記事の要点
・専門商社のGSIクレオスが、サーキュラーエコノミー・ジャパンと連携して、サーキュラーエコノミーを実現するためのD2Cプラットフォームブランド「BIOLOGIC PHILOSOPHY」を2021年3月よりスタート。
・ファッションアイテムでは廃棄を防ぐことを考えた「サーキュラー素材」を採用しており、人と環境に対して安全性が高く、より耐久性に優れた素材の開発にも取り組みながら、修復、再利用、用途の変更がより簡単に行なえる衣料品の企画設計を行っている。
・第一弾では、スペインのRECOVER(リサイクルコットンとリサイクルポリエステル)、トルコのISKO (リサイクルコットンデニム)、オーストリアのレンチング社のテンセル™ブランドのリヨセル繊維(再生可能な木材から作られた環境配慮型素材)を使用した製品を発売する予定。
LoveTechポイント
拡大拡張を前提とした焼畑的な産業構造では、2050年の地球は持続不能に陥り、それからほどなくして人類も存続不能になるでしょう。
このような状況に対して、まずは構造的なムーブメントと啓発を促進するためのプラットフォームとしてBIOLOGIC PHILOSOPHYブランドを整備している点が、LoveTechだと感じます。
編集部コメント
繊維事業やナノテクノロジー事業等を展開する専門商社・株式会社GSIクレオスが、サーキュラーエコノミーを実現するためのD2Cプラットフォームブランド「BIOLOGIC PHILOSOPHY」を2021年3月よりスタートする。
サーキュラーエコノミーとは、持続可能な経済活動を示す言葉。「持続可能な社会を実現するための経済システムと経済活動に関する、発展的かつ革新的な産業モデル」であると、一般社団法人サーキュラーエコノミー・ジャパン(以下、CEJ)のホームページでは定義されている。
その目指すところや実践プロセスについては、同法人が2020年11月に主催したカンファレンスにおいても解説されている。
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今回発表されたBIOLOGIC PHILOSOPHYとは、このCEJとGSIクレオスが連携してスタートする新ブランド。様々な人と企業を繋ぎ、 顧客や仲間と共にサーキュラーエコノミー実現のためのグリーンファッションを考えるナラティブブランドだという。
具体的には、廃棄を防ぐことを考えた「サーキュラー素材」を採用しており、人と環境に対して安全性が高く、より耐久性に優れた素材の開発にも取り組みながら、修復、再利用、用途の変更がより簡単に行なえる衣料品の企画設計を行っている。
そもそもファッション産業というものは、世界で2番目に環境を汚染し、大量の水を消費しているといわれる業界。衣服の製造工程において、水、エネルギー、化学物質などの資源が大量に使われており、それに伴い大量の二酸化炭素を排出している。また世界全体を見渡すと、ほとんどの服が7回〜10回程度しか着られておらず、そのまま廃棄されて焼却または埋め立て処分されている。
このような状況に対し、ラグジュアリーブランドをはじめとする多くのグローバルブランドは、これまでの焼畑的な仕組みから脱却し、循環する産業への脱皮を試みている。この流れは産業界のみならず、教育や制作レベルにおいても推進が加速。前者については例えば、当メディアで以前紹介したリンツ芸術デザイン大学のファッション&テクノロジーにおける活動も、サーキュラーエコノミーの思想が根幹にあると言えるだろう。
[clink url=”https://lovetech-media.com/eventreport/20200713futureschool1/”]
BIOLOGIC PHILOSOPHYは、このようなファッション産業のグローバルトレンドをリードし、また日本文化や日本人の生活スタイルにマッチするようなサーキュラーエコノミー・ファッション(グリーンファッション)を追求するためのプラットフォームとして機能させていくという。
まずはブランド展開の一歩目として、3月15日より公式オンラインサイト限定の販売をスタート。スペインのRECOVER(リサイクルコットンとリサイクルポリエステル)、トルコのISKO (リサイクルコットンデニム)、オーストリアのレンチング社のテンセル™ブランドのリヨセル繊維(再生可能な木材から作られた環境配慮型素材)を使用した製品を発売する予定だ。
またプロダクトの販売のみならず、サーキュラーエコノミーを軸として、様々な人や企業と協調・活動しながら、サステナブルなライフスタイルの実現に向けた各種アクションを起こしていくという。そちらも第一弾として、大阪府でリフォーム&リメイクを営む株式会社フォルムアイや、愛媛県のクリーニング企業である株式会社清水屋等との取り組みをスタートしている。
各種アイテムの平均価格帯は以下の通りで、発売開始は2021年3月15日を予定しているが、公式サイトや公式Instagrramは2月5日より公開されている。
- ジャケット:¥16,500
- ボトムス:¥12,100
- トップス:¥11,000
- ドレス:¥20,900(すべて税込み価格)
一過性のブームではなく、構造としてのサーキュラーエコノミーとウェルビーイングを考えるエコシステムとして、BIOLOGIC PHILOSOPHY(生物哲学)が機能することに期待したい。