高まる妊活サービスへのニーズ
今、我が国ではかつてないほどに多くの夫婦が、“不妊”で悩んでいる。またそれに併せて、不妊治療や妊活への需要も確実に高まっている。
それはGoogle Trendsにおける「妊活」ワードの動向を見ても明らかだろう。
提供:株式会社リクルートライフスタイル(「ふたりの妊活」セミナー資料より抜粋)
上図をご覧いただくとお分かりの通り、「妊活」という言葉自体は2011年より使われ始めており、2014年2月にお笑い芸人の森三中・大島美幸氏が妊活での休業を正式に発表したタイミングから、トレンドが一気にのぼっていった。
その後、2018年1月クールで放送された妊活ドラマ『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)のタイミングでトレンドピークを迎えた。また同年2月のNHK「クローズアップ現代+」にて『”精子力”クライシス 男性不妊の落とし穴』が放送されるなど、現在に至るまで、世の中における「妊活」への高い関心が持続している。
ちなみに今年10月には、作家・ヒキタクニオ氏が著した妊活エッセイの劇場版『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』(主演:松重豊、北川景子)が公開予定であり、その際にトレンドピーク更新が期待されている。
映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』公式サイトトップページ(2019/6/24時点)
そんな背景の中、今年に入って新たな妊活サービスが誕生した。本年2月にリリースされた「SuguCare(以下、スグケア)」シリーズである。
スグケアシリーズ最大の特徴は、妊活関連サービスをウェブ上で完結して利用できる点であろう。
2月時点でリリースされた「SuguCareオンライン妊活カウンセリング」は、ビデオ通話を通じて、不妊症看護認定看護師や臨床心理士などの専門カウンセラーに、不妊に関する個別相談ができる。
もちろん、それだけではない。
本日、新たに販売開始された「SuguCareメンズホームチェッカー」は、自身の精子をスマホなどで観察し、その活力状態をチェックすることができる、精子簡易チェックツールである。ウェブ完結型であることから、自宅で精子活力状態を観察でき、観察した動画を専用サイトに匿名でアップロードすることで、生殖技術の専門家である「培養士」によるレポートも付いてくるという。
「SuguCareメンズホームチェッカー」パッケージの表紙
その名も「クラウド培養室」とのことだ。
どういうことか。
LoveTech Mediaでは前後編に渡り、このスグケアシリーズを提供するスピンシェル株式会社の皆様に、今回販売開始された「SuguCareメンズホームチェッカー」について、お話を伺った。
また、その後の3編目では参考記事として、実際に筆者が「SuguCareメンズホームチェッカー」を使った、体当たりレポーティングをお届けする。
まず前編では、スグケアシリーズ開発までの経緯やその仕組み、将来的なビジョン等について、同社取締役の酒井 大介(さかい だいすけ)氏にお話し頂いた。
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