記事の要点
・自動収穫ロボット等を展開するinaho株式会社が、大企業・研究機関を対象とした、AI(人工知能)、IoT、ロボット等を活用した新ビジネスの概念実証(PoC)と、ハードウェア製品のサービス化(サブスク化、RaaS化)を支援する2種類のサービスを提供開始。
・新ビジネスの概念実証(PoC)では、AI、IoT、ロボット技術を活用した新事業の大企業・研究機関に対して、実際に動くプロトタイプを高速に開発し、それを使った検証を通じて「概念実証・課題の発見」を支援。
・ハードウェアビジネスのサブスク化(コトビジネス化)、RaaS化支援サービスでは、その際に必要な、使用ログの取得や課金方法の検討等を自身の経験を元にサポートする。
LoveTechポイント
創業当初からRaaSモデルという、国内での前例がないビジネスモデルを想定して開発を進めてきたinahoのもつノウハウは、非常に貴重なものと言えるでしょう。
まさにサーキュラー・エコノミーを実現するPaaS(Product as a Service)モデルの応用といえ、LoveTechだと感じます。
編集部コメント
RaaSモデルによる自動野菜収穫ロボットを中心とした生産者向けサービスを提供するinaho株式会社が、AI(人工知能)、IoT、ハードウェアを使った新規事業の概念実証(PoC)支援と、.ハードウェアビジネスのサービス化支援の2つのサービスの提供を開始した。
inahoといえば、自動野菜収穫ロボットとRaaSモデルで農業が抱える人手不足や農業経営の課題解決を目指す、AgriTechスタートアップ。
2019年にアスパラガスの自動収穫ロボットのサービス提供を開始しており、こちらの記事でも取り上げている。
[clink url=”https://lovetech-media.com/news/social/20191003_01/“]
最近は、国内外の研究者との協働により栽培方法の開発も行っており、農機具、農業機械メーカーの新製品開発のサポートや、自治体主導の開発プロジェクト、植物工場向けの自動化装置、農業を中心とした一次産業への進出サポートにも力を入れている。
昨年は「労働力不足の解消に向けたスマート農業実証」「イノベーション創出強化研究推進事業」「ものづくりスタートアップ・エコシステム構築事業」にも採用されるなど、引き続き注目を集めている。
そんな同社が今回、新たに大企業・研究機関向けに、「PoC/高速プロトタイピング支援サービス」及び「ハードウェアビジネスのサービス化支援」という2サービスの提供を開始した。
AI、IoT、ロボット技術を活用した新事業を検討する際に、実際に動くプロトタイプを高速開発し、それを使った検証を通じて「概念実証・課題の発見」を支援するサービスだという。
エンジニアゼロ、業界経験者ゼロの中で、周囲を巻き込みながら高速に事業開発を行ってきた同社の経験をもとに、従来のリサーチでは難しかった、モノを使った検証通じて、新事業を広範囲にサポートを実施する。
まず前者の「PoC/高速プロトタイピング支援サービス」だが、特徴の1つに、アイデア出しから実際に動くものを作る、という全方位をサポートする点がある。検証ポイントを絞ることで、プロトタイプを高速かつ安価に開発し、1ヶ月〜3ヶ月で仮説検証がを行うことが可能となった。
また、新規事業の立ち上げの際、「既存ビジネスとのシナジー」や「横展開」といったワードでアイデアを考えた結果、調べれば調べる程に先行企業の存在が見え、最終的に「やらない」となるケースや、「最終的にOKかNGか結論がでないまま、なんとなくやらない」といった事がよく起こるという。
そこで、本サービスでは、まず解決すべき世の中の「課題を見つける」事を支援し、新規事業の立ち上げの第一歩をサポート。そして、リサーチで終わることのないように、フェーズ毎のアウトプットを定義すると共に「自社で自走して何度でもトライできる状態」を重要視し、社内の若手や幹部候補者を巻き込み、適切なゴールを設定することで、ナレッジを社内に残していくという。
次に、ハードウェアビジネスのサービス化支援のサービスは、同社が2019年より他社に先駆けて推進してきたRaaS(Robot as a service)モデルの経験・ノウハウを活かして、モノのサービス化に必要な、使用ログの取得や課金方法の検討等をサポートしていく。
得意とする領域は以下の通り。
・PoC支援、リーンスタートアップによるプロジェクト推進サポート
・IoT、ハードウェア、ロボットの高速試作開発及び、市場調査、マーケティング支援
・一次産業(アグリテック、林業テック、水産テック)の自動化、高度化、リモート化、省力化
・工場の自動化、データを使ったオペレーション改善
・農業機械、農機具の電化、AIや自律走行機能付加による高度化
・地域、地方創生プロジェクト
大企業・研究機関に所属している人で、新規事業部、研究所に所属しているが社内リソースを使えずリサーチで終わっている場合や、プログラムやシミュレーションはできたので実際にモノを作って検証をしたい時などに有効だという。
また、ベンチャー企業やスタートアップ、大学発ベンチャーにおいても、仮説検証のためにプロトタイプを試作をしたい場合や、特許技術を使ったハードウェアを開発したい場合などにも適していると言えるだろう。
特にハードウェアを活用する新規事業の立ち上げやサブスクリプションサービスを検討されている方は、本サービスを検討してみてはいかがだろうか。