記事の要点
・JF全漁連が、全国の浜と消費者を繋ぐ産直ネットショップ「JFおさかなマルシェ ギョギョいち」をオープン。全国の漁師が季節ごとにオススメする旬の魚や漁師めし、加工品と浜の情報などを掲載・販売。
・ただ商品を販売するのではなく、モノによっては生産者の思いを伝える動画や水揚げ風景の写真など、ビジュアル面での工夫も凝らされている。
・「ギョギョいち」というネーミングは、取り組みの認知拡大を狙い、JF全漁連 魚食普及推進委員のさかなクン協力のもとで、名称の一般公募を実施。872件の応募の中から選定された。
LoveTechポイント
日本人の魚介消費量は若い世代を中心に年々減少傾向にあり、水産庁の統計では、魚介類の1人当たりの年間消費量は2001年度の40.2キロをピークに、16年度は24.6キロにまで低下しています。
商品の魅力(プライドストーリー)や、より美味しく食べるためのレシピ、生産者の思いを伝える動画の掲載など、魚の魅力を実感する体験を重視したサイト設計がLoveTechだと思います。
編集部コメント
全国漁業組合連合会(以下、JF全漁連)が、全国の浜と消費者を繋ぐ産直ネットショップ「JFおさかなマルシェ ギョギョいち」(以下、「ギョギョいち」)をオープンした。
JF全漁連とは、漁業者が地域ごとに結成している漁業協同組合(JF)の全国団体。水産業の振興を図り、組合員である漁師の経済性と社会的地位の向上を目指している存在だ。
その各地にまたがった組織体の特徴を活かし、全国の漁師が水揚げした水産物の流通を後押し、消費拡大と魚食推進を目的に構築されたのが、今回発表された「ギョギョいち」である。
サイトをご覧になるとお分かりの通り、美味しそうな「プライドフィッシュ」(※)や地魚を使った加工品等が並んでいる。また、ただ商品を販売するのではなく、モノによっては生産者の思いを伝える動画や水揚げ風景の写真など、ビジュアル面での工夫も凝らされているので、よりストーリー性をもっての購買が可能だ。
※プライドフィッシュ(PRIDE FISH):各県JFグループが、春夏秋冬それぞれの季節に旬を迎える魚の中から、各時期1種類ずつ選定する水産物のこと。1年で4種のピックアップを3年間続け、最大で各県域12種の「プライドフィッシュ」を決定する。詳細はこちら
この「ギョギョいち」、まずは二十数種類の商品販売からのスタートとなるが、今後、全国の漁師が季節ごとにオススメする旬の魚や漁師めし、加工品と浜の情報などを、順次追加していく予定だという。
ちなみに「ギョギョいち」というネーミングは、JF全漁連 魚食普及推進委員の「さかなクン」協力のもとで一般公募され、872件の応募の中から選定されたものだという。
JF全漁連が発行する「ギョギョいち」チラシ
LoveTech Mediaでは、テクノロジーによって漁業業界の課題解決をしようというFishTech(広義ではMarineTech)の領域における取り組みを、これまでも追ってきた。
高齢化・若手漁師の不足・IT化の遅れ・資源管理・非効率な物流など、業界横断で取り組むべき様々な課題が存在しているわけだが、例えば漁業関係者向け交流サイト「漁師コミュニティ」なんかは、各ステークホルダー同士を繋げるとてもいい取り組みだと感じ、今年1月に実際のオフラインイベントを取材させてもらった。
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そこでも色々な課題が話し合われていたわけだが、中でも、若い世代を中心に魚離れが進む日本において、テクノロジーの活用による販路拡大に、大きな課題意識をもっている方が多かった印象だ。
水産庁の統計によると、魚介類の1人当たりの年間消費量は2001年度の40.2キロをピークに、16年度は24.6キロにまで低下している。
※出典:農林水産省「食料需給表」
一方で、一般社団法人大日本水産会魚食普及推進センターが実施した「令和元年水産物消費動向調査」によると、魚料理を好きと回答した人は94%で、性年代でみても大きな差はなく、日本人の魚食嗜好は高いことが分かっている。
だからこそ、生産者の思い生産者だからこそ知っている美味しい食べ方など、商品のこだわりを伝えるプラットフォームとして「ギョギョいち」が広まり、魚を食べたいという意向が実消費につながっていくことを、当編集部でも期待したい。
以下、リリース内容となります。