自身の精子をスマホなどで観察し、その活力状態をチェックすることができる、精子簡易チェックツール「SuguCareメンズホームチェッカー」(URL: https://sugucare.jp/ninkatsu/homechecker/ )。
ウェブ完結型であることから、自宅で精子活力状態を観察でき、観察した動画を専用サイトに匿名でアップロードすることで、生殖技術の専門家である「培養士」によるレポートも付いてくるという新サービスだ。
前編では、スグケアシリーズ開発までの経緯やその仕組み、将来的なビジョン等について、開発元であるスピンシェル株式会社 取締役の酒井 大介(さかい だいすけ)氏にお話いただいた。
後編では、「SuguCareメンズホームチェッカー」の具体的な使い方や仕様の意図、企業による福利厚生ニーズのトレンドについて、それぞれお話を伺った。
アプリも郵送も不要な精子チェックフロー
「SuguCareメンズホームチェッカー」の使い方は実にシンプルだ。アプリのインストールや、採取した精子の郵送などが不要なのである。
まずは専用キットを購入する。こちらは2019年7月時点で、Amazonでの購入が可能となっている。(URL : https://www.amazon.co.jp/dp/B07S3PKLWJ )
SuguCareメンズホームチェッカーのサービストップページ(2019年7月時点)
SuguCareメンズホームチェッカーの内容物一覧
キットが到着したら、中身を取り出し、任意のタイミングで精液を採取する。上図の通り採取カップが同封されているので、そこに精液を入れる。
採取した精液は、液状化するまでカップ内に10〜20分ほど置いておく。
並行して、同じく同封の観察ルーペをスマホにセットする。ただ置くだけだと不安定なので、付属の両面シールをスマホのフロントカメラに貼り、その両面シールの上にルーペを載せて固定する仕様だ。
「SuguCareメンズホームチェッカー」では、スマホのビデオカメラモードを使って精子を観察し、動画を保存する。そのため、このセットのタイミングでスマホのカメラを起動し、観察視野が画面の中央に来るよう、ルーペの位置を調整する。カメラの真ん中が明るくなったら、観察準備が完了となる。
採取コップの精液が液状化したら、いよいよ観察タイムである。付属の採取スティックに微量の精液を付け、観察ルーペの上に数滴乗せる。もちろん、このタイミングでスマホのビデオカメラモードもONしておく。
これで、スマホの画面に、精子の動き回る様子が映し出される。スマホカメラを顕微鏡として活用することで、これまで目にすることすらなかった自身の精子が、途端に身近な存在になるというわけだ。
この様子を眺めつつ、そのままスマホで精子の動く様子を撮影する。動画の長さは10秒前後で良いとのこと。この際に、部屋全体が暗いと、精子の様子がわかりにくい。単一の照明を垂直に当てることが、上手に観察するコツだという。部屋の明かりを1つにし、照明の真下で観察するのがベストと言えるだろう。
精子の観察が終わったら、精液量もチェックする。プラスチック製のメモリ付計量管が同封されているので、液状化した精液を全て計量管に移し、精液量を測る。
クラウド培養室に動画をアップロードする際に、精液量の入力欄があるので、ここで測定した精液量をメモしておく。
最後は、今しがた撮影した動画の、クラウド培養室へのアップロードだ。
専用アカウントを撮影し、マイページ上から動画をアップロードするという流れになる。
購入したキットの中に、以下のような名刺サイズのカードが入っている。
ここにログイン用ページへのURL(QRコード)と、動画アップロードのための一意のシリアルコード10桁が記載されている。撮影した動画を、観察日・精液量を入力した上でアップロードする。
ちなみに、動画は最大3つまでアップロード可能ということなので、3回までキットを活用することができる。
アップロードが完了したら、1週間前後でマイページに培養土レポートが届く。レポートが届いたらメールで知らせてくれるというわけだ。
いかがだろう。キットの購入さえ済ませれば、あとはスマホ一つで全てが完結する流れである。
この手順を前提に、本製品の立ち上げから担当している、スピンシェル株式会社 サービスマネジャーの今井里南(いまい さとな)氏にお話を伺った。
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