男性にも妊活を自分ごとに捉えてもらい、早期受診に繋げる
スピンシェル株式会社 サービスマネジャー 今井里南氏
「SuguCareメンズホームチェッカー」がここまで「簡便さ」にこだわる背景は、男性の不妊治療に対する「腰の重さ」だという。
Via SuguCare(スグケア)
「WHO調べによると、カップルの不妊症における男性理由の割合は、約半分の48%にのぼります。しかし、不妊検査を受けるタイミングは、圧倒的に女性の方が多いという現状があります。」
引用:厚生労働省 子ども・子育て支援推進調査研究事業「平成27年度 我が国における男性不妊に対する検査・治療に関する調査研究」Via SuguCare(スグケア)
「私たちはこの事実を踏まえ、男性妊活の一歩目をなるべくハードル低く踏み出してもらうことを目指して、SuguCareメンズホームチェッカーを設計しました。」
ほとんどの精子チェックサービスは、独自に開発したアプリのインストールや、採取した精液の郵送が必要となるが、その工程自体が面倒であり、多くの男性の精子チェックハードルを上げていると言う。
また、医療機関での受診をするにしても、レディースクリニックなどに行くこと自体、抵抗のある方も多い。
その点「SuguCareメンズホームチェッカー」は、インターネットに繋がるビデオカメラ付き端末さえあれば、いつでもどこでも精子のセルフチェックができるので、多くの男性の妊活アクションに風穴を開けることのできる想定だと言う。
ちなみに男性不妊には、主に以下3つの症状が挙げられる。
- 造精機能障害:精巣(つまりは睾丸)で精子の形成段階に問題があるケース
- 性機能障害:精子自体に問題はないが、勃起しなかったり、勃起しても射精にまで至らないなどのケース
- 閉塞性精路障害:精巣で精子は作られているのに、射精までの経路に異常があって精液中の精子が少ない、またはいないケース
この中で圧倒的に多い症状が、精子の数や運動性など精子活力に関わる造精機能障害だと言う。
男性不妊症患者疾患別内訳
「SuguCareメンズホームチェッカーでは、精子の動く様子を自分で観察でき、おおよその精子数・精子運動率などが培養士からレポートされます。観察・レポートを通して精子活力についての気づきを得られるので、医療機関への早期受診により男性不妊の早期発見を促します。」
培養士が直接動画をチェックしてくれるので、レポート項目数も多いことが特徴だ。
もちろん、あくまで簡易チェックツールなので、気になるレポート結果が出た場合は、次のステップとして、医療機関での受診が望まれると言う。
「精子の状態は、体調によって変化するものです。SuguCareメンズホームチェッカー1レポートにつき3動画までアップロードいただけるようにしたのも、1回のチェックだけでなく、日をまたいだ別日の状態をチェックできるようにするためです。
ツールは、水洗いしていただければ複数回お使いいただけるので、ぜひ別日で3回まで動画を撮影した上で、培養士レポートをチェック頂きたく思います。」
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