記事の要点
・香川発のベビーテックカンパニー「メロディ・インターナショナル」が、複数のVC、投資家を引受先とするシリーズDの第三者割当増資を終了し、約1.6億円の資金調達を実施。
・今回の資金調達によって、製品出荷体制の充実や、更なるユーザーサポートと営業体制の構築に向けた人材育成・人材採用、そしてハードウェア・ソフトウェアを融合した次世代遠隔医療サービスの開発体制をより充実していく予定。
・提供プロダクトである「分娩監視装置iCTG」と周産期遠隔医療プラットフォーム「Melodyi(メロディ・アイ)」を活用することで、例えば感染症病棟に入院中の妊婦の胎児心拍数陣痛図波形の観察を産婦人科病棟から行うなど、陽性妊婦を受け入れている施設の周産期固有病床の確保や感染拡大防止に役立つような使用法も可能。
LoveTechポイント
以前よりLoveTech Mediaで注目してきたメロディ・インターナショナルが、シリーズDの第三者割当増資を実施し、さらなるプロダクト開発&提供体制の強化を発表しました。
グローバルレベルでの周産期医療の格差是正に向けたLoveTechカンパニーとして、引き続き注目して参りたいと思います。
編集部コメント
香川発のベビーテックカンパニー「メロディ・インターナショナル株式会社」が、この度イノベーションディスカバリー1号投資事業有限責任組合をリードインベスターとする複数のVC、投資家を引受先とするシリーズDの第三者割当増資を終了し、約1.6億円の資金調達を実施した。
メロディ・インターナショナルといえば、提供プロダクトである「分娩監視装置iCTG」と周産期遠隔医療プラットフォーム「Melodyi(メロディ・アイ)」を活用して、安心・安全な妊娠・出産環境の実現を目指しているスタートアップだ。
分娩監視装置iCTGとは国内で初めてとなるIoT型胎児モニターで、胎児の心拍と妊婦さんのお腹の張りを、病院や自宅などで測ることが出来るデバイス。妊婦さんのお腹にセンサーをあてて計測すると、Bluetooth接続でスマートフォンやタブレットのアプリケーション内に結果が表示され、医師が診断に活用することが出来る。
またMelody iは、妊婦さんが計測した結果をかかりつけ医師に送信でき、遠隔で医師から受診推奨などアドバイスを得ることができるコミュニケーションプラットフォーム。分娩監視装置iCTGと連携することで、妊婦さんと医師との連携はもとより、クリニックからNICUのある中核病院へのデータ連携も行うことも可能となっている。
開発の経緯やそこに込められた思いについては、以下の記事も参照していただきたい。
[clink url=”https://lovetech-media.com/interview/melodyinternational20190408/”]
昨年は海外での大きな動きとしてブータン王国の全国土をカバーする50病院への導入が決まっており、国内のみならず世界の“周産期医療格差”是正に向けた動きも加速させている。
[clink url=”https://lovetech-media.com/news/baby/20200608_01melodyi/”]
特に新型コロナウイルスの影響によって、非接触医療の普及が急務となっているからこそ、この周産期医療の領域でもオンラインでの診療や、非接触での診療を加速度的に進める必要が出てきており、同社へのニーズも格段に高まっていると言える。
例えば感染症病棟に入院中の妊婦の胎児心拍数陣痛図波形の観察を産婦人科病棟から行うなど、陽性妊婦を受け入れている施設の周産期固有病床の確保や感染拡大防止に役立つような使用法も可能というわけだ。
今回の資金調達によってメロディ・インターナショナルでは、製品出荷体制の充実や、更なるユーザーサポートと営業体制の構築に向けた人材育成・人材採用、そしてハードウェア・ソフトウェアを融合した次世代遠隔医療サービスの開発体制をより充実していくという。
また先述した通り、海外でのマーケティング体制構築と各国の医療機器規制への対応体制も高めるべく、より廉価で使いやすい胎児モニターの普及に向けた次世代モデル開発の為の資金としても活用するという。
従来より高い評価を受けてきた日本の周産期医療を、さらに高みへと昇華させるプロダクト提供企業として、メロディ・インターナショナルには引き続き注目して参りたい。