記事の要点
・先端的なアートを集めた企画展「グレートリセット・スモールリブート ~その後をつくる創造力(Great Reset, Small Reboots by Artists)」が、2021年10月29日(金)~11月14日(日)までの17日間、横浜みなとみらいにあるアートセンター BankART Stationにて開催。
・「グレートリセット後の創造的リブート」をテーマに、チームラボ、キュンチョメ、Minoru Fujimoto、韓亜由美など14組の先端かつ多彩な面々で展開する企画展。
・期間中には様々な企画が開催予定。11月6日(土)19:15-21:00には、岡田裕子氏(美術家)・会田誠氏(美術家)・会田寅次郎氏(芸術家・エンジニア・大学生)をゲストに迎えたトーク企画が開催予定。
編集部コメント
「グレートリセット」という言葉をご存じだろうか。
最近、メディア媒体などでよく見られる言葉だが、要するに社会構造の再構築を示すワードだ。
2021年の世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」のテーマとして掲げられ、新型コロナウイルスのパンデミックや、AIの社会実装、新たな経済圏の勃興と経済情勢の劇的変化といった世界的な混乱のなか、グローバルイシューにまで高まった強烈なキーワードである。
誰も予測ができなかった「まさか」という事も起こりうるのがこのグレートリセット時代。そんな混沌とした状況の中、今回、私達一人ひとりの道しるべとなる羅針盤を探す展覧会「グレートリセット・スモールリブート~その後をつくる創造力」の開催が発表された。
「はたして、わたしたちはこの“リセット”を前に、なすがままになるのでしょうか?」
芸術家やクリエーターの中には、その後の地図を自らの手で、さまざまな人々とともにつくりだし、創造の旗をたてる者もいる。もちろん、アート領域だけでなく、日常生活においてもそのような存在はたまに目にするだろう。今回は、そんなつくり手達による、手づくりで最先端の未来へのクリエイティブな取組が展示されるということだ。
具体的には、この小さいが確実に未来にあかりを灯すような創造を「スモールリブート」(身の丈からの再起動)と提唱し、そのコンセプトのもと、未来シナリオをつくり作品を展開する作家や、新たな時代を反映した作品を創作する作家を選定。アート思考による創造的可能性を、作品に触れた人が、ゆっくりと補い育てることができることを狙う。
展示物としては、スモールリブートに取り組み「その後」をつくる14の作品を、4つの切り口をもとに展示する予定とのこと。
まず1つ目は「アートが構想する未来」。物質とデータの両方がリアルになる時代の未来のわたしたちを指し示している。宇宙にまで広がる私たちの生存世界の中で得る精神的なやすらぎ、または、AIと人間どちらにも心地よい景観とはどのようなものか。そのような観点から、気持ちが安らかになる未来を考えるという。
2つ目は「未来を憑依するアート」。これからの世界を「いろいろな向き」に魅せてくれる作家の作品を展示しており、まるで未来が憑依したかのような作品から、日常のスモールリブートを起こしていくという。
3つ目は「未来をつくった創造」。世界のスタートアップ&イノベーションのショーケースである米SXSWのファイナリスト「nubot(nuuo)」や、教育用有料アプリ最大のダウンロードを獲得した「らくがきAR(Whatever Inc)」、NFTによるアートフィールドを作った「marimosphere」など、これからのライフスタイルやエンタメを創るプロダクトのヒントとなった創作を展示する。
そして最後4つ目は「もう一つの未来文明」。もしかしたら、別の文明があったなら、別の文明になってしまったら?という謎かけをしてくれるアーティストの作品が展示されるという。
これら常設の物に加えて、展示会期間中には様々な企画も開催予定となっており、第一期公開分として「未来が憑依するアート一家 岡田&会田家が一堂に会する初の未来透視トーク」が11月6日(土)19:15〜21:00に本展会場内で開催される。
展示会の開催場所は、横浜みなとみらいの「BankART Station」 。先が見えない世の中で、自分自身の軸となるものを考えるきっかけになるかもしれない。日常の中に何か刺激が欲しい方は、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
《実施概要》
【タイトル】
「グレートリセット・スモールリブート ~その後をつくる創造力」
英文表記: Great Reset, Small Reboots by Artists
【会期】
2021年10月29日(金)~ 11月14日(日) ※開催期間内無休
【開場時間】
11:00-19:00 ※10月29日(金)のみ13:00から
【会場】
BankART Station 横浜市西区みなとみらい5丁目1 = みなとみらい線「新高島」駅直上 地下1階/「横浜」駅東口下車徒歩12分 ※日産グローバル本社・資生堂グローバルイノベーションセンター向かい地下
【入場料】
900円(中学生以下無料)
【公式サイト】
http://reboot2021.creativecluster.jp/ ※地図等の情報あります
【お問い合わせ】
(電話)050-5374-2627 (メール) yokohama@creativecluster.jp
【主催】
一般社団法人クリエイティブクラスター
【協力】
アルフェイズ(グラフィックス)、オンデザインパートナーズ(展示空間創造)、BankART1929(会場協力)、横浜コミュニティデザイン・ラボ(地域協働)
【本展キュレーター】
岡田智博
《展示作品》
アートが構想する未来
- 『エンゲージド・ボディ』(インスタレーション)・『あなたに会いまショウ』(映像)岡田裕子
- 『生命は生命の力で生きているII』(映像・8K)・『フラワーズ ボミング ホーム』(ネットアート)チームラボ
- 『Sensorial Dynamics 知覚風景の力学2021』(没入映像)韓亜由美
未来を憑依するアート
- 『壁を変えた話』(映像)キュンチョメ
- 『クマども』(インスタレーション・映像・立体・絵画)アメ
未来をつくった創造
- 『The Chrysanthemum and the Ξxcalibur』(NFT:絵画) EXCALIBUR
- 『Visible Frequency Waves』(NFT: サウンド・ビジュアル) galcid
- 『DOORS-II』(NFT: 映像・AR)Jason Scuderi (lasergun factory)
- 『nubot』(ロボット) nuuo
- 『Industrial Revolution – moments』(NFT: 映像) marimosphere(浅田真理)
- 『Pixel Beings – Bboy -』(インスタレーション・映像) Minoru Fujimoto
- 『らくがきAR』(ARアプリ) Whatever Inc.
もうひとつの未来文明
- 『物質 均衡』(伝統アプローチのインスタレーション)佐野文彦
- 『Rediscovery of anima』 (映像装置インスタレーション)後藤映則
《関連企画》
【第一期公開分】
未来が憑依するアート一家 岡田&会田家が一堂に会する初の未来透視トーク
スモールリブート「岡田裕子・誠・寅次郎(岡田・会田一家)が透視するミライ」
【開催日】
11月6日(土)19:15-21:00 会場:本展会場内
【トーク】
岡田裕子(美術家)・会田誠(美術家)・会田寅次郎(芸術家・エンジニア・大学生)
【参加費】
3,000円(本展入場料・ワンドリンク込み)
それぞれの表現の方向性が全く別で、みんな仲いい、岡田・会田家。別々に未来を透視するオラクルを持つことでニッポンの世間にさざ波を送る3人が、他人の「岡田」智博(本展キュレーター)が聞き手になって、スモールリブートな未来をざっくばらんに透視する、この企画だからできるナイト。