SuguCareを支える遠隔コミュニケーション技術と知見
そもそもスピンシェルとはどういう会社かというと、2006年の創業以来、人々のライフスタイルを便利にするクラウドサービスを手がけており、2015年からは遠隔コミュニケーションプラットフォーム「LiveCall」をリリースし、大手企業のウェブ接客や医療機関のオンライン診察など、お客様が遠隔からサービスを受けることを可能にしているテクノロジーカンパニーである。
最近では、事業者の業務効率化や人々の時短ライフスタイルに伴い、移動を必要としない遠隔サービスのニーズが高まっているという。特にヘルスケアとウェルネス分野でのニーズは顕著で、オンライン診察のほか、カウンセリング、特定保険指導、栄養指導などでも応用され、遠隔から自分のタイミングでサービスを受けることを可能にすることで、健康活動の継続性が上がることも期待されている。
それではなぜ、スグケアというサービス開発に至ったのだろうか。
スピンシェル株式会社 取締役 酒井大介
「スグケアシリーズは、不妊治療のみならず、人々が生活する中での一連のライフステージやウェルネスの課題を解決するブランドとして立ち上げました。」
スグケア では、LiveCallで培った遠隔コミュニケーションの技術と知見がふんだんに盛り込まれており、人々が持つウェルネスの「今すぐ」ニーズを遠隔から満たすことを目的としている。
将来的なビジョンとしては、妊活・子育て・教育など、様々な領域におけるライフサポートプラットフォームを目指しているというが、まずは社会性が高い一方でなかなか人には相談しづらい妊活・不妊治療分野での展開をスタートさせたという。
遠隔コミュニケーション・プラットフォームと不妊治療専門医の出会い
「スグケア の第1弾として妊活・不妊治療にフォーカスしたきっかけは、現在弊社の顧問であり、スグケアシリーズの監修もされている小堀善友先生との出会いでした。」
小堀善友(こぼり よしとも)氏といえば、獨協医科大学埼玉医療センター・リプロダクションセンターの副センター長であり、不妊症をはじめ、男性性機能障害や性感染症といった分野で世界的に高い評価を得ている人物だ。
これまで『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える – オトコの「性」活習慣病』(中央公論新社)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)といった、ユニークな題名の著書を出版している。男性不妊治療といえば小堀氏、とイメージされる方も多いだろう。
出典:Amazon.co.jp
筆者も男性不妊患者当事者として、全てを熟読させていただいた人間の一人である。
「先生との会話の中で、不妊治療を早期の段階で開始して、医療機関での受診を促すために『高いコミュニケーション性と利便性をそなえたオンラインサービス』の必要性が膨らんでいきました。
そして、テクノロジーカンパニーとして培った経験を活かすことで、妊活・不妊治療に踏み出そうとしている人たちと医療機関の間にあるキャズム(溝)を橋渡しするお手伝いができるのではと思ったのが、妊活・不妊治療に特化したメニューを作ったきっかけです。」
このような背景から、まずは今年2月にスグケアシリーズ第一弾として「SuguCareオンライン妊活カウンセリング」をリリースし、LiveCallを使った妊活サポートサービスとしての歩みをスタートさせた。
そして今回、第二弾として男性妊活の第一歩を踏み出させるプロダクト、「SuguCareメンズホームチェッカー」がリリースされたわけだ。
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