リリース概要
NPO法人WELgee(以下、「WELgee」)は、日本にいる難民認定申請者(以下「難民」)を対象としたプログラミング道場「Tech-Up(テックアップ)」を、2019年9月より開始いたします。Tech-Upは、①プログラミングの寄付講座を提供する株式会社DIVE INTO CODE(以下「DIVE INTO CODE」)と、②スクール受講生にノートパソコンを貸与する一般社団法人日本福音ルーテル社団(以下「JELA」)との協働によって行われます。
本プレスリリースの要点
1, 国内初!⽇本へ逃れた難⺠にWebプログラミング技術を教えるプログラミング道場「Tech-Up」が本格始動。
2, Tech-Upは、WELgee・DIVE INTO CODE・JELAの3団体の協働で行われる。
3, Tech-Upは、これまで最低限⽣きていける状態以外を望めなかった難⺠の若者たちがプログラマーとなり、夢や⽣きがいを持ちながら、⾃分の未来を描けるようになる状態を⽬指す。
Tech-Upとは?
Tech-Upは、⽇本に逃れた難⺠たちが、⾃分らしく働くため、プログラミングを学ぶ仕組みです。
まず、WELgeeが受講生となる難民を選抜します。その上で、受講生が最適な学習環境を得るために、JELAが所持するPCの貸与・シェアハウス(TOKIWA)の提供を行います。受講者は、DIVE INTO CODEの提供する寄付講座により、Webプログラミングの基礎を学ぶことになります。また、WELgeeは楽天株式会社が社会課題の解決を支援する、「Rakuten Social Accelerator」の第2期の協働団体として採択されており、楽天社員がプロボノとして、Tech-Upのプログラム設計をサポートします。
Tech-Up開始の背景
WELgeeは、⽇本に逃れて来た難⺠の若者たちと誰もが活躍できる未来を作っています。WELgeeが取り組む課題は、難⺠として⽇本に逃れてきた⼈が⾃らの未来をデザインできる環境にないことです。⽇本へと逃れた難民のなかには不安定な法的地位、⽇本社会との隔絶に不安や恐怖を感じながら、日々⽣きるためだけの単純労働を強いられる⽅も少なくありません。
Tech-Upは、これまで「被⽀援者」としてしか⾒られず、最低限⽣きていける状態以上を望むことが難しかった難⺠たちが、プログラミングスキルを学ぶことで、夢や⽣きがいを抱きながら活き活きと⽇々を過ごすことを⽬指します。彼らがスキルを⾝につけ、⽇本経済のICTの隆盛に伴うプログラマー需要に応える「テック⼈材」として、企業や社会に利益を⽣み出し活躍する未来を実現したいと考えております。
なぜプログラミングなのか?
WELgeeは、2017年9月より、
現在WELgeeでは、就労伴走事業を通じて9名の難民が社員雇用をされ(うち試用期間インターンシップ3名)、うち4名がwebエンジニアとして採用、そのうち2名が日本でゼロからプログラミングを学び、社員雇用を果たしました。試⾏錯誤の末、難⺠と企業が量・質ともに⾼い⽔準でマッチングするような環境を作るには、プログラマーとなる道筋を作ることが確実である事に気づきました。なぜなら、日本社会・難民側の2つのニーズが合致しているからです。
< 日本社会側のニーズ >
・プログラミングそれ自体の学習に日本語は不要である。
・IT業界は企業内で英語でコミュニケーションが行われている場合が比較的多い。
・IT業界では、外国人人材の重要性が高まっている*1。
< 難民側のニーズ >
「将来、平和になった母国でテクノロジーを活用して人々の役に立ちたい」など、プログラミング技術習得の意欲が高い
*1経済産業省(2016年) IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 25p
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/27FY/ITjinzai_report_summary.pdf
難民受け入れ先進国ドイツ発。難民から「テック人材」を生み出す「ReDI School」
ドイツでは、「ReDI School」という難⺠向けのテクノロジースクールがあります。これまでに1,000⼈以上の卒業⽣を輩出し、未経験からプログラマーとして就職、スクールで得たネットワークを活かし た起業など、進路は多種多様です。ビジネス界からは⾼い評価を受けており、1ターム150名の難⺠⽣徒に対して、無償 の講師役を担う企業⼈は200名超。Deloit、Google、Salesforce、Microsoft、Facebookなどの世界的企業が資⾦、機材、コンテンツなど、あらゆる局⾯を徹底サポートしています。
このような価値は、当事者を「難⺠問題」という⽂脈の中でいつまでも⽀援対象として扱う中では⽣まれません。本プログラムで は、まだ⾒ぬ価値を⽇本社会や企業で発揮できる⼈材になるために、スキル研修の機会を提供したいと考えます。
(ReDI school URL : https://www.redi-school.org/)
協働パートナーからのメッセージ
DIVE INTO CODE の最終目的は、すべての人がテクノロジーを武器にして活躍できる社会をつくることです。この「すべての人」という言葉には、”自分からチャレンジをしようと決意したすべての人”という意味が込められています。この度、WELgeeのTech-Upに私たちが日本で創り上げてきたプロのエンジニア育成教材を活用いただけることを嬉しく思います。
私たちの教材はすでに英語に翻訳されており、アフリカの現地受講生や卒業生が輩出された実績があるものです。 Tech-Upを通して、逆境に直面した難民の方々へ、未来へのチャレンジの希望の架け橋となることを目指します。
WELgee代表 渡部清花 より
NPO法人WELgee 代表 渡部清花
「仲間は殺された。でも僕は生き残った。だから、自分がいつか次の誰かのために、愛する故郷のために、今ここでできることを精一杯がんばりたいんだ。」
私たちが想像もつかない逆境を乗り越えてきた若者たちが、東京にたくさんいます。昼も夜も、ほとんどやることがない中で、スマホで故郷の紛争のネガティブなニュースみて悲しくなるか、YouTubeで気を紛らわせるか…可能性に満ち溢れる彼らの時間や意欲が途方もなくもったいない。
PCさえあれば学べるプログラミング技術を、未来を生き抜く武器にする方法を真剣に考えたい。こうして、日本初の難民の若者向けのプログラミングスクールが始まろうとしています。
「過去と他人は変えられないけど、未来と自分は変えられるから」
彼らの言葉通り、人の可能性を最大限に引き出すプロジェクトにしたいと思っています。
WELgee Tech-Upプログラム担当 島倉愛理 より
「将来は平和になった母国で叶えたい夢があるんだ」
そう話してくれる難民の彼らですが、彼らは「難民」であるがゆえに、夢の実現に向け頑張ることすらできない環境下にあります。
「難民」という境遇によらず、彼らが自分らしく生きるための新しい選択肢がこのTech-Upプログラムです。意欲ある難民が今日明日を生きるためだけの生活から抜け出し、未来の自分のために全力で挑戦できる環境、その挑戦を応援し合える仕組みを私たちの想いに共感してくださる方々と一緒に作っていきたいと思います。
今後のスケジュール
2019年9月上旬 : 1stターム(第1期) 開始
2019年12月下旬 : 1stターム 修了予定
協働団体概要
株式会社DIVE INTO CODEについて
[名称] 株式会社DIVE INTO CODE
[本社所在地]:〒150-0044 東京都渋谷区円山町28-4大場ビルA館2階
[代表取締役]:野呂 浩良
[設立]:2015年4月10日
[URL] https://diveintocode.jp/
一般社団法人日本福音ルーテル社団について
[法人名] : 一般社団法人日本福音ルーテル社団(JELA)
[本社所在地]:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-20-26
[理事長] : 森下博司
[URL] :http://www.jela.or.jp/
JELAは、キリストの愛の精神を実践する一般社団法人です。国内の難民支援や世界の子ども支援事業などを行っています。
NPO法人WELgeeについて
[名称] 特定非営利活動法人WELgee
[所在地] 〒150-6027
東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号 恵比寿ガーデンプレイスタワー27階
株式会社デジサーチアンドアドバタイジング内「COEBI」
詳しくは https://welgee.jp/ または、最新情報は https://facebook.com/welgee をご確認ください。
- 本取り組みへと興味を持たれた方へ
・”どんな生徒が参加するのかを知りたい”
・”難民の人材を弊社で採用したい、参加者の採用に興味がある”
・”企業として・個人としてTech-Upに何かできないか?”
と思う方へ、弊団体では、Tech-Up・就労伴走事業へと興味を持った方へとメーリングリストをお送りして行きます。こちら(https://forms.gle/bbTT4nPCuNUgjCXi7)からご登録ができます。
■お問い合わせ先
電話:080-3584-1991 メール:info@welgee.jp
HP:https://welgee.jp