様々なテクノロジーが目まぐるしく進化する昨今、十分に進んでいない産業にテクノロジーを活用することの総称として、実に様々なXテック領域が誕生してきた。
FinTech、EdTech、AgriTech、HealthTech、FoodTech、GovTechといったあたりが代表的なものだろうか。細かいところだと、女性向けテクノロジーのFemTech(Female×Tech)や、当メディアでも過去に取材した子育Tech(子育て×Tech)というものもある。ちなみに我がLoveTech(ラブテック)も、愛×テクノロジーを表すXテック造語である。
そしてまたここに、新たなXテックが誕生したようだ。
その名も「GreenTech(グリーンテック)」。
名前だけ聞くと、AgriTech領域の派生的な位置付けのものか、もしくは園芸領域や林業におけるテクノロジー活用かと思ったが、どうやら違うようだ。
4月26日に「GreenTech Pitch Night」という、GreenTech領域のスタートアップが集まるイベントが初開催されたので、本記事ではその様子をお伝えする。
GreenTechスタートアップを支援する「GreenTech Lab」
GreenTech Labs コミュニティマネージャー高橋昌紀氏
そもそもGreenTech(以下、グリーンテック)とは何なのか。その定義は、エネルギー、環境、サステナビリティなどの領域に関して、テクノロジーを活用して課題解決をする取り組みを広く示すという。
今回のイベントを主催したのはGreenTech Labs(グリーンテック・ラボ)。グリーンテックのスタートアップが集い、企業の壁を越えて繋がるコミュニティを運営している。
同団体のミッションとしては、大きく以下の3つを掲げている。
- グリーンテック、エネルギーのスタートアップを繋げることを支援する。スタートアップのエコシステムを一緒に創り出していく。
- スタートアップをエネルギー業界に精通する人たちと結びつけ、プロダクトマーケットフィットについてのメンタリングやディスカッションの機会を作る。
- エネルギーとサステナビリティの領域で、スタートアップの事業機会と成功するビジネスモデルに関する情報を共有する。
つまりグリーンテックとは、テクノロジーを活用して、エネルギー、環境、資源などの持続性の課題に取り組むことを広く指すものという理解をした。昨今話題となっているSDGsやソーシャルビジネスとも繋がってくる部分もあるかもしれない。
この点について、GreenTech Labs コミュニティマネージャーの高橋昌紀(たかはしまさき)氏は以下のようにコメントされた。
「GreenTechという名前に決まった当初、農業テクノロジー、いわゆるAgriTech領域として認知した友人がいました。現に海外では、グリーンテックをそのような用途で使うケースもあります。
細かい定義はここではあまり重要ではなく、大きな括りとして地球資源やサステナビリティへの取り組みをテクノロジーで解決しようとする活動を総称しています。
また、テクノロジーについても、IT(Information Technology)だけではなく、Bio Technology含めたリアルテック領域など、昔からあるテクノロジーと現在のハイテクを含めたもので捉えています。
そのようなスタートアップを支援するのが、GreenTech Labsです!」
GreenTechスタートアップによるピッチ
早速のメインコンテンツとして、当日は7社のGreenTechスタートアップ企業による事業ピッチが行われた。
- 株式会社エナーバンク
- ヒラソル・エナジー株式会社
- AC Biode株式会社
- 株式会社シェアリングエネルギー
- EAVOR Technologies Inc
- 株式会社アフターフィット
- 株式会社TBM
LoveTech Mediaではこの中から、特に気になる2社をピックアップしてお伝えする。
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