記事の要点
・スマートフォンを持って歩くとスポンサー企業から特典が受けとれるゲーム感覚のウォーキングアプリ「SPOBY(スポビー)」を活用した地域創生プロジェクト「サスティナブルウォーク」が、5月27日より広島県安芸高田市で実施される。
・SPOBYは、2018年のリリースから若年層~シニア層まで好評を得て、現時点までで口コミだけで13万ダウンロードを突破。シンプルな操作とユーザーメリットにより運動意欲を持続させ、半年間で全アクティブユーザー1日あたり1,000歩の運動量の底上げを実現。
・「サスティナブルウォーク」では、市民がSPOBYをダウンロードして歩くことで、地元商業施設のクーポンや食品流通の過程でフードロスの対象となった商材を取得できるようになる。アプリ内チェックインスポットとしては、⻄日本旅客鉄道のJR芸備線・向原駅が設定される予定。
LoveTechポイント
歩くことで特典をもらえるというインセンティブ設計と、地域経済がソーシャルグッドな切り口で活性化するという点で、面白いLoveTechな取り組みだと感じます。
歩くことが良いと分かっていても実行に移せないでいる人や、継続ができない人にとっては、小さな一歩につながる施策だと言えるでしょう。
編集部コメント
ウォーキングアプリ「SPOBY(スポビー)」を活用した地域創生プロジェクト「サスティナブルウォーク」が、5月27日より広島県安芸高田市で実施されることが発表された。
SPOBYとは、ユーザーがスマートフォンを持って歩くとスポンサー企業から特典が受けとれるゲーム感覚のウォーキングアプリ。
ヘルスケア×エンタメ事業を展開する株式会社CUVEYESが開発・運営をしているもので、2018年のリリースから若年層~シニア層まで好評を得て、口コミだけで13万ダウンロードを突破。シンプルな操作とユーザーメリットにより運動意欲を持続させ、半年間で全アクティブユーザー1日あたり1,000歩の運動量の底上げを実現している。
スポンサー企業としては、ユーザーがスポンサーシップを得るための条件設定をすることで、ターゲット層を限定できるようになり、健康志向の高いユーザーへ効率よく商品やサービスを訴求することができるようになる。
また掲示板やアンケートの機能を使うことで、ユーザーとのコミュニケーションもできるため、フィードバックをもとにした商品開発や新たなマーケティング施策を打つことも可能となっている。
今回発表された「サスティナブルウォーク」では、安芸高田市の市民がこのSPOBYをダウンロードして使用し、頑張って歩いたご褒美に地元商業施設のクーポンや、食品流通の過程でフードロスの対象となった商材を取得できるようになっている。
また、ウォーキングをゲーム化し特定の場所へのチェックインなども発生することから、地域の商業施設やランドマークが活用され、人流の活性化も期待できるわけだ。
プロジェクトメンバーとしては安芸高田市役所はもとより、フードロス商材の提供元として総合商社や食品メーカーが参加。データ解析を豊島株式会社が担当することから、官⺠連携の協力体制のもと、地域の活力を高める施策として注目されている。ちなみに、アプリ内チェックインスポットとしては、⻄日本旅客鉄道のJR芸備線・向原駅が設定される予定とのこと。
なお、すでに他自治体での実証実験もされており、そこでは4,000人規模の市民が利用、3ヶ月間で74%という高い継続率を記録している。またその結果、アクティブユーザー全体の平均歩行量が1日あたり1,000歩増進しており、これは年間医療費削減効果に換算すると一人あたり27,000円弱の効果(※)に換算されるという。
※国土交通省による「まちづくりにおける健康増進効果を把握するための歩行量(歩数)調査のガイドライン」によると1日1,500歩の運動量底上げで年間35,000円の医療費削減効果があると言われている
また、実証実験を実施したエリアにおいては短期間で50店舗以上の地場企業や店舗が特典提供に協力しており、経済振興やフードロス解消といった観点で、環境問題のエコシステム構築要素としても期待されている。
歩くことで特典をもらえるというインセンティブと、地域経済がソーシャルグッドな切り口で活性化するという点で、面白い取り組みだと感じる。
歩くことが良いと分かっていても実行に移せないでいる人や、継続ができない人にとっては、小さな一歩につながる施策だと言えるだろう。