記事の要点
・株式会社タベルモ及び現地子会社Tavelmout BioFarm (B) Sdn. Bhd.が、生スピルリナの生産能力拡張のためブルネイ・ダルサラーム国に新工場を建設。
・スピルリナとは、地球上最古の植物とも呼ばれており、マヤ文明時代から人々の貴重な栄養源の1つとして食されているもの。60種類以上の豊富な栄養素を持ち、質含有量が65%(乾燥重量ベース)と、現在のたんぱく質源である大豆や肉よりも高いことが特徴。海外を中心に「スーパーフードの王様として広く知られている。
・今回工場が新設されたブルネイは、一年を通じて安定した温暖な気候のため、スピルリナの栽培に必要な光合成に最適な環境と言える土地であり、現在の10倍以上である生スピルリナ年間約1000トンの生産能力を持つこととなる。
LoveTechポイント
これまで難しかった熱帯地域での“スピルリナ”栽培を可能にし、しっかりと量産体制を整備することで、世界レベルのタンパク質危機を解決しようとしている点が、LoveTechだと感じます。
百聞は一見に如かず。同社の生スピルリナを実際に食されてみてはいかがでしょう。
編集部コメント
生スピルリナを生産する株式会社タベルモが、ブルネイ・ダルサラーム国の現地子会社Tavelmout BioFarm (B) Sdn. Bhd.において、新工場を建設したことを発表した。
「スピルリナ」とは、35億年前に誕生した藻の一種。
地球上最古の植物とも呼ばれており、マヤ文明時代から人々の貴重な栄養源の1つとして食されているものだ。
一般的なスピルリナは、60種類以上の豊富な栄養素を持ち、質含有量が65%(乾燥重量ベース)と現在のたんぱく質源である大豆や肉よりも高いことが特徴。
藻体を乾燥し、粉末や錠剤にして健康食品として食されることが多く、海外を中心に「スーパーフードの王様として広く知られている。
藻類というと、どうしても臭いや味がきつい印象があるが、タベルモでは藻類・微生物研究者が5年の研究開発を経て無味無臭の生スピルリナの製品化に成功。
世界初の新鮮な生スピルリナを提供する、バイオベンチャーとなっている。
背景にあるのは、地球規模でのタンパク質不足が見込まれるという「タンパク質危機」問題。
世界的な人口増加と新興国の経済発展による食生活の変化にともない、世界のタンパク質需要は今後大幅に増加することが見込まれている一方、需要の成長スピードに供給が追いつかず、2030年頃には需給バランスが崩れるという予測がなされた問題である。
これについては、当メディアでも昨年取材させていただいた。
[clink url=”https://lovetech-media.com/interview/proteincrisis20181002/”]
つまり、スピルリナをたんぱく源として様々な食品に活用することで、世界のタンパク質問題を解決することが、同社のミッションとなっているわけだ。
今回工場が新設されたブルネイは、一年を通じて安定した温暖な気候のため、スピルリナの栽培に必要な光合成に最適な環境と言える土地だ。
このブルネイ工場の竣工を受け、現在の10倍以上である生スピルリナ年間約1000トンの生産能力を持つこととなる。
ちなみに、この新工場で生産したスピルリナ製品は、本年末に日本市場でも販売開始予定となっているという。
筆者も実際に粉末状のスピルリナを見てみたが、色も臭いもなく、まるで小麦粉のような印象だったことを覚えている。
これならば、様々な食事に入れたとしても全く問題ないだろうと感じた次第だ。
2019年は昆虫食や藻類など、既存食品の一部代替となる可能性を秘めた食材が多く話題になっている印象であり、今後、スピルリナが“第二のユーグレナ”的認知として広がっていくかを注視してまいりたい。
以下、リリース内容となります。