LoveTech Media編集部コメント
岡山県にて閉鎖循環式養殖装置の研究開発とその技術を活用した陸上養殖装置の開発・販売事業を展開するジャパンマリンポニックス株式会社が、閉鎖循環型飼育用の飼育水循環システム(以下「閉鎖循環型養殖システム」)に関する特許を取得し、さらに株式会社クラウド漁業と閉鎖循環型養殖システムを使用した養殖装置販売に関する業務提携を締結した事を発表した。
陸上養殖とは、世界的な水産物の需要増加やマイクロプラスチック等の海洋汚染を背景に、今後の養殖業の発展に向け期待されている技術。
海洋での養殖は自然災害や海洋汚染によって被害を受けるリスクがあり、また沖合での養殖はコストがかかる。
陸上養殖であれば、水質や水温、エサなどを完全コントロールした屋内の水槽で魚介類を育てることができるので、上述のリスクをは無縁となる。
ジャパンマリンポニックスはこの陸上養殖に黎明期から携わっている会社であり、日夜技術開発を行ってきた。
陸上養殖には、海水を利用する“かけ流し式”と、濾過システムを用いて飼育水を浄化させながら循環利用する“閉鎖循環式”があるのだが、同社は後者の閉鎖循環式技術において、2014年4月に特許出願を実施しており、今年6月7日に特許取得に至ったという。
具体的には、電気などを利用して、魚の飼育水中の餌、排泄物などの残渣や魚にとって有害な成分を分解・分離することで、飼育水を循環利用できるようにした魚の生産システムとなっている。
ジャパンマリンポニックス株式会社より
この分離した残渣は野菜の育成に使用することが可能となっている(上図緑矢印箇所)。
養殖可能な魚は10種類以上、日本全国どこでも設置可能であり、天候に左右されない安定した生産性とトレーサビリティの高さが魅力となっている。
また、同社の技術開発により、従来の設備システムに対して、電気代は1/2〜1/3以下、浄化装置容積も1/3以下を実現できているという。
ジャパンマリンポニックス株式会社より
一方、クラウド漁業は鯖やグループの一社として、クラウドを活用したIoTによる漁業技術の研究開発や地方創生プロデュースを行っている事業会社。
今回の両社による陸上養殖設備の販売に関する業務提携により、今後より一層の陸上養殖の普及が期待できるだろう。
それが延いては、我が国の水産業発展と食の自給率向上にも繋がっていくことが想定できる。
今後の新たなトレンドとして期待される陸上養殖に興味のある事業会社は、ぜひジャパンマリンポニックスもしくはクラウド漁業に連絡を入れてみてはいかがでしょう。
以下、リリース内容となります。