東大が「妊産婦のうつ予防に関する研究」でルナルナ ベビーを活用、研究協力ユーザーを募集開始

妊娠/出産

記事の要点

・東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野の西大輔准教授らのグループが、うつの予防方法として注目されているインターネット認知行動療法「iCBT」によって、妊産婦のうつ病予防における効果を検証する研究を開始。

 

・この研究に活用するツールとして、妊娠・出産・育児に関する悩みをママ同士で相談できるアプリ『ルナルナ ベビー』が採用されたことが発表。利用者の中から妊娠16週から20週の妊婦を対象に研究への参加者を募集する。

 

参加者は「iCBTプログラムを受講する群」と「非受講の群」にランダムに分けられ、妊娠32週、産後1週、産後3カ月の時点で届く、妊娠・出産に関する項目や精神状態についての質問票へ両群の協力者が回答することで、iCBTプログラムによるうつ病予防の効果を検証する流れとなる。

LoveTechポイント

産前産後を経験された方にとって、「妊娠うつ病・産後うつ病」は決して他人事ではないはず。

テクノロジーを活用し、産学連携して、未来の妊婦さんやママさん、子ども達を守るという点が、非常に重要でLoveTechな取り組みだと感じます。

編集部コメント

今、女性の「妊娠うつ病・産後うつ病」が、大きな社会問題となっている。

 

国立成育医療研究センターの研究班調査によると、2015年から2016年の間に、妊娠中から産後1年未満の女性の357人が死亡しており、その内の102人が自殺であることが判明した。

※出典:https://www.ncchd.go.jp/press/2018/maternal-deaths.html

死亡者の約3人に1人が、自殺をしているということだ。

 

これは妊産婦の死亡原因の中で最も多く、その背景として、子育てへの不安やストレスによって起きる産後うつが指摘されている。

 

「子育てに自信が持てない」「待ち望んでいた赤ちゃんのお世話なのに、つい面倒に思えてしまう」「赤ちゃんが可愛く思えない」

 

こんな思いが止まらなくなり、「自分は母親失格だ」といった自分を責める気持ちが起こってしまうのだ。

 

また、自殺者の約1割は妊娠中の女性であることから、出産後だけではなく、妊娠中から安定した精神状態を保つことが、非常に重要な課題だといえる。

 

このような背景を受け、東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野の西大輔准教授らのグループは、うつの予防方法として注目されているインターネット認知行動療法「iCBT」によって、妊産婦のうつ病予防における効果を検証する研究を開始した。

 

認知行動療法とは、人間の気分や行動が認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受けることから、認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療することを目的とした構造化された精神療法のこと。

 

iCBTは、このメソッドを用いて、インターネット上で活用できるスキル・トレーニング・プログラムとなっている。

 

この研究に活用するツールとして、妊娠・出産・育児に関する悩みをママ同士で相談できるアプリ『ルナルナ ベビー』が採用されたことが発表された。

 

研究開始にあたり、『ルナルナ ベビー』ではまず、利用者の中から妊娠16週から20週の妊婦を対象に研究への参加者を募集する。

 

参加者は「iCBTプログラムを受講する群」と「非受講の群」にランダムに分けられ、妊娠32週、産後1週、産後3カ月の時点で届く、妊娠・出産に関する項目や精神状態についての質問票へ両群の協力者が回答することで、iCBTプログラムによるうつ病予防の効果を検証する流れとなる。

 

この研究を通じてiCBTプログラムによる「産後うつ・妊娠中のうつ」への予防効果が認められた場合は、『ルナルナ ベビー』にて、妊産婦を対象にしたうつ予防プログラムを、機能として本格的に提供することを予定しており、また、研究結果で得られた知見やノウハウをもとに、さらなる女性の健康サポートにつながるデータ解析・研究を行うとしている。

 

研究への応募要件は以下の通り。

  • 『ルナルナ ベビー』を利用している20歳以上の女性
  • 応募時点で妊娠16週から20週の妊婦
  • アプリバージョンがiPhoneは4.4.0以上、Androidは3.2.0以上であること
  • 「研究参加者にお願いしたいこと」を実施してくれる女性
  • 応募時点でうつ病だと診断されていない女性

応募要件の詳細はこちら

 

女性の「妊娠うつ病・産後うつ病」に課題を感じている方は、ぜひ、未来の「妊娠うつ病・産後うつ病」を減らすための本研究に協力してみてはいかがでしょう。

 

以下、リリース内容となります。

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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