記事の要点
・公園情報メディア運営のパークフルが、公園の維持団体の活動をデジタルで記録・管理し、発信できる自治体・維持団体向けサービス「PARKFUL Watch」をリリース。
・PARKFUL Watchは、日常的に公園の維持管理を行う公園愛護会などの維持団体・管理事業者が、自治体へ活動状況を簡単に共有できるサービス。全国12万箇所の公園情報を掲載するメディア「PARKFUL」とも連動しているため、維持団体の活動発信の機能ももつ。
・これまでアナログに運用されていた、維持団体とのコミュニケーションや、紙ベースの報告管理を電子化することで、自治体にとっての管理業務の効率化を推進、維持活動の活性化につながる施策として活用することがきる。
LoveTechポイント
普段何気なく通ったりベンチに座ったりする公園ですが、実は相応に多様なステークホルダーが維持管理に携わっています。
この領域でも、コミュニケーションコストの削減に向けた取り組みが進んでいるというわけです。
編集部コメント
公園の情報を発信するメディア「PARKFUL」をご存知だろうか。
アプリまたはWebサイトで、大きな園から近所にある小さな公園まで、あらゆる公園の情報を発信しチェックできる公園情報メディアである。
現在地から近い公園やトイレがある公園、ローラー滑り台がある公園といったように、気になるキーワードや利用したい設備等の情報から、全国の公園を検索することができるのだ。
また公園を見つけるだけでなく、写真やコメントで公園の魅力を投稿し、お気に入りの公園やイベントの保存も可能。季節に合わせたおすすめの公園やイベント情報など、公園に関するあらゆる記事が掲載されている。
2020年11月には連携自治体数が50を突破しており、全国12万か所の公園情報が掲載されている。
また新しい取り組みとして、2021年4月からは「公園レンタルのオンライン申請サービス」も開始している。意外と知られていないが、公園はレンタルが可能なのだ。
こちらは、2020年1月より芦屋市と連携し、クラウドサービスを利用した公園レンタルの各種申請手続きの実証実験ののち導入された。芦屋市内の公園は住宅地にある小さなものが多く、十分に活用されていない現状から、市民が主体となった”公園レンタル”を推進したい、という同市の思いから始まったプロジェクトである。
通常、公園をレンタルするには占用使用の許可を自治体から得る必要があり、そのためには、申請書類を自治体のホームページから印刷し、書類を記入のうえ、自治体の担当窓口に出向いて提出。その後の申請許可の連絡を電話で受け、再び窓口へ許可証を受け取りに行くといった形で、申請者・自治体職員共に時間と手間がかかっていた。
そこでパークフルは、公園レンタルの手続きをオンライン化したクラウドサービスを開発。時間や場所に囚われず申請が可能となり、自治体にもオンラインで申請情報が共有されるため、手続き処理が効率化され、職員の業務負荷軽にもつながるというわけだ。
このオンライン申請サービスに続く新たなサービスとして、今回、公園の維持団体の活動をデジタルで記録・管理し、発信できる自治体・維持団体向けサービス「PARKFUL Watch」をリリース。テスト版を2020年より運用しており、すでに複数自治体・団体で運用が始まっている。
そもそも全国の公園の維持管理には、数万団体もが関わっており、PARKFUL Watchは、そうした地域住民の協力で成立している公園の維持管理の運用をより効率的に行い、同時に活動の発信・認知につなげ、地域の中で協働を促していくサービスとなっている。
主な機能としては、まず、日々の維持活動の報告を電子化したデータベースがある。これにより、自治体(管理者)は各団体からの活動報告を一覧確認でき、過去のやり取りの確認がより簡単になる。活動記録が残るので、団体にとっても報告書作成時に履歴を活用することができるわけだ。
また、自治体と維持団体のコミュニケーションのオンライン化により、維持団体は、その場で撮影した写真でスマホから活動報告を送ったり、公園の不具合や異変について連絡を入れる事もできる。自治体としても、維持団体に対して公園ごとにお知らせを出す事が可能だ。
さらに、PARKFULとの連携により、あまり目に触れることがなく、気づかれることが少なかった維持活動の様子を公園利用者が確認することもでき、自治体としても維持活動の活性化につながる施策として活用ができる。
PARKFULと同様に、公園の新たな可能性を引き出すサービスとなりそうだ。