記事の要点
・カーボンフリーな未来の実現を目指すエナジーテックベンチャーのbooost technologiesが、組織のカーボンニュートラル達成を支援するためのクラウド型脱炭素化プラットフォーム「ENERGY X GREEN」の提供を開始。
・「ENERGY X GREEN」はSaaS型のクラウドサービスで、「CO2排出量の算出(可視化)」や「カーボンニュートラルの予実管理(管理)」、「カーボンオフセット(実行)」が自動化できるのが大きな特徴。
・RE100やSBT等を表明している大口需要家や小売チェーン店舗等にてすでに導入が決定しており、今後は既存の機能に加え、創エネ、省エネ、集エネ、蓄エネ等へのソリューション、ユーザー企業間での排出権取引、脱炭素化APIといった機能を追加予定。
編集部コメント
エナジーテックベンチャーのbooost technologies株式会社が、組織のカーボンニュートラル達成を支援するためのクラウド型脱炭素化プラットフォーム「ENERGY X GREEN」の提供を開始した。
これは、CO2フリー電気を含む電力小売機能の構築、需給調整、電源サポート、脱炭素エネルギーの確保など、カーボンフリーな未来に必要なサポートとシステムをワンストップで提供するもので、これまで120社を超えるサポートの実績をもつ。
昨今、地球温暖化対策が重要な社会課題とされ、昨年の臨時国会においても「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことが宣言されるなど、企業によるカーボンニュートラル実現への取り組みも加速している。
そんななか、地球温暖化対策の一手法として期待されていてるのが「カーボンオフセット」。CO2削減活動や、他企業による温室効果ガスの削減量や吸収量(クレジット)を購入することにより、自社が排出したCO2を相殺(=オフセット)するという考え方である。
そして、これを推進するプロダクトとしてリリースされたのが、今回のENERGY X GREENというわけだ。これは、二酸化炭素排出量を収益性高く簡単に可視化し、管理して、オフセットを実行するという、3つを自動化できる点が大きな特徴となっている。
「可視化」については、自社の事業所や各店舗の電力使用量などのデータをインプットすることで、自社がどの程度のCO2を排出し、どの程度削減する必要があるのかを自動で算出できるようになっている。これにより、事業所や店舗ごと、子会社を含むグループごとなど、2050年までの脱炭素計画の立案も可能となる。脱炭素計画は、2021年10月時点ではオフセットが対象となっているが、今後、創エネ、省エネ、集エネ等ソリューション実装も予定だ。
また「管理」機能については、前述の脱炭素計画に基づき、自動で計画と実績の予実管理が可能だ。対象となる企業グループ全体はもとより、グループ内企業や各事業所、取引のあるサプライヤーなど、必要に応じた切り口でCO2排出量を算出・表示することができ、RE100や地球温暖化対策推進法等のレポート作成をサポートしてくれる。
そして、算出した自社のCO2排出量を脱炭素計画にあわせて自動で「オフセット」実行するわけだが、この機能では、非化石証明書も自動で調達が可能となっているという。非化石証明書とは、「非化石電源からつくられた電気である」という価値を証書の形で見える化したもの。エネルギー供給構造高度化法により、小売電力事業者は2030年までに供給する電気の44%を非化石電源とすることが求められおり、その証明として用いられる(※)。
「ENERGY X GREEN」は、先行してRE100やSBT等を表明している大口需要家や小売チェーン店舗等にてすでに導入が決定しており、今後は既存の機能に加え、創エネ、省エネ、集エネ、蓄エネ等へのソリューション、ユーザー企業間での排出権取引、脱炭素化APIといった機能を追加予定だという。