保育・育児のDXを進めるユニファが40億円のシリーズD資金調達を実施。ESG重視の経営体制へ移行

育児/教育

記事の要点

・保育・育児関連の社会課題解決を目指す“Childcare Tech”領域のスタートアップ企業・ユニファが、シリーズDラウンドとして、総額40億円の第三者割当増資契約の締結を発表。

 

・同時に、ユーザベース取締役の松井しのぶ氏、西村あさひ法律事務所の岩瀬ひとみ氏、MGP(元メルカリCFO)の長澤啓氏が社外取締役に就任し、監査等委員会設置会社へと移行。よりESGを重視した経営体制の構築、およびガバナンス体制の強化を目指しての組織体制となる。

 

・調達した資金は、IoTやAIを活用した保育支援サービス「ルクミー®」シリーズや、新規事業に関わるプロダクト開発費用、顧客施設拡大に向けた営業・マーケティング費用、優秀な人材の獲得費用、M&A等に使用する予定。

LoveTechポイント

今回の資金調達発表で特に印象的だったのが、引受先企業の一つに、先日設立が発表されたばかりのMPower Partnersが名を連ねている点でした。

働く親にとって園の先生方は無くてはならないパートナーだからこそ、同社の「ポジティブな自動化」は、保育業界の構造的なトランスフォーメーションを促すに違いないと感じます。

編集部コメント

保育・育児関連の社会課題解決を目指す“Childcare Tech”領域のスタートアップ企業・ユニファが、シリーズDラウンドとして、総額40億円の第三者割当増資契約の締結を発表した。

 

引受先は以下の通り。

 

《海外投資家》

  • Minerva Growth Partners
  • MPower Partners
  • Salesforce Ventures 他1社(ロングオンリー型・独立系資産運用会社)

《国内投資家》

  • 第一生命保険株式会社
  • DIMENSION株式会社
  • 創発の莟ファンド
  • GLIN Impact Capital
  • 株式会社博報堂DYベンチャーズ

 

また同時に、ユーザベース取締役の松井しのぶ氏と、西村あさひ法律事務所の岩瀬ひとみ氏、MGP(元メルカリCFO)の長澤啓氏が社外取締役に就任し、監査等委員会設置会社へと移行。よりESGを重視した経営体制の構築、およびガバナンス体制の強化を目指しての組織体制となった。

 

ユニファといえば、「家族の幸せを生み出す あたらしい社会インフラを 世界中で創り出す」ことをパーパスとして、IoTやAIを活用した保育支援サービス「ルクミー®」シリーズ、および「スマート保育園®・スマート幼稚園®・スマートこども園®」を展開する企業。

 

ルクミ―シリーズには、睡眠中の園児たちを見守る「ルクミー午睡チェック」や、子どもたちの日常を手間なく保護者へ届けるフォトサービス「ルクミーフォト」、コロナ禍で必須となった日々の検温にかかる時間の短縮等ができる「ルクミー体温計」などがある。

 

これらのサービス開発の背景には、日本の女性活躍の現状と保育士不足といった社会課題がある。

 

女性活躍の現状としては、世界経済フォーラム(WEF)が実施したジェンダーギャップ指数2021において、日本は調査対象156ヵ国中120位と、G7の中では最下位という結果であり、目標達成に大きな課題を残す状況となった。

 

今後、ジェンダーギャップの解消・女性活躍をより一層の推進していくうえで、働きながら子育てをする人達の社会インフラとして、保育施設はますます重要な施設となる事が予測される。

 

その一方、全国の保育士の有効求人倍率は、令和元年1月時点で約3.9倍と全職平均の約3倍の水準感であり、保育士不足が深刻な課題となっている。

 

画像:保育所等待機児童数及び保育所等利用率の推移(厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和2年4月1日)」

 

また、経済協力開発機構(OECD)が実施した調査対象(※)のなかで、日本の保育者は自宅への持ち帰り業務を含めた1週間の仕事時間が50.4時間(単純換算で1日10時間以上の労働)と、調査対象国の中で最も長時間労働となっている事実も判明している。

※出典「国際幼児教育・保育従事者調査2018 保育の実践に関する保育者の意識」(経済協力開発機構)参加国:日本、チリ、デンマーク、ドイツ、イスラエル、アイスランド、韓国、ノルウェー、トルコ(デンマークは一部で回収率が低く比較対象外)

 

 

長時間労働や業務負荷が大きいといった理由から、保育士資格を所有しながら保育士として働いてない“潜在保育士”は、約100万人も存在し、保育士資格者全体の約60%を占めているという。

 

 

これに対してユニファは、保育士の業務負担を削減して時間と心のゆとりを確保することで、最も重要である子ども達との関わりに保育者が集中し、保育の質の向上を確保できる環境作りを支援しているというわけだ。

 

 

同社は埼玉県や福岡市など地方自治体と連携した実証実験も行っており、全国の保育施設における「ルクミー」シリーズの導入数は、2021年4月時点で累計10,000件を超えている。

 

 

また、ユニファの全サービスを導入した「スマート保育園®」のモデル園では、月に60%以上の業務時間(※)を削減した施設もあるなど、保育関連業務のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を通じて保育者の業務負担を軽減し、働きやすい環境作りや保育の質の向上に寄与してきた。

※サービス導入前後における、写真販売、検温、連絡帳、シフト作成にかかる業務時間の変化

 

 

今回調達した資金は、ルクミーシリーズや新規事業に関わるプロダクト開発費用、さらなる顧客施設拡大に向けた営業・マーケティング費用、優秀な人材の獲得費用、M&A等に使用する予定であり、事業基盤・経営基盤を強化することで、中長期的な成長を加速させていくという。

 

 

なお、今回の引受先企業の一つに、先日設立が発表されたばかりのMPower Partnersが名を連ねている点は、特に印象的である。

 

 

MPower Partnersのゼネラル・パートナーのであるキャシー松井氏は、下記のようにコメントを寄せている。

 

 

「ESG重視型ベンチャーキャピタルファンドとして、ユニファと協力させて頂きESGを推進できることをとても楽しみにしています。ユニファは保育業界におけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーです。これから更に大きくなられる、それでも未上場の会社様として簡単では無いですが、ESGのさらなる強化によってこそ、次のステージへ成長していけると信じています。」

 

 

子どもたちの健やかな成長環境の整備は、私たち人類の持続的なウェルビーイングの礎であることは間違いない。

 

 

ユニファが掲げる「家族の幸せを生み出すあたらしい社会インフラを世界中で創り出す」ことの意義は、今は日本だけでなく、グローバル規模での持続性に関わる話だ。

 

 

働く親にとって園の先生方は無くてはならないパートナーだからこそ、同社の「ポジティブな自動化」は、保育業界の構造的なトランスフォーメーションを促すに違いない。

  

LoveTechMedia編集部

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