OnlyFansなどで成人向けコンテンツを販売するクリエイター向けに、流出・無断転載の検出や削除申請を支援するBranditScanが、海賊版対策機能「Leak Detection」をアップデートした。成人産業の専門メディア・XBIZが2026年7月30日に報じた。
今回の更新では、画像照合などに加えて、「海賊版を探す人が使いそうな言葉」を手がかりにすることで、流出・転載されたコンテンツを見つけやすくしたという。BranditScanは、この仕組みを海賊版を探す人の「意図」を検出するものと説明している。
どのような仕組みなのか、公開されている情報から見ていく。
クリエイター名と流出関連語を組み合わせて検索し、画像が見えないページも言葉から候補に

BranditScanはこれまで、顔認識や透かし、ユーザー名の照合、コンテンツの特徴量などを使って無断転載を検出すると説明してきた。
今回の更新では、クリエイター名と、「流出」「無料」「有料投稿の再配布」などを意味する英語表現を組み合わせて検索する(”[creator name] leaks”、”[creator name] onlyfans”、”[creator name] onlyfans free”、”[creator name] of mega”、”[creator name] nudes”、”[creator name] ppv leak”など)。
これにより、海賊版サイトや掲示板、ファイル共有サービスなどにつながる検索結果を見つけ出すという仕組みのようだ。同サイトは、Google、Reddit、Telegramなどを対象に毎時スキャンすると掲げている(ただし2026年4月更新のヘルプページでは、月額69ドルのPremiumプランを「AIによる日次スキャン」と説明している)。

成人向けコンテンツをネット上で検索したことがある方であればイメージできると思うが、検索結果にはクリエイター名と「無料」といった言葉だけが表示され、実際の画像や動画は別の保存先に置かれている場合がある。
こうしたページを最初に見つけられなければ、顔認識や画像照合を行う以前に、確認すべき候補から漏れてしまう。画像照合にキーワード検索や文脈分析を組み合わせる狙いは、画像だけでは見つけにくい転載ページへたどり着くことにあるわけだ。
文字情報を手がかりにすれば、画像の一部が切り抜かれていたり、透かしが消されていたりしても、ページ名や説明文から転載候補を拾える可能性がある。
この、言葉から海賊版を探す発想はBranditScan独自のものではなく、2026年に始まったクリエイター向け削除支援サービス・Fanlockも、海賊版を探す人が使う検索方法を再現する「Pirate-Intent Search」を提供している。
成人向けコンテンツの保護では、画像そのものを照合する技術に加えて、海賊版の流通現場で使われる言葉を追跡する方法が広がりつつあるのがトレンドと言えるだろう。
候補検出から削除申請までに必要な確認

今回アップデートが発表されたLeak Detection機能が担うのは、まず無断転載の可能性があるURLを見つけ出すことだ。検出された候補が、そのまま削除対象になるわけではない。
そもそも、コンテンツの削除や検索結果からの除外を求めるには、権利者や対象作品、侵害が疑われる場所を特定したうえで、その利用が権利者や法律によって許可されていないと誠実に信じていることなどを通知する必要がある。米国著作権局が解説するデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の通知・削除制度でも、こうした要件が定められている。
BranditScanのヘルプページによると、ユーザーが自動削除申請を有効にしている場合、Google検索で見つかった侵害候補については自動的に通知を送る。一方で、Webサイトやソーシャルメディア上で直接見つけた候補は、ユーザー自身が確認する仕組みだという。個別の検索結果を「無視」に設定し、自動申請の対象から外す操作も案内されている。
ちなみに、Googleの検索結果からURLが削除されても、転載元のサーバーから画像や動画そのものが消えたとは限らない。Googleも、検索結果からの削除と、掲載サイト上のコンテンツ削除を分けて説明しているし、BranditScanも、Google検索からの除外には通常24時間以内、掲載サイトからの削除には平均14〜30日かかるとしている。
検出精度と顔照合データ、なお残る論点

BranditScanの公式サイトには、同社がGoogleへ送った著作権関連の削除申請記録へのリンクとともに、「False Positives < 0.5%」と表示されている。Googleの公開記録から確認できるのは、BranditScanが送った削除申請の件数や処理状況だ。
OnlyFansの運営代行事業者向けサービスを手がけるOutseekerは、20人を超えるクリエイターを4カ月間管理した結果、BranditScanを使って対象コンテンツの85〜95%を7日以内に削除できたと、2026年2月の記事で報告している。これは今回のアップデート以前の事例であり、新しいLeak Detectionの検出精度を示すものではないものの、同社サービスの効果を理解する上で一定の判断材料となるだろう。
本記事の公開前に調べた範囲では、新機能の検出率や誤検知率を測った独立した検証は確認できなかった。対応する言語やサービスの範囲、Telegramなどの非公開グループ内にあるコンテンツを検出できるのかも明らかになっていない。よって、実際の性能を見極めるには、従来の検索方法と比べて、見つけられる無断転載がどれだけ増え、誤検知がどの程度発生するのかを確かめる必要があると言える。
守られるべきなのは、コンテンツだけではない
Leak Detectionが守ろうとしているのは、コンテンツを販売する機会だけではない。
成人向けコンテンツのクリエイターは、料金や公開期間、閲覧条件などを自ら決めたうえで、性的な写真や動画を提供している。それらが無断で転載されれば、本人が想定していなかった人々の目にも触れる。活動を終えた後も、過去の活動名と結びついたまま検索され続ける可能性がある。
無断転載によって損なわれるのは、自分の身体表現を、誰に、どのような条件で見せるかを決める権利でもあるわけだ。
こうした権利を守るサービスだからこそ、クリエイターから預かる情報の管理も重要になる。
BranditScanは、活動名と顔写真を登録すると照合精度が高まると公式サイトで説明している。利用規約では、登録された正規プロフィールから公開情報を収集するものの、実際のコンテンツファイルをダウンロード、保存、再配布することはないとしている。
重視すべきなのは検出件数だけではない。今回アップデートされたLeak Detection機能を通じて、候補の検出から削除申請、顔照合データの管理までを、クリエイター自身が制御できる設計になっているかが問われている。


