福岡の高級玉露をIoT等で生産支援、システムフォレストが運用サポート開始

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LoveTech Media編集部コメント

お茶好きの方であれば、高級玉露「八女伝統本玉露」を知らない方はいらっしゃらないだろう。

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八女伝統本玉露は福岡県八女市および周辺市町の中山間地域において生産されており、味と品質を最高に保つため今でも手間を惜しまずに伝統的な生産方法を守り続け製造されている。

 

茶園に設置した稲わらで太陽の光を調整する「覆下栽培(おおいしたさいばい)」を行い、茶葉の育成具合により摘採期を的確に見極め、一年に一度丁寧に手摘みした生茶を高い技術で製造している。

 

玉露の被覆は化学繊維で織ったネットが多くなっているが、八女伝統本玉露は昔ながらの稲わらで被覆を行うのが特徴であり、全国茶品評会では、5年連続で農林水産大臣賞と産地賞を獲得している。

 

産地である福岡県で、この八女伝統本玉露の生産支援システムの構築が進んでいる。

 

昨年10月より「八女伝統本玉露IoTシステム開発・実証事業」として福岡県農林業総合試験場八女分場が実施しており、そこに、地域密着でクラウド型のシステム開発を中心としたIT関連サービスの提供を行っているシステムフォレストが、実証のための運用サポートを開始した。

 

茶園に設置したIoTセンサーから気温や相対湿度、照度、新芽の生育長と葉色(画像)・地温・土壌水分のデータを取得・集計・分析し、個々の経験や勘に頼らない形での栽培を可能とする仕組みを構築しようとしている。

 

玉露の世界にも、いよいよデジタル支援の波が到来してきた。

昨今のAgriTechの流れを見れば当然だろう。

 

産業の担い手不足、高齢化、新規就農者減少の改善に向けた動きとして注目している。

 

以下、リリース内容となります。

リリース概要

株式会社システムフォレスト(社長:富山孝治、本社:熊本県人吉市、以下システムフォレスト)は、昨年10月より開発に着手した、福岡県農林業総合試験場八女分場(所在地:福岡県八女市黒木町本分3266-1)が実施する「八女伝統本玉露IoTシステム開発・実証事業」の実証のための運用サポートを開始いたしました。

本事業は、農業従事者の高齢化が進む中、被覆開始時期や遮光程度を変化させるタイミングなど経験に基づく高度な技術が必要である玉露栽培において、IoT技術を活用した個々の経験や勘に頼らない栽培支援システムの構築を実現するものです。

運用の概要

福岡県農林業総合試験場八女分場(所在地:福岡県八女市黒木町本分3266-1)および八女市星野村の茶園に設置したIoTセンサーからインターネット経由で「気象環境・生体情報データ」を連続的に取得し、高品質玉露生産者の遮光技術等の好適な栽培管理モデルを構築するために必要な栽培環境データを収集・解析します。
具体的には、以下の3つから構成されます。

1.データの自動収集
茶園に設置したIoTセンサーからインターネット経由で気温・相対湿度や照度、新芽の生育長と葉色(画像)・地温・土壌水分のデータを連続的に取得

2.データの可視化
収集した気象環境・ 生体等情報データの現在値や簡易な集計結果をパソコンやスマートフォンで閲覧が可能

3.栽培支援システム
栽培管理に役立つ情報をモバイル端末等に提示できる栽培支援システムの開発、および 6つの農家の栽培データを開示することにより、栽培方法などの情報交換が可能

システム概要図

システム概要図

実際使用している測定ユニットやカメラの様子

実際使用している測定ユニットやカメラの様子

ご協力いただいている八女市星野村の宮原義昭氏

八女伝統本玉露について

福岡県八女市および周辺市町の中山間地域において生産されており、味と品質を最高に保つため今でも手間を惜しまずに伝統的な生産方法を守り続け製造されている玉露です。
茶園に設置した稲わらで太陽の光を調整する「覆下栽培」を行い、茶葉の育成具合により摘採期を的確に見極め、一年に一度丁寧に手摘みした生茶を高い技術で製造しています。玉露の被覆は化学繊維で織ったネットが多くなっていますが、八女伝統本玉露は昔ながらの稲わらで被覆を行うのが特徴です。全国茶品評会では、5年連続で農林水産大臣賞と産地賞を獲得しています。

今後について

本実証の結果を踏まえ、IoT技術を活用した経験や勘に頼らない栽培支援システム構築の実現をサポートしてまいります。
システムフォレストは、今後もIoT/AIをはじめとする先進IT技術を活用した取り組みを通じて、農業、漁業、畜産分野においても、様々な団体・企業との連携を図りながら、現状の課題、特に担い手不足、高齢化、新規就農者減少の改善に向けて貢献してまいります。

パートナー企業

以下の企業にご協力をいただいています。(順不同)
・株式会社ソラコム 
 IoT通信プラットフォーム「SORACOM」によるご支援

・ウイングアーク1st株式会社
 データ可視化ツール「MotionBoard」によるご支援

エンドースメント

本発表にあたり、株式会社ソラコム様、ウイングアーク1st株式会社様よりエンドースメントを頂戴しております。

株式会社ソラコムは、この度のシステムフォレスト様の「八女伝統本玉露IoTシステム開発・実証事業」の取り組みを心より歓迎します。
IoTプラットフォームSORACOMは、リーズナブルかつ使いやすくネットワークを提供します。IoTによる農作物の栽培管理は、IoTシステム構築の技術ノウハウに加え、現場のオペレーションへの深い理解が求められる分野です。
システムフォレスト様は、IoT活用のコンサルティングとシステム構築において数々の実績と知見を持つソラコムのパートナー企業です。
本取り組みが、玉露栽培の分野における就労人口の減少やノウハウの継承といった課題をテクノロジーでサポートし、農業、漁業、畜産分野におけるIoT活用を牽引してくれると期待しています。

株式会社ソラコム
代表取締役社長 玉川 憲

ウイングアーク1st株式会社は「八女伝統本玉露IoTシステム開発・実証事業」の運用開始を歓迎いたします。
玉露栽培の課題となる農業従事者の高齢化および経験・勘に頼る栽培を、ITの力で解決する本取組において、データからアクションに繋がる可視化ツール「MotionBoard」が、伝統ある地域産品を守り伝えることに貢献できることは大変喜ばしく思います。
今後のシステムフォレスト様の志に期待するとともに、ウイングアーク1stもデータで世界を笑顔にすることを目指し、多くの皆様に貢献できる製品・サービスをお届けしてまいります。

ウイングアーク1st株式会社
執行役員 営業・カスタマーサクセス本部 本部長 森脇 匡紀

会社概要

会社名:株式会社システムフォレスト
代表者:代表取締役 富山孝治
コーポレートサイト:https://www.systemforest.com/  
IoTサイト:https://www.iot.systemforest.com/

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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