記事の要点
・育児記録アプリ「パパっと育児@赤ちゃん手帳」等を手がける株式会社ファーストアセントが、株式会社global bridge HOLDINGSをはじめとする複数の事業会社および個人投資家からの第三者割当増資(金額非公表)を発表。
・同社は従来より運営してきた育児記録アプリ「パパっと育児@赤ちゃん手帳」で収集した育児ビッグデータを活用することで、赤ちゃんの泣き声を分析するハードウェア「CryAnalyzer Auto」など、育児をサポートするAIの開発等を推進。調達資金は、これらを活用したソリューション開発とその実証実験の加速に用いる予定。
・また、出資会社の一社である株式会社global bridge HOLDINGSとは、同社の運営する保育園と家庭をつなぐサービス開発にも取り組む予定。
LoveTechポイント
今年のCES(CES2020)参加者から、ファーストアセントさんの泣き声診断デバイスは面白かったとの感想を聞いていたことから、これはグローバルレベルで受け入れられる観点なんだと改めて感じました。
泣き声に限らず、育児における様々なペインポイントを解決するためのデータが集まるプラットフォームとして、同社のAI開発に引き続き期待したいと思います。ぜひ、当メディアで以前取材した記事もご覧ください。
編集部コメント
育児記録アプリ「パパっと育児@赤ちゃん手帳」等を手がける株式会社ファーストアセントが、この度複数の個人投資家および事業会社からの第三者割当増資(金額非公表)を発表した。
LoveTech Media読者の皆様なら、「パパっと育児@赤ちゃん手帳」(以下、「パパっと育児」)をご存知の方も多いだろう。
育児メモアプリとしてスタートした同アプリ。授乳、ミルク、おむつ替、睡眠をはじめとした12種類の赤ちゃんの行動や、身長・体重、病気や体温などの記録、予防接種などの予定、日記などをタップ一つで記録出来る、子育てママ・パパにとって非常に便利なサービスだ。
また、育児メモで登録した内容を元に集計・グラフ表示をしており、ミルクの飲量の増減といった、数値情報ならではの「見える化」がわかりやすく設計されている。
これまでの総アプリ利用ユーザー数は50万人以上。各々が日々入力する食事や授乳、排泄といった記録が積み上がっていくことで、唯一無二の育児ビッグデータが溜まっており、そこから独自のAIも開発してきた。
その集大成の一つと言える機能が、赤ちゃんの泣き声を自動で分析してくれる「泣き声診断」である。
赤ちゃんの泣き声をにマイクをかざすと、泣いている理由とその確率を、独自のアルゴリズムで診断してくれるものだ。その正答率は、ユーザーのフィードバックベースで80%を超えているというから驚きだ。
また、このような「見える化」だけではなく、そこから推察される解決へのアドバイスもしてくれる。下の画像では、夜泣きがひどい赤ちゃんの親御さんへのアドバイスを、アラートメッセージで表示させている。
赤ちゃんの泣き声の理由を知りたいというのは万国共通。育児中のママ・パパに寄り添ったLoveTechなサービスとして、当メディアでも、2018年に機能がリリースされたタイミングで取材させていただいた。
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またアプリ上のみならず、赤ちゃんの泣き声を分析するハードウェア「CryAnalyzer Auto」(クライアナライザー・オート)も開発され、2020年1月7〜10日にラスベガスで開催された「CES2020」にて発表している。
今回の調達した資金は、この「CryAnalyzer Auto」などのAIを活用したソリューション開発とその実証実験の加速に用いるという。
また、出資会社の一社である株式会社global bridge HOLDINGSとは、同社の運営する保育園と家庭をつなぐサービス開発にも取り組む予定とのこと。
CESでの展示を通じて、同社の「泣き声診断」はグローバルレベルでニーズがあることがわかったことから、今後は国内のみならず世界展開も視野に入れて、この「CryAnalyzer Auto」等のAIソリューションを仕掛けていくということだろう。
BabyTechがようやく日本でも認知が広がりつつある状況の中、ファーストアセント社には引き続き、その第一線を走り続けてもらいたい。
以下、リリース内容となります。