記事の要点
・二次交通のデジタル化とその活用をミッションとするRYDE株式会社が、鉄道、バス、路面電車、旅客船などの様々な乗車券を、簡単かつ持続可能にデジタル化できるモビリティプラットフォーム「RYDE PASS」をリリース。
・乗車券をデジタル化することで、ユーザーはスムーズな乗り継ぎ等ができるだけでなく、交通機関サイドとしても、ダッシュボード機能等を通じて該当の乗車券が誰にどのように利用されたか、定量的なデータで捉えることができる。
・現在RYDE PASSで乗車券の販売と利用を実施しているのは、豊橋鉄道とその他複数の地域のみ。今後、複数の自治体・交通事業者様への導入を予定。
LoveTechポイント
地域への観光や出張の際に感じる、複数交通機関を利用する際の「煩雑さ」は、観光客と地域、双方にとって非常に勿体無いハードルになっていると感じます。
乗車券をデジタルプラットフォームで統合することで、Win-Winでシームレスな移動環境を実現しようとしている点が、LoveTechだと感じます。
編集部コメント
二次交通のデジタル化とその活用をミッションとするRYDE株式会社が、鉄道、バス、路面電車、旅客船などの様々な乗車券を、簡単かつ持続可能にデジタル化できるモビリティプラットフォーム「RYDE PASS」をリリースした。
二次交通とは、観光業界において拠点となる空港や鉄道の駅から観光地までの交通のことであり、鉄道や路線バスなどを使って、観光地へ赴く交通手段のことである。
地域の観光地は過疎化により鉄道やバスの便が悪くなっているため、観光を振興させるに、観光地までのシャトルバスやレンタル自転車の整備するなど、移動の利便性向上が重要なポイントとされている。
新幹線、飛行機、高速バスなど日本の一次交通は、世界でも優れた素晴らしいものである。一方で二次交通は、地方における少子高齢化で人材不足や財政難といった課題、地域の交通事業者、自治体、街の中小事業者のちょうど間に位置してしまう構造的な課題などから、デジタル化の波に乗ることができていない。
RYDEでは、このような状況の全国各地の交通事業者や自治体からDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する依頼や相談を受ける中で、使う人にとってわかりやすく簡単であり、かつ運営事業者にとっては無理なく続けられる乗車券のプラットフォームが必要と考え、「RYDE PASS」の企画・開発に至ったという。
具体的にRYDE PASSが進めているのは「乗車券のデジタル化」。
必要なものは画像と文章のみで、システム開発は不要。誰でも簡単にノーコードでデジタルチケットが作成することができ、初期費用や保守費用も一切かかからないという。
また、ダッシュボード機能も備えられており、該当の乗車券が誰にどのように利用されたか、定量的なデータで捉えることができる。つまり、顧客分析やマーケティング活動といった、新しい売上につなげられる施策を仕掛けることも可能なのだ。
ユーザーにとっての使い方もシンプルで、地図上から対象地域を選択し、希望の乗車券を選んでチケットを購入し、あとは「利用開始ボタン」を押して乗務員に動画のチケット画面を提示するだけだ。
現在RYDE PASSで乗車券の販売と利用を実施しているのは、豊橋鉄道とその他複数の地域だが、今後も複数の自治体・交通事業者様への導入を予定している。
旅行先での移動は、普段乗り慣れていない交通機関を使用することもあり、経路の検索や乗車券の購入に手間を感じている方も多いはず。
わかりにくい交通案内や、想定以上に面倒な乗り継ぎフローによって、せっかくの観光のテンションが下がってしまうのは、観光客と地域、双方にとって非常に勿体無いと言える。
RYDEのソリューションが地域社会に浸透すれば、移動の自由度が格段に高まることは間違いないだろう。引き続きサービスの導入状況を注視していきたい。