LoveTech Media編集部コメント
京都府南丹市が設置する要保護児童対策地域協議会にて、今年からサイボウズの「kintone(キントーン)」が試験導入されており、2019年7月1日から本運用されることが発表された。
kintoneとは業務アプリ開発プラットフォーム。
案件管理、問い合わせ管理、プロジェクトの進捗やタスク管理、日報など、お客様の用途に合わせたデータベースや業務アプリの作成が、ノンプログラミングで開発可能なサービスとなっている。
また、要保護児童対策地域協議会(以下、要対協)とは、保護を要する児童の早期発見や適切な支援を目的に地方公共団体が設置・運営している組織。
2004年度の児童福祉法改正にて第25条の2に規定されたものであり、一般的には、児童相談所や学校・教育委員会・警察など、地域の関係機関によって構成されているものだ。
南丹市でも、子育て支援課が地域からの相談・通告を受け、保育所、幼稚園、小・中学校などの児童が所属する機関や、児童相談所や保健所、警察などの関係機関と連携し対応している。
これまで同市では、児童に関する各機関からの報告を電話で受けて記録するほか、定期的な出欠状況を紙で持参してもらい資料にまとめていた。
今回、kintoneを通じたICT化により、欠席の状況や児童の様子、家庭訪問の記録がタイムリーに共有されるようになり、共通理解のもと迅速な対応ができるようになった。
これまで紙で集めていた定期情報は現場からの画面入力で完結できるようになったので、10日以上時間を要していた定期報告のとりまとめはほぼゼロになったという学校もあるという。
子どもを取り巻く関係機関では、限られた時間に膨大なケースを扱うため、効率的かつ建設的な情報共有と意見交換のツールが必要である。
そんな中、サイボウズは2018年より虐待問題を扱う最前線の児童相談所向けにクラウドサービスを5年間無料で提供する特別プランと導入の相談窓口を設ける展開をしており、児童相談所以外にも自治体や民間団体で虐待防止に携わるチームを併せて支援している。
今回の南丹市での導入は、このプランを活用したものというわけだ。
ニュースで虐待事件による死亡例が放送されると、担当者による対応の過失等、必要以上のバッシングが目立つようになってきた印象だが、そもそも完璧で百点の対応なんてものは存在しない。そして、直すべき部分があるのだとしたら、それは個人のスキルや対応内容といったものではなく、そのような流れを創出している仕組み部分と言えるだろう。
そのような観点で、今回のような業務効率化の事例は非常に前向きでLoveTechな事例といえる。
まずは、サイボウズからそのようなメニューが提供されていることを、多くの児相担当者や要対協担当者に知っていただきたい。
以下、リリース内容となります。