記事の要点
・ユニファ株式会社、パレ・フタバ株式会社、シタテル株式会社、認定NPO法人ノーベルの4団体が、4月10日より「緊急支援:国内2,000施設の保育者へ“洗えるマスク“を届けるプロジェクト」を開始。
・洗濯により繰り返し使用できる超伸縮フィットマスクをパレ・フタバとシタテルが製造し、無償提供を希望する保育施設をユニファが募集。プロジェクトは6月30日までだが、多くの施設で喫緊の課題となっている状況に鑑み、マスク送付自体は4月下旬より順次提供を開始する予定。
・4月19日時点で、目標金額の約50%である12,286,000円が支援金として集まっている。
LoveTechポイント
保育とアパレルメーカー、スタートアップと老舗企業という異なるレイヤーの4団体が協働し、それぞれの強みを活かして保育施設に良質なマスクと感謝を届けようとしている点が、非常にLoveTechだと感じます。
その思いに共感された方は、ぜひクラウドファンディングで支援をされてはいかがでしょう。
編集部コメント
新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の感染拡大リスクが増大する中、社会が機能する上でミッションクリティカルな業種における「マスク不足」が深刻な問題となっている。
例えば医療現場。
現在、多くの医療現場では十分な量のマスク(医療用マスク)が届いていない。医療者を感染症から守る個人防護具が届いてないことで、院内感染のリスクが増大し、結果として日本のあらゆる病院が機能不全に陥る「医療崩壊」の可能性も高まってしまっている。
これに対し、国際医療NGOであるジャパンハートはクラウドファンディングプロジェクト「#マスクを医療従事者に」を企画。約1日間(2020年4月15日〜4月16日)という超短期プロジェクトにも関わらず、プロサッカー選手・長友佑都氏をはじめとする多くの著名人による賛同・支援が後押しし、目標金額の3倍以上となる153,669,000円の支援が成立した。
画像引用:READYFORプロジェクトページより(2020年4月19日時点)
もう一つ、深刻なのが保育現場である。
4月7日に政府から発出された「緊急事態宣言」により、多くの保育施設は“通常稼働”ではなくなった。だが、園児の受け入れは引き続き行われているのが現状である。
上述の医療従事者をはじめ、社会の機能を維持するために働かなければいけない人、ひとり親家庭で仕事を休めない人など、どうしても我が子を預けなければならない人のために、施設は保育を提供し続けているのだ。
そんな中、3月時点から継続的な問題となっているのが、施設におけるマスク不足。
2020年3月12日に横浜保育問題協議会が発表したアンケート調査結果によると、回答を返した208施設(アンケート送付自体は約700施設)のうち、96%の198施設が「マスクが足りない」と答えている。
また、「園児も自分も守れない」とコロナ感染を恐れて保育者が退職し、運営が困難となって急遽閉園に追い込まれた事例もあるという。
リモートワークで代替できない現場にも関わらず、最低限行われるべき感染症対策のリソースが圧倒的に不足しているのだ。
この現状に対し2020年4月10日、以下4団体が協働する形で、クラウドファンディングプロジェクト「緊急支援:国内2,000施設の保育者へ“洗えるマスク“を届けるプロジェクト」がスタートした。
- ユニファ株式会社(IoTやAIを活用した保育支援デバイスの開発およびサービスを提供)
- パレ・フタバ株式会社(ストレッチプルオンパンツに特化した一貫工房を運営する老舗アパレルメーカー)
- シタテル株式会社(衣服づくりのプラットフォームを開発・提供)
- 認定NPO法人ノーベル(大阪を中心に病児保育・一時保育を運営)
プロジェクト開始から約10日が経過した現在(2020年4月19日 22:40時点)、目標金額の約50%である12,286,000円が支援金として集まっている。
画像引用:READYFORプロジェクトページより(2020年4月19日時点)
プロジェクトメンバー各社の役割分担は以下の通り。
- ユニファ:本プロジェクトの企画、無償マスクの希望施設の募集、資金調達
- パレ・フタバ、シタテル:マスクの製造、配送
- ノーベル:本プロジェクトの企画、関係者への紹介を含む各種支援
洗濯により繰り返し使用できる超伸縮フィットマスクをパレ・フタバ(図中では同社繊維製品部であるTAKUMIBAロゴで表現)とシタテルが製造し、無償提供を希望する保育施設をユニファにて募集。プロジェクトは6月30日までだが、多くの施設で喫緊の課題となっている状況に鑑み、マスク送付自体は4月下旬より順次提供を開始する予定だ。
パレ・フタバの繊維製品部TAKUMIBAが、全国的なマスク不足緩和に向け、本業であるストレッチパンツの素材を活用して生まれた「洗える超伸縮フィットマスク」。3月6日より一般販売開始。価格は、2枚セットで1000円(税込)
マスク提供目標施設数は2,000施設。COVID-19の拡大が大きい上位10か所の都道府県(東京、大阪、神奈川、千葉、愛知、兵庫、北海道、埼玉、福岡、京都)で、マスクの無償提供を希望する保育施設(保育園・幼稚園・こども園)に送付するとしている。
ちなみに希望施設は、プロジェクト企画社であるユニファが運営する「オンライン園長会」に設置した応募フォームへ入力することで、そのまま無償提供への応募が完了する。
応募ページURL:https://www.enchoukai.com
保育とアパレルメーカー、スタートアップと老舗企業という、異業種混合の4団体が仕掛ける本プロジェクト。重要な社会基盤として機能する保育施設に、マスクと感謝を届けるLoveTechな取り組みとして、その思いに共感する方はぜひ、クラウドファンディングで支援されてはいかがでしょう。
《プロジェクトページ》
以下、リリース内容となります。