リリース概要
酪農・畜産向けIoT(※1)ソリューションを提供する株式会社ファームノート(本社:北海道帯広市、代表取締役 小林晋也 以下、ファームノート)は、ソニーエンジニアリング株式会社 (本社:神奈川県藤沢市、代表取締役社長 小川功一 以下、ソニーエンジニアリング)が開発・製造を行う、肥育牛(※2)の起立困難状態(※3)を検知・通知するセンサーデバイス「うしらせ®︎」の資産譲渡契約を締結しましたことをお知らせします。
資産譲渡契約締結に至る背景
ソニーグループにて映像・音響・情報処理・通信機器等の開発を行うソニーエンジニアリングは、得意とする無線通信技術を活用し、肥育生産者が自社で管理育成をする肥育牛の起立困難による死亡事故を未然に防ぐための製品「うしらせ®︎」を開発・製造をしてまいりました。
ファームノートは生産性や働き方に社会課題を持つ酪農・畜産分野へのIoT導入の先駆けとして、新規就農者の育成支援や熟練者の勘の可視化、業務効率の飛躍的な改善、牛の健康を一括管理する画期的なシステムを開発・提供をしてまいりました。
今回「うしらせ®︎」の事業主体をソニーエンジニアリングからファームノートへと移管することで、「うしらせ®︎」の更なる育成と幅広い肥育生産者への販売およびサービス提供を行っていくという狙いから、このたび資産譲渡契約を締結いたしました。ソニーエンジニアリングにて蓄積した開発資産とノウハウはファームノートへと引き継がれ、現在「うしらせ®︎」をご利用いただいている全てのお客様には、引き続きサービスをご提供するとともに、これまで以上の価値提供とサービスレベルの向上を目指してまいります。
肥育業界を取り巻く課題
肥育後期において牛が横になった状態から起き上がれなくなることがあり、その起立困難な状態のまま放置すると肺が圧迫され、牛が窒息死をしてしまうことがあります。肥育牛の起立困難による死亡事故は年間1~2%程度発生するといわれ、1頭あたりの損害額は約100万円にのぼることから生産者にとっては大きな課題と認識されています。また現状では事故を防ぐために牛舎の見回り等で対応している生産者も多く、夜間の牛舎巡回は肉体的にも精神的にも負担が大きいことから、労働生産性を下げる要因となっています。
「うしらせ®︎」製品概要
牛の顎に装着するセンサーデバイスがその牛の横臥状態を検知し、牛舎内に設置する基地局を介してクラウドシステムに情報を送信。起立困難状態の発生時に、お客様のスマートフォンアプリへ警告を通知するものです。研究にあたっては、JA全農(全国農業協同組合連合会)の協力のもと、農場での実証実験等を繰り返し行い、検知精度を検証。牛の起立困難検知に特化したセンサーデバイスとして2018年4月よりソニーエンジニアリングが提供している製品です。牛が一定時間の横臥状態に陥ると、お客様のスマートフォンにインストールしたアプリが警告音を発し、警告画面を表示します。起立困難状態が解消すると解消状態も通知され、牛舎から離れている夜間や外出先でも事故の見逃しを減らす対策が可能となります。
<「うしらせ®︎」システムイメージ>
「うしらせ®︎」ご利用中のお客様へのサポート移管先
ファームノート カスタマーデスク
TEL:0155-67-6911(平日:10:00-18:00)
メール:cs@farmnote.jp
ファームノートについて
ファームノートは「世界の農業の頭脳を創る」を理念とする農業 IoTソリューションカンパニーです。最先端の技術で酪農・畜産の生産性向上と効率化を推進し、日本の強い農業と持続可能な地球の豊かさ、人々のよりよい「生きる」に貢献したいと考えています。
これまでの取り組みが評価され、2019年には第17回「日本イノベーター大賞・日経ビジネスRaise賞(主催:日経BP社)」、第5回「日本ベンチャー大賞・農林水産大臣賞(主催:経済産業省、農林水産省、オープンイノベーションベンチャー創造協議会)」を受賞いたしました。
社名:株式会社ファームノート / Farmnote Inc.
設立:2013年11月
本社所在地: 北海道帯広市公園東町1丁目3-14
代表者:代表取締役 小林晋也
資本金:1億1640万円
会社HP:https://farmnote.jp/
ソニーエンジニアリングについて
社名:ソニーエンジニアリング株式会社 / Sony Engineering Corporation
設立:1989年4月11日
本社所在地:251-0042 神奈川県藤沢市辻堂新町3-3-1
代表者:代表取締役 小川功一
資本金:1億円(ソニー株式会社 100%出資)
会社HP:https://www.sonyengineering.co.jp/
(※1)Internet of Thingsの略。あらゆるモノがインターネットにつながることで、モニタリングやコントロールを可能にするといった概念
(※2)食肉用に育てられた牛を指します。
(※3 )一定時間の横臥状態を起立困難警報として通知します。