記事の要点
・AIベンチャーの株式会社エクサウィザーズは、宮崎市ならびに株式会社未来図Laboの3者は、「先端技術を活用した課題解決に関する研究協定」を締結し、同市のケアマネジメント最適化に向けた包括的な共同実証事業を開始する。
・宮崎市の介護分野における「人手の確保」、「ケアマネジメント業務の効率化」、「自立支援・重度化防止に資するケアマネジメント能力の向上」の3つの課題に取り組む。
・先端技術を利活用した解決策を研究することで、宮崎市におけるケアマネジメントの最適化を推進していく。
LoveTechポイント
少子高齢化が進み、年々深刻さを増す介護分野における「専門人材の不足」等の課題解決にAIを駆使することがLoveTechだと思います。
介護は誰にとっても直面しうる課題で、宮崎市における効果検証が全国の自治体に応用されていくことを見守りましょう。
編集部コメント
AIベンチャーの株式会社エクサウィザーズは、宮崎市ならびに株式会社未来図Laboの3者と「先端技術を活用した課題解決に関する研究協定」を締結し、同市のケアマネジメント最適化に向けた包括的な共同実証事業の開始を発表した。
今回の研究協定は、宮崎市の介護分野における「人手の確保」、「ケアマネジメント業務の効率化」、「自立支援・重度化防止に資するケアマネジメント能力の向上」の3つの課題について、協定当事者が相互に連携・協力するもの。
先端技術を利活用した解決策を研究することで、宮崎市における介護分野の「ケアマネジメントの最適化」を推進することを目的としている。
ちなみに、この協定には「その1」「その2」があり、エクサウィザーズらが締結したのは「その1」。「その2」では「先端技術を活用した口腔アセスメント」(※)をテーマに、熊本県の歯っぴー株式会社が締結している。
※地域包括支援センターの口腔(歯)のアセスメントにおいて、歯垢・歯石を手軽に確認できるライト(染め出しライト)を利用して歯垢・歯石の状況を利用者および同センターが確認し、的確なサービスの提案と利用(治療や清掃が必要な高齢者の歯科医院の受診や短期集中型口腔サービスの利用につながるか)の状況、業務の効率性を検証する。同時に、染め出しライトを利用した高齢者の行動変容を調査し、先端技術を活用した口腔アセスメントの有用性を検証する。
出典:宮崎県ホームページ内掲載資料
協定その1について、具体的には、エクサウィザーズが独自に開発した「歩容解析AI」を活用する。これは、5mの歩行動画を撮影することで理学療法士のデータを学習したAIが解析を行い、歩行における転倒リスクや介助方法の可視化するAIシステムだ。
この「歩容解析AI」を使って未来図Labo事業所内での効果検証を行い、その検証結果を踏まえて、地域包括支援センターにおけるケアマネージャーのアセスメント能力支援を目的としたケアマネジメント業務の効率化につながる実証事業を検討する。
その上で、スタッフ間でのケア方針の議論や、利用者の家族におけるコミュニケーションの活性化を促進することで、宮崎市におけるケアマネジメント最適化を目指すという流れになるわけだ。
エクサウィザーズは、AIソリューションを開発・提供するエクサインテリジェンスと、介護領域でのAI利活用を進めるデジタルセンセーションが経営統合して生まれた会社だ。介護領域を含め、特に人が関わる現場の業務の課題を、テクノロジーとアイデアで改善することで「現場」を加速させるソリューション及びサービスの提供に、取り組んでいる。
少子高齢化によって生じる諸課題に対峙する日本。なかでも介護分野は、65歳以上の高齢者が65歳以上の高齢者を介護する「老老介護」の増加など、年々深刻さは増す一方だ。
専門人材の不足など厳しい現実を、AIがどう支えていくか。そしてエクサはどのようにアプローチしていくのか。
編集部としても引き続き注目をしたい。
以下、リリース内容となります。