記事の要点
・分身ロボット「OriHime」を開発・提供する株式会社オリィ研究所が、外出困難者が分身ロボットで働く「分身ロボットカフェDAWN ver.β」の常設実験店を日本橋エリアに開業することを発表。
・「分身ロボットカフェDAWN ver.β」は2018年から現在までに4回の短期開催実績があり、のべ5,000人が来場している。
・開業時期は2021年6月で、店舗の場所や正確なオープン日時など、詳細は後日に正式発表される予定。
LoveTechポイント
「私はロボットを作るが、人が何もしなくてよくなるテクノロジーにはあまり興味がない。むしろ、何かできる人を増やす、人が何かしたくなる事に価値があると思ってる」
そんな、オリィ研究所代表・吉藤オリィ氏による言葉(令和2年1月19日投稿Facebookより)が忘れられません。ダイバーシティー、インクルージョン、そしてLoveTechな要素を包含した取り組みだと感じます。
編集部コメント
分身ロボット「OriHime」を開発・提供する株式会社オリィ研究所が、外出困難者が分身ロボットで働く「分身ロボットカフェDAWN ver.β」の常設実験店を日本橋エリアに開業することを発表した。
開業時期は2021年6月で、店舗の場所や正確なオープン日時など、詳細は後日に正式発表されるという。
「分身ロボットカフェDAWN ver.β」といえば、重度肢体障害者や難病患者、海外在住者など、外出や移動が困難な人々が、同社開発の分身ロボット「OriHime」 「OriHime-D」を遠隔操作して、オーダーや配膳、お客様との会話などといった接客を行う取り組み。
就労を諦めていた方たちが社会と繋がり、働ける方法の開拓を模索するという、なんともLoveTechな取り組みだ。
2018年から現在までに4回の短期開催実績があり、のべ5,000人が来場しているという。LoveTech Mediaでも、2020年1月に渋谷スクランブル交差点前のQFRONTタワー内「WIRED TOKYO 1999」カフェで実施された際の様子をレポートしている。
[clink url=”https://lovetech-media.com/eventreport/orihime20200123dawnbeta/”]
今回開業する常設実験店では本社の移転も予定されており、分身ロボットカフェのフラッグシップ店として、分身ロボットを活用した外出困難者の新しい社会参画の形を研究・提唱していくという。
通常のカフェと異なり、ロボットの研究開発室が併設されて、来場客からのアンケート結果やパイロット達の声をシームレスに反映し、OriHimeシリーズの機能や接客フローそのものを柔軟にアップデートしていくことが想定されるだろう。
本取り組みの協賛・協力企業は以下の通り。
■「分身ロボットカフェプロジェクト」協賛企業
- 川田テクノシステム株式会社
- 川田テクノロジーズ株式会社
- 共和メディカル株式会社
- 日本生命保険相互会社
- 日本電信電話株式会社
- バイオジェン・ジャパン株式会社
- 株式会社リバネス
■協力
- オヤマツデザインスタジオ株式会社
- 株式会社カンカク
- 襷株式会社
(2021年2月15日現在 五十音順 敬称略)
オリィ研究所ではこの他にも、2020年7月に企業や自治体と新しい働き方を開拓するプロジェクト「AVATAR GUILD(アバターギルド)」を始動させており、障害者法定雇用率を遵守したいと考える企業や、肢体障害者の雇用先に悩む地方自治体を筆頭に、「分身ロボットを活用したテレワーク」という新たな社会参加のあり方を推進している。
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単なる効率性や生産性ではなく、「何かできる人を増やす」「人が何かをしたくなる」ためのテクノロジー活用実証場として、引き続き、2021年6月オープン予定の新型店舗の続報を待ちたい。