成長記録をAR化できる「せいくらべ」アプリ、過去の写真データにも対応開始

育児/教育

記事の要点

・子育て支援アプリ「せいくらべ」は、ARを利用した子供の成長記録アプリで、写真撮影と身長計測を同時に行い子供の成長を記録、ARで表示し、過去の記録と「せいくらべ」ができる。

 

・リリース時点では、アプリのカメラ経由で撮影した写真だけが撮影と同時に身長計測も行われ、AR化の対象になっていたが、今回のアップデートで、新たに過去の写真からARデータを生成できる機能が追加され、撮影済みの全身写真があればARで「せいくらべ」ができるように。

 

・過去の写真を使う場合は、手動で身長の数値を入力する必要がある。こちらは有料機能となっているが、1週間の無料お試し期間が設定されている。

LoveTechポイント

子どもの成長を感じることができる写真データは両親にとってかけがえのないものです。

その既存データを使って、成長をよりリアルに感じることができる点で、LoveTechなサービスだと感じます。

編集部コメント

「せいくらべ」という子育て支援アプリをご存じだろうか。

 

ARを利用した子供の成長記録アプリで、写真撮影と身長計測を同時に行い子どもの成長を記録、ARで表示し、過去の記録と「せいくらべ」ができるというものだ。

これは、現在(2021年5月時点)4歳の子を持つ父親が、子どもの成長をよりリアルに体感したいと考えて開発し、2020年12月にリリースされたものだ。

 

娘の写真を撮るのが好きでたくさんの写真が残っているものの、写真だと当時の大きさまではなかなか実感しづらく、日々の成長を娘と共有して一緒に喜ぶために、ARの技術を活用することを思いついたのだという。

 

その後、2020年3月にAppleより発売されたiPad Proに、LiDARスキャナ(深度検出を可能にするセンサー)を利用することで、高精度に空間認識が可能になり、撮影したデータをほぼ正確なサイズでAR表示することが可能だと気付いて、成長記録への活用のための検証が始まったというわけだ。

 

当初は、LiDARスキャナ搭載端末に限定して「3Dデータ」を撮影し、同時に身長を計測するアプリを想定してプロトタイプ版の開発を進めていたが、利用可能な端末が限定されてしまうことから、3Dデータではなく「2Dの写真」の切り抜きによるARデータの生成を行う仕様にピボットした。

 

これにより、LiDARスキャナ搭載端末以外でも利用可能(※)なアプリになったという背景がある。

※LiDARスキャナを搭載していないiPhoneでは身長測定に30cm前後の誤差があるため、記録の保存前に計測値を確認し、手動での修正が必要となる

 

リリース時点では、アプリのカメラ経由で撮影した写真だけが撮影と同時に身長計測も行われ、AR化の対象になっていた。

 

それが今回、新たに過去の写真からARデータを生成できる機能が追加され、撮影済みの全身写真があればARで「せいくらべ」ができるようになった。

 

具体的には、過去の写真から子どもの部分を範囲選択し、手動で身長の数値を入力するという流れだ。こちらは有料機能となっているが、1週間の無料お試し期間が設定されている。

過去の写真からARデータを生成することができる機能

 

 

また、同時に複数のARデータを配置する機能も追加され、複数の過去の記録と一緒にARでせいくらべをすることもできるようになっている。

AR表示で複数のARデータを配置できるようになる機能

 

 

3D撮影機能についてはiPhone 12 ProなどのLiDARスキャナを搭載したiPhoneでのみ利用可能だが、2D身長計測によるAR化であれば、iPhoneXs以降に発売されたiPhone(iOS14以上のA12 Bionic以降のチップを搭載したiPhone)でもOKとのこと。

 

また、記録したデータはアプリを利用していない人にもWebARを用いて共有することができ、こちらについてはiOS12.0以上、Android版ではAR Core対応の端末で参照することができる。

 

現在、せいくらべアプリはベータ版という位置づけだが、今後、共有URLの有効期限延長やパスワード設定機能、子供の切り抜き精度の向上についても開発を進めていき、正式版のリリースに向けて機能強化を進めていくという。

 

子どもの成長を感じることができる写真データは両親にとってかけがえのないものである。その既存データを使って、成長をよりリアルに感じることができる点で、LoveTechなサービスだと感じる。

 

日々一緒に過ごしているからこそ、成長の様子をARで見える化してみて、家族で楽しんでみてはいかがだろうか。

 

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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