国連機関や農林水産省の推計によると、世界の食料生産量の3分の1が毎年捨てられおり、日本の年間食品ロスも600万トンを超えるなど、近年食品ロスの問題に注目が集まっている。
2019年の今国会でも、食品ロス削減推進法案が成立する見通しとされる中、繊維商社の豊島が展開しているのが、廃棄予定の食材を使って染めるテキスタイルブランド「フードテキスタイル(FOOD TEXTILE)」だ。
フードテキスタイルでは、従来捨てられてしまっていた、形の不揃いなど規格外の食材や、カット野菜の切れ端、コーヒーの出し殻などを、食品関連企業や農園より買い取り、植物に含まれる成分を抽出、それを染料にして染め上げている。
食品業界が食料廃棄・食品ロスの課題を抱える一方、ファッション業界も同じように日々廃棄問題を目の当たりにする中で、食品企業からの賛同と協力を得て発足された同プロジェクト。
食品とアパレル業界の架け橋として、食べ物がもつ「色」に注目し、染料化する独自の技術と、様々な食品関連企業から提供された食材を活用し、オリジナル商品の展開の他、国内の様々なファッションブランドと連携して生地販売・商品化を進め、アパレル業界からフードロス問題に取り組んでいる。
引用:FOOD TEXTILEホームページ(2019年5月17日時点)
現在では、キユーピーグループの株式会社サラダクラブなど15 社を超える国内の食品関連企業・農業・農園と連携し、業界を繋ぐサスティナブルなシステムを構築している。
FOODTEXTILEは、自然由来のナチュラルな色合いを特徴として、様々なブランドグッズへと昇華されている。
例えば以下のネクタイは、それぞれエスプレッソコーヒーとグリーンティーを染料材料として生産された品だ。マットでナチュラルな風合いが特徴となっている。
また以下の靴下は、それぞれエスプレッソコーヒーとグリーンティーを染料材料として生産された品だ。FOODTEXTILEの上品な色が、靴下で表現されている。
野菜からこんなに鮮やかな色が抽出されるものかと、感動してしまう。
サステナブルな仕組みで展開されているブランドとして、SDGsやESGに興味のある方は、ぜひ一度、同プロジェクトのページをご覧になってみて頂きたい。
◆FOOD TEXTILE公式HP