LoveTech Media編集部コメント
昨今増加する不妊治療を進めるにあたり、精子の質は一つの大事なポイントである。
本日発表された製品は、不妊治療や精液検査のために自宅で採取した精液の温度環境を、良好に保ちながら運搬する保温器「SEED POD(シード ポッド)」である。
開発したのは、これまでも自宅で手軽に精子を観察できる「メンズルーペ」や、精子の育成を支援する「精育支援サプリメント」を発売し、男性の妊活を支援してきた株式会社TENGAヘルスケアだ。
不妊治療や検査のために精液採取が行なわれる回数は年間約180万回と言われており、そのうち66%にあたる119万件は自宅での採取と推計されているものの、これまでは運搬中の保温方法が確立されていなかった。自宅採取した精液を病院やクリニックまで運搬する際に、精子の運動率・生存率を上げるためには、急激な温度変化を防ぎ、なるべく常温(20-25℃)に保つことが重要である。
実験ではSEED PODを使うことで、精子保存に適した温度(常温~15℃) を4倍長く保つことに成功し、採取容器単体に比べ精子の状態が圧倒的に良い、という結果も出た。
精子は、暑いのも寒いのも苦手であり、精子にもゆりかごが必要だ。
まずは医療機関向けの販売ということで、今後の導入状況が気になるところである。
以下、リリース内容となります。
株式会社TENGAヘルスケア(東京都港区/代表取締役 鈴木雅則)は、2018年12月17日(月)より、日本初・不妊治療や精液検査のために自宅で採取した精液の温度環境を、良好に保ちながら運搬する保温器「SEED POD(シード ポッド)」を、医療機関向けに発売いたします。
製品サイト: https://tengahealthcare.com/products/seedpod/
【プレスリリース】SEED POD.pdf
採取した精液は、運搬時の温度管理が重要。しかし保温方法は確立されていない
日本では1年間に約45万件の生殖補助医療が行なわれており(※1)、不妊治療や検査のために精液採取が行なわれる回数は約180万回と言われています。そのうち、66%にあたる119万件は自宅での採取と推計されています。(※2)
自宅採取した精液を病院やクリニックまで運搬する際に、生殖補助医療に用いる精子の運動率、生存率を上げるためには、急激な温度変化を防ぎ、なるべく常温(20-25℃)に保つことが重要です(※3)。
しかし、これまでは運搬中の保温方法が確立されておらず、有効な手段がない状況でした。特に冬場は、現状の採取用減菌容器のみでは急激な温度低下が避けられない状況にあります。
※1 出典:日本産婦人科学会, ARTデータブック2016
※2 TENGAヘルスケア調べ
※3 出典:獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター 産婦人科 鈴木啓介先生の論文より
医師監修のもと、精子の適温をより長く保つためのツールを開発
そこでTENGAヘルスケアは、精液をより長く常温に保つため、医師監修のもと採精用の滅菌容器を入れて運搬できる保温器「SEED POD」を開発しました。
疑似精液(水)を用いた実験では、現状の滅菌容器のみの場合よりも急激な温度変化を防ぎ、精子保存に適した温度(常温~15℃) を4倍長く保つことに成功(※4)しました。
これまでTENGAヘルスケアでは、自宅で手軽に精子を観察できる「メンズルーペ」や、精子の育成を支援する「精育支援サプリメント」を発売し、男性の妊活を支援して参りました。
今回発売する「SEED POD」は、妊娠に大きく影響する精子の質を、自宅採取の時もより良い状態に保てる環境づくりをサポートいたします。
※4 出典:TENGAヘルスケアによる保温実験
実際の精子での実験例
SEED PODを採用いただいた仙台ARTクリニックで、実際の精子を使用した実験を実施しました。
5℃環境下で精液を30分間保管したところ、SEED PODを使用した方が採取容器単体に比べ、精子の状態が圧倒的に良いという結果が得られました。
寒い冬は特にSEED PODを使っての精液運搬が重要となることを示しています。
SEED POD 製品詳細
「精子は生きものだ」と認識したことはありますか?
赤ちゃんが暑かったり寒かったりが苦手なように、精子も暑さ寒さが苦手。
精子は急激な温度変化の影響を受けると、運動率が落ちたり、死んでしまったりするのです。
命の源である精子に、心地好い環境を提供したい。「SEED POD」はいずれ赤ちゃんとなるかもしれない精子を、大切に運ぶためのゆりかごです。
■製品名:SEED POD
■参考価格:1,800円(税別)
■取扱場所:病院・クリニック
■製造元:株式会社TENGAヘルスケア
■販売元:株式会社ナカメディカル
■使用方法:
1.SEED POD本体のフタを開けておき、内部の温度を常温にします。
2.専用の容器(※)に採精します。
3.採精した容器をSEED POD本体内に入れ、フタをしっかり閉めます。
※専用滅菌容器 採精用コンテナ(70㏄)
精子にも快適な環境を
SEED POD監修
獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター 産婦人科医師
鈴木啓介先生
精液は精液検査のみならず、治療にも必ず用いられるものであり、 精子をケアすることは妊娠率の向上へと繋がります。自宅で精液を採取した場合、クリニックに運ばれるまで気温や湿度に影響されその質が悪化してしまい、本当は正常な精液所見のはずが誤って元気の無い精液と誤診されてしまうだけでなく、本来妊娠するはずが妊娠しないなど多くの弊害につながります。
SEED PODは、自宅からクリニックへ精液を運ぶ際あるいはクリニックで治療に用いるまで保存している間、精子の悪化を最小限に抑えられる保存容器です。
ぜひSEED PODを使って、正しい精液検査や最大限の治療効果を引き出しましょう。