記事の要点
・ウェルビーイングな活動の習慣化を支援する「Nesto」を運営する株式会社NESTO(ネスト)が、シードラウンドとして総額1億円の資金調達を実施。
・Nestoでは、運営側で厳選した魅力的な生活習慣を共有できるホストたちが、心や体を整えるためのコミュニティを企画する。会員は決まった時間にオンライン上に集まり、みんなでルーティンを行い、価値観の合う会員と交流することができる。
・今回調達した資金は、Nestoのプロダクト開発とマーケティング・プロモーション、ならびに社内体制の強化のために活用する予定。
LoveTechポイント
2020年のコロナ禍をきっかけに、心と体のバランスが崩れていることを自覚した方も多いのではないでしょうか。
ウェルビーイングという、まだこれから浸透していくであろう本質的な幸福への概念を先取りし、サービスへと昇華させている点がLoveTechだと感じます。
編集部コメント
ウェルビーイングな活動の習慣化をサポートするコミュニティ・プラットフォーム「Nesto」を運営する株式会社NESTOが、株式会社ガイアックス、株式会社DGベンチャーズ、他複数の企業・個人投資家より、J-KISS型新株予約権による資金調達及び融資により、総額1億円の資金調達を実施した。
ウェルビーイングとは、心と体が健康で満ち足りた暮らしをするということ。
コロナ禍で広まった新しい生活様式により、仕事や学校などのリズムに合わせた生活が一変。ニューノーマルな生活で自由度が増したとポジティブな評価もみられる反面、公私の境界が曖昧になり、自ら公私のスイッチを切り替え、暮らしを整えることが難しいと感じる人が増えている。
また、昨年行われた複数の意識調査(※)によると、リモートワークやリモート授業の普及、緊急事態宣言の発令にともない、人と直接話せる機会が減ったことで、これまでにないさみしさを感じたり、友人などと気軽に交流することが難しくなったことで、孤独感を感じている方も増えているという。
※参考資料
パーソル総合研究所、テレワークに関する不安感や孤独感について調査結果(2020年6月10日)
Kasperskyレポート、日本人の2人に1人はコロナ前から孤独 〜テクノロジーが孤独を和らげる救世主に〜(2020年8月20日)
そんな中、本質的な幸福感につながるウェルビーイングへの関心の高まりから「Nesto」は生まれた。
Nestoでは、暮らしのリズムを整えるルーティンと、「ディスタントネイバーフッド(遠くのご近所)」という共同体での関わりを通して、コロナ禍において乱れてしまった心と体のバランスを整えてくれる。
具体的には、運営側で厳選した魅力的な生活習慣を共有できるホストたちが、心や体を整えるためのコミュニティを企画し、会員は決まった時間にオンライン上に集まり、みんなでルーティンを行い、価値観の合う会員と交流することができる。
ちなみにNestoでは、このコミュニティのことを「リズム」と呼んでいる。
リズムには、瞑想やヨガ、料理や読書などがあり、定期的に行われるルーティンだけではなく、各リズム内での対話(ダイアログ)やリズムの垣根を超えた対話(ギャザリング)の機会も設けられているという。
Nesto及びリズムへの入会は完全紹介制であり、さらにNesto説明会とリズム説明会への参加が必須ともなっている。同じ価値観を共有するためのコミュニティの質には徹底的にこだわっているとのことだ。
このように、参加へのハードルが少し高いコミュニティだが、2021年2月3日には公式サイト上でリズムへの参加者募集が開始され、4月現時点でリズム数は11個まで成長。
今回調達した資金は、Nestoのプロダクト開発とマーケティング・プロモーション、ならびに社内体制の強化のために活用するという。
Nestoには、日の出とともに起きて活動するリズムなど、一人では難しいが、一緒にやる人がいれば継続できそう、やってみたいと思うものが沢山ある。
リモートワークにより、通勤時間がなくなり起床時間がずるずると遅くなっている人や、自分のペースが保てるという反面、普段何気なく行っていた雑談が減ってなんとなく寂しさを感じている人にとっては、身体のバランスを整えるきっかけにつながるかもしれない。