時給88円の自律走行型介護ロボット『SOWAN(ソワン)』、施設職員の夜間業務をサポート

医療/福祉

記事の要点

・株式会社高山商事と株式会社テムザックが、介護施設内での巡回見守り・異常時の駆けつけ・情報通知等を行うことができる自動駆けつけ介護ロボット「SOWAN(ソワン)」を共同開発。

 

・活動量計と連動し利用者のバイタルデータを見守りながら建物内を自動巡回し、機器からの指示で部屋まで駆けつけ、その状況を映像で職員へ伝えるとともに記録を残す。また、巡回中にひとり歩きする人を発見すると、個人を認識し声掛けをする。

 

・リース料は月額66,000円(税抜)。24時間×31日で割ると、時給単価が88円となる。

LoveTechポイント

介護施設における職員の夜間作業が大きな負担となっている中で、安価な導入コストで巡回の代替手段が提供され、職員の負担軽減と利用者の安心を両方実現できる点が、LoveTechだと感じます。

ロボットの社会実装が、介護の領域でも加速してきています。

編集部コメント

24時間体制での対応が求められる介護現場。

 

日中帯での対応はもちろん、特に夜間帯になると、少ない人員で多様な業務に追われることも多くなり、当直職員への大きな負担となっている。

 

またこれに併せて課題となるのが、介護職員の圧倒的不足である。

引用:厚生労働省「2040年頃の社会保障を取り巻く環境」41頁

 

厚生労働省調査の資料によると上図の通り、2025年時点で、約 55万人の介護人材が需要に満たないと推定されている。

そこで今回、株式会社高山商事と株式会社テムザックが共同で開発したのが、介護施設内での巡回見守り・異常時の駆けつけ・情報通知等を行うことができる自動駆けつけ介護ロボット『SOWAN(ソワン)』である。

 

利用者の腕に装着した活動量計(ウェアラブルデバイス)と連動して、利用者のバイタルデータを見守りながら建物内を自動巡回してくれるロボットだ。

 

自動車の自動運転にも用いられている最新の「LiDAR(※1)」(360度全方位センサー)を搭載しており、センサーからの取得情報より自己位置推定と地図作成を同時に行う「SLAM(※2)」技術を活用して、定められた場所から、定められた時間に、障害物を回避しながら静かに巡回する仕様となっている。

※1:LiDAR=Light Detection and Ranging(光による検知と測距)の略
※2:SLAM=Simultaneous Localization and Mappingの略 自己位置推定と地図作成を同時に行うこと

 

機器からの指示で部屋まで駆けつけ、その状況を映像で職員へ伝えるとともに記録を残し、また巡回中にひとり歩きする人を発見すると、個人を認識して声掛けをする。

 

月額費用が66,000円(税抜)であり、24時間×31日で割ると、時給単価が88円となる。

 

もちろん、通信設備前提のサービスとなるため、利用には施設内のインターネット接続環境が必要となる。

 

詳細スペックと施設内システム等は以下の通り。

<スペック>

名称/型番:SOWAN タイプ
SOWAN タイプⅡ
サイズ:約 W 400 × D 400 × H1365mm(SOWAN タイプ)
約 W 400 × D 400 × H1360mm(SOWAN タイプⅡ)
重量:約60kg(バッテリー含む)
センサー:360度全方位LiDAR×1、RGBカメラ×1
通信:Wi-Fi/モバイルネットワーク通信(LTE)
電池:バッテリー密閉型鉛蓄電池 (24V 40Ah)
充電時間:約7時間
稼働時間:約20時間
走行速度:巡回 約0.9km/h
車輪:ソリッドタイヤ
カメラ:約130万画素 ナイトビジョン搭載
その他:スピーカー×1、マイク×1

<施設内システムと情報の流れ>

 

昼も夜も、充電が続く限り“働く”存在として、介護施設の救世主となることが期待されている。

 

介護職員の夜間作業を補助し、負担軽減をして、かつ利用者・家族が安心できる存在として、施設管理者の方は導入を検討してみてはいかがでしょう。

 

以下、リリース内容となります。

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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