記事の要点
・国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト『いこーよ』と掛川市のオープンデータが連携し、2019年9月より掛川市の親子向け施設情報においてオープンデータの利用を開始。
・画像オープンデータの利用から開始しており、今後子育て世帯ニーズの項目の提案など順次連携を進めていく予定。連携データは『いこーよ』サイトおよびスマホ向けアプリにも掲載され、誰でも無料でサービスを利用できる。
・(参考情報)掛川市のように、オープンデータに取り組む市区町村は、今年9月17日時点で約37%(652/1,788自治体)。
LoveTechポイント
オープンデータの活用、いいですね。官民それぞれのリソースを連携させて、地域の子育て環境をより豊かにするという点が、とてもLoveTechだと感じます。
こういったデータ連携事例が、ますます増えていけば良いと感じます。
編集部コメント
ここ数年、「オープンデータ」という単語に注目が集まっている。
元々は「特定のデータが、一切の著作権や特許などの制限なしで、全ての人が望むように利用・再掲載できるような形で入手できるべきであるという考え」を示した単語だが、最近の文脈に鑑みると、総務省が提示する以下の定義で使用されることが圧倒的に多い。
国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう、次のいずれの項目にも該当する形で公開されたデータをオープンデータと定義する。
- 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの
- 機械判読に適したもの
- 無償で利用できるもの
〈参照:オープンデータ基本指針(平成29年5月30日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議決定)〉
これらオープンデータを活用した新しい事業やサービスの創出、地域経済の活性化などにつなげる動きが加速しており、「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(平成29年5月30日、閣議決定)以来、2020年度までに地方公共団体のオープンデータ取組率100%を目標として推進されている。
総務省「オープンデータに取り組む地方公共団体数の推移」より
ちなみに上図の通り、今年9月17日時点の取組率は約37%(652/1,788自治体)となっている。
このオープンデータを活用した官民連携が、BabyTech領域でも盛んになってきている。
今回発表されたのは、国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト『いこーよ』と静岡県掛川市によるオープンデータ連携だ。
掛川市でも、市街地循環バス時刻表やごみカレンダー、避難場所・避難所、福祉施設、幼稚園・保育園、子育て支援センター、児童館など、様々な公共関連データがオープンデータとして公開されている。
一方『いこーよ』と言えば、周辺で開催されているイベントや周辺施設の口コミ、お得なクーポン一覧やランキングから最新おでかけ記事など、マップ上で簡単に子どもとのおでかけ先関連情報を探せる検索アプリとして、ゼロ歳から9歳の子どものいる「子育て世代」の利用率が約8割に上る人気アプリ。
2018年12月1日で10周年を迎えたロングセラーアプリでもある。
具体的な連携内容としては、掛川市の観光振興及び地域活性化をサポートすることを目的に、2019年9月より掛川市の親子向け施設情報における画像オープンデータの利用を開始しており、提供された情報は、「おでかけ」情報欄に「オープンデータ利用の旨記載」と共に『いこーよ』内に掲載されている。
政府の号令と共に各自治体におけるオープンデータ対応が加速しているが、それ自体が目的化してしまい、せっかくのクリエイティブ・コモンズ表示資産が十分に有効活用できていないケースの方が多いと言えるだろう。
今回の掛川市×いこーよの事例のように、プラットフォーム等をもつ事業者・団体による積極的なオープンデータ連携が、今後ますます望まれるだろう。
以下、リリース内容となります。