことは、本人の心理的負担に鑑みて非常に重要であり、そういった環境の獲得を転職活動のひとつの軸としてキャリアアドバイザーに相談できるのは心強い。
治療支援とキャリア支援という両軸でサービスを展開する例は、国内プラットフォームとしてはほとんど見たことがない。
不妊治療、妊娠、子育てと仕事の両立で悩んでいる方は、今回リリースされた「ninpath」「ninpath career」を利用してみてはいかがだろう。
以下、リリース内容となります。