記事の要点
・「お茶で対立のない優しい世界をつくる」ことを理念に掲げるTeaRoomが、岐阜県郡上八幡の辰巳蒸留所と、日本茶の“生葉”を使ったクラフトジン「First Essence Tea Leaf Gin」の共同開発・商品化を発表。
・静岡県大河内でTeaRoomが育てている在来品種と、同県葵区の香駿という香りの良い品種の生葉を組み合わせることで、お茶の香りを最大化しつつ、一番よいところで蒸留された一品となっている。
・販売価格は4,600円(税込)。少数生産のため原則一般の販売はしていない。
LoveTechポイント
以前TeaRoom岩本氏とお話をした際に、「お茶は概念です」とおっしゃっていたのが、非常に印象的でした。
今回は日本茶の“生葉”を使った国内初のクラフトジンということで、生葉という未利用資源を活用した商品開発によって、お茶の新しい流通のあり方を模索している点が、LoveTechだと感じます。
編集部コメント
「お茶で対立のない優しい世界をつくる」ことを理念に掲げる株式会社TeaRoomが、岐阜県郡上八幡の辰巳蒸留所と、日本茶の“生葉”を使ったクラフトジン「First Essence Tea Leaf Gin」の共同開発・商品化を発表した。
辰巳蒸留所といえば、世界30カ国、国内外合わせ700以上もの酒造・醸造所を巡り見識を広めた 辰巳祥平氏が始めたクラフトジン蒸留所。果実や植物を原料に、ジンやアブサンなどを小ロットで生産し続ける、日本で最初の小規模蒸留所だ。アブサンの聖地であるフランスとスイスの山岳部の風景に似ていたことから、2017年に岐阜県郡上八幡にに蒸溜所を設立したという。
実は当メディアで以前取材した昆虫食レストラン「ANTCICADA(アントシカダ)」とも、「アルケミエタガメジン」という東南アジア原産・タイワンタガメのオスを使ったクラフトジンを共同開発したことで知られている。
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一方でTeaRoomは、茶道流派の一つ・裏千家での茶歴が14年を超える 岩本涼氏が率いるお茶スタートアップ。 茶の湯と日本茶の融合をテーマに、静岡県大河内(現在の静岡市葵区北部、安倍川中流域)の工場を事業承継する形で、お茶の新しい付加価値創造に注力をしている新進気鋭のベンチャーだ。
茶畑から行う意味と意義を昇華させ、流通の最も上流からの商品開発を進める過程で、「生の日本茶茶葉」を有効活用した事業を展開できないかと模索している中、今回の辰巳蒸留所に相談。日本茶生葉を“蒸留”する可能性について互いの意見が一致したことで、今回のコラボレーションにつながったというわけだ。
ちなみに辰巳氏は、同蒸留所公式Facebookにて、以下のようなコメントを記載している。
5月中旬、静岡県の大河内にある(株)TEAROOMより収穫した茶葉が届きました。大河内にある在来品種、そして私が最も香りの潜在性を感じていた香駿という品種。茶葉を製茶するまでの工程で失うもの、得るもの、その中で最も茶葉が香る状態で蒸留しました。口に含むと茶葉の旨味と共に白い花の余韻に包まれます。
(中略)
※2009年に約5か月間アジアを旅しながら飲んだ約260銘柄のお酒で一番美味しかったお酒は台湾で出会った烏龍茶の蒸留酒でした。台湾で飲んだ味わいの記憶、その片鱗を少しだけ感じることができた今回の蒸留。茶葉の新しい可能性の出会いに感謝。
-辰巳蒸留所公式Facebookより引用(原文ママ)
今回発表された「First Essence Tea Leaf Gin」では、静岡県大河内でTeaRoomが育てている在来品種と、同県葵区の香駿という香りの良い品種の生葉を組み合わせることで、お茶の香りを最大化しつつ、一番よいところで蒸留された一品。まるで茶畑にいるようなお茶の香りが引き出されたジンになっているという。
製品概要は以下の通り。
- 販売価格:4600円(税込)
- 購入方法:少数生産のため原則一般の販売はしておりません。
*ご試飲等をご希望の方は info@tearoom.co.jp 宛にご連絡ください。- 蒸留器:カブト釜蒸留器
- ベーススピリッツ:吟香露、高田酒造の米焼酎、ちこり焼酎
- ボタニカル:ジュニパーベリー、茶葉(香駿、大河内在来種)
- 生産本数:312本
今年度は小売販売は行われないが、全国の酒屋やバーなどで出逢える可能性はある。
どうしても気になる方は、TeaRoom社に問い合わせしてみてると良いだろう。
info@tearoom.co.jp
以下、リリース内容となります。