クリエイター215名が“本当にやりたい仕事”を展示 〜「#私はこんな仕事がしたい展」レポート(イベントは終了しました)

イベントレポート

#私はこんな仕事がしたい!

#私はこんな仕事がしたい」ムーブメントをご存知だろうか。

 イラストレーターなどクリエイターの方々を中心に、「本当にやりたい仕事」をツイッター上で表現する、ハッシュタグ・ムーブメントである。

 例えばこんな具合だ。


 実際にツイッター上で「私はこんな仕事がしたい」を検索すると、山のようなクリエイターたちのつぶやきを確認することができるだろう。

 そんなツイッター上のムーブメントを、ネット空間だけで終わらせず、オフラインの展示会として昇華された場が、11月29日〜12月1日の3日間で開催されている「#私はこんな仕事がしたい展」である。

 企画・主催するのは、クリエイターのためのポートフォリオサービス『foriio(フォリオ)』を運営する株式会社1ne studio。「個のクリエイターをエンパワーメントする」をビジョンに掲げるスタートアップ企業だ。

初日のオープニングパーティーで司会を務めた、株式会社1ne studioマーケティングマネージャーの高山みちのぶ氏

 計215名のクリエイター達による「こんな仕事がしたい」作品ポートフォリオが、一人1台ずつ割り振られた215台のiPadで展示されるという、なんとも斬新な場に仕上がっている。

 LoveTech Mediaでは、クリエイターに寄り添う愛ある取り組みとして、初日の夜に開催されたオープニングパーティーに参加してきた。

クリエイターの苦労を知った原体験

 そもそも、『foriio(フォリオ)』がどういうサービスなのかというと、誰でも簡単に、すぐに、見やすいポートフォリオページを作成出来る、世界でいちばんやさしいポートフォリオ作成サービスである。Webに関する知識が無い人でも簡単に自分の実績をまとめることが可能で、ボタンひとつで他者へ共有も可能なので、急な営業機会にも焦ることなく、即座に活用できるようになっている。

https://www.foriio.com/

リエイティブ業界に恩返しをする

 こうサービス開発への思いを綴るのは、株式会社1ne studio 代表取締役の山田寛仁氏。起業前は10年程、アートディレクター&デザイナーとして活動されていた人物だ。

株式会社1ne studio 代表取締役 山田寛仁氏

 同氏はその時の活動を通じて、クリエイターの方々の様々な苦労を知ることになる。例えば、自分の実績をアピールする場や手段を、なかなか設けることができない点。彼らは作品を生み出すプロであるが、アウトプットである作品データを自由に扱えるほどデジタルリテラシーが高い人だけではなく、また仕事のデータすら手元に残っていないケースだってある。

 素敵で夢がある業界だと思うからこそ、そして多くの友人や同志と出会えた業界だからこそ、負の部分をちゃんと問題点として捉えて改善していきたい。

 そんな原体験を経て開発されたのがforiioだという。

「今回の企画展は、73名の方からクラウドファンディングで支援いただき、また215名ものforiioユーザークリエイターさんに展示参画いただいて、実現しました。

自分を売り込むのが苦手だったり、ウェブ上に自分の作品を発表することにハードルを感じるクリエイターさんが多いこと知っていて、この業界が変わると信じてやってきたので、こんなに多くの方々にご参加いただけたのが本当に嬉しく思います。

ぜひこの後、ゆっくりとご覧になってください!

タグが“ラブレター”みたいになっていった

 初日の会場には、この展示会企画のきっかけとなった「#私はこんな仕事をしたい!」ムーブメントの火付け役・サタケ シュンスケ氏もいらっしゃっていた。

イラストレーター サタケ シュンスケ氏

 今年6月30日のこちらのつぶやきから、「そうだもっと自分から声を出していってもいいよね」と、ふと思いつきではじめたハッシュタグ「#私はこんな仕事がしたい」。


 これをきっかけに、クリエイターを中心とする実に様々なアカウントから、同様のタグでの発信ムーブメントが動き始めたという。

サタケ氏:前提として、その時ツイッター上で「SNS上で仕事下さい、と発信するのは良いかダメか」といった議論がなされていました。

こちらからお願いして仕事もらうと、立場的に上下ができるからやめたほうが良いなど、賛否両論があり、難しい問題だと感じました。

一方でクライアントの立場から考えたら、仕事を頼むならば「やりたいです!」と手を上げてくれる人にお願いしたいだろうなと。

だからこそ、「こんな仕事をしたい!」と手を上げやすくする状況を作れないかと思い、ツイッター上でつぶやき始めました。

実は「#私はこんな仕事がしたい」タグは、投稿した後からつけたりしているのですが、それに共感してくださった方がどんどん集まってきて、同じタグでたくさんの方がつぶやいていって、あっという間に広がっていきました。

つぶやきの中身以上に、タグがあることで、伝えやすくなるんですよね。

タグが“ラブレター”みたいになっていったのが、とても印象的でした。

山田氏:これによって、みんなが言いやすくなったというのがありますよね。

ハードルを下げて、手を上げやすくする。僕たちのサービスも同じ思いです。

仕事を依頼する側もされる側も、もっとお互いが歩み寄りやすくなって、より働きやすい環境をつくっていきたいですね。

LoveTech Mediaが特に“いいな”と思った作品8選

 会場には、様々なクリエイターによる厳選4作品が、iPad上に展示されている。画面をスワイプして作品を見ていき、気になるクリエイターがいたら、より詳細をチェックすべく、同じく展示されているQRコードからスマホで、各自のforiioページ(作品ポートフォリオページ)へと飛んでいける仕組みとなっている。

 ここでは具体的にどんな作品が展示されているか、LoveTech Media厳選の8クリエイターについてご紹介する。

素敵な出会いがこの企画展から生まれて欲しい!

 foriioの目指す世界と、サタケ氏がきっかけとなった「#私はこんな仕事がしたい!」ムーブメントについては良くわかった。

 では、この展示会は、どのような思いで企画されていったのか。

 本企画の責任者として、企画から運用までをトータルで推進してきた長島志歩氏にお話を伺った。

株式会社1ne studio foriio 長島志歩氏

「本来仕事って、お仕事を依頼する側も受ける側も、“パートナーとして一緒に作っていく”という距離感が大切だと思い、foriioではそのための最適な入り口を作りたいと思っています。

そんな中、今年の7月中旬に、サタケさんハッシュタグを見つけて、これだ!と感じました。

この動きをforiioとしても加速させたいし、オンラインだけにとどまらず、オフラインでもこの切り口で届けたい!

そう考えて早速サタケさんにご相談し、快諾いただけたので、1ヶ月後の8月からforiioユーザーの皆様に、展示の参加を募りました。

結果、予想をはるかに超える215名のクリエイターさんから参加表明いただき、今日を迎えることができました。

 クリエイターサイドからは一切の費用をもらっておらず、クラウドファンディングによる支援とスポンサー、そして会場でのグッズ販売のみで成立させているという。

会場で販売されている「#私はこんな仕事がしたい展」カタログ

全ての展示物について、丁寧に紹介されている

「募集が完了してからも「ぜひ出展したかった!」というお声をたくさん頂きまして、とても有り難いと感じます。

面白いのが、展示作品の中には「牛乳パッケージのデザインを作ってみたい」「日本酒のラベルをやってみたい」といった具体的な希望を書かれているものが沢山あって、しかも、すでに形にしている方もいらっしゃいます。

具体的なモノと想いがあるからこそ、お仕事を依頼する側にとっても安心になると感じています。

パーソナリティの部分がさらにフォーカスされる形で、お仕事のやりとりが生まれる。そんな出会いが、この企画展から生まれることを願っています!

元々は映画業界で働いていた長島氏。その頃から「もっと世の中の認知が上がるべきクリエイターさんがたくさんいる!」と感じており、そんな世の課題を解決する世界観に魅了され、foriio(株式会社1ne studio)にジョインされたという

 

 こちらの「#私はこんな仕事がしたい展」は12月1日までの開催となっている。気になった方やクリエイターの方、実際にクリエイターをお探しの方は、ぜひ参加されて見ることをオススメする。

 クリエイター愛に満ちた、素敵な空間であった。

「#私はこんな仕事がしたい展」開催概要

企画展URL

https://exhibition-foriio.webflow.io/

開催日時
11月29日(金)14:00 – 18:00
11月30日(土)11:00 – 18:00
12月01日(日)11:00 – 15:00

開催場所
Galaxy – Gingakei
(東京都渋谷区神宮前5-27-7-B1)

プログラム
foriio登録クリエイターによる作品展示
各業界クリエイターによるトークセッション
etc…

参加費
無料

主催
株式会社1ne studio
クリエイターのためのポートフォリオサービス「foriio」の運営

 

編集後記

「#私はこんな仕事がしたい展」、とっても素敵な空間でした。

 

クリエイターの方々が、想いを持って発信する作品群。

 

そして、それを下支えするforiioメンバーのみなさま。

 

当日の会場には、作品を展示しているクリエイターの方々も多数いらっしゃっており、早速その場で仕事のお話に繋がっている場面もありました。

 

みな口々に「こういった取り組みはとても有り難い」「他のクリエイターさんとお話できるのが楽しい」とおっしゃっていました。

 

良いエネルギーが循環する空間なので、気になった方は、ぜひ足を運んでみてください!

長岡武司

LoveTech Media編集長。映像制作会社・国産ERPパッケージのコンサルタント・婚活コンサルタント/澤口珠子のマネジメント責任者を経て、2018年1...

プロフィール

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