今世紀末までに国内砂浜の6割が完全消失リスクあり、「全国砂浜ムーブメント2019」で啓発促進

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記事の要点

・日本自然保護協会が中心となって、2019年9月20日〜2019年12月31日にかけて「全国砂浜ムーブメント2019」を実施

・5つのミッションを呼びかけ、一つでも達成したら「砂浜ノート」をプレゼント

生きものコレクションアプリ“バイオーム”と、ゴミ拾いアプリ“ピリカ”とも連携

LoveTechポイント

日本の砂浜が危機に瀕しているという環境問題に対し、生きものコレクションアプリ“バイオーム”やゴミ拾いアプリ“ピリカ”といったプロダクトを活用して、ゴミのことや砂浜の未来への啓発を進めている点がLoveTechだと感じます。

今回のムーブメントをきっかけに、砂浜の現状理解へのアンテナはもちろん、アプリの日常利用のきっかけにもなってほしいものです。

編集部コメント

今、日本の砂浜が危機に瀕している。

 

国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が2014年に公表した報告書データ等を基に、国立環境研究所や大学など28の機関による研究グループが分析したところによると、今後、世界の平均気温が約4度上がると、日本の沿岸では、今世紀末までに海面が最大で60センチ上昇。

 

これに伴って、全国77の沿岸のうち、96%にあたる74の沿岸で砂浜の面積が、今より半分以上減少する可能性があるという。

 

また60%にあたる46の沿岸では、砂浜の消失率が100%に達し、完全に消えるおそれがあるとの予測も出ている。

 

砂浜の減少は、海水浴やサーフィンなどレクリエーションの場の喪失のほか、高波・浸水被害の増加にもつながってしまう。

 

この事実をご存知だっただろうか?

おそらく多くの方は、砂浜の危機自体、初耳だったのではないだろうか。

 

このように、海、特に砂浜における生物多様性の価値認知を高め、海の自然保護を進めるための取り組みが、公益財団法人日本自然保護協会(NACS-J)を中心として立ち上がった。

 

その名も「全国砂浜ムーブメント2019」。

 

2019年9月20日〜2019年12月31日にかけて実施されるムーブメントで、全国各地の砂浜や海をテーマに、5つのミッションを呼びかけている。砂浜があるところであれば、場所は問わないようだ。

 

  1. 砂浜に行こう!砂浜で遊ぼう!:砂浜に行って遊んだ思い出をハッシュタグ#砂浜をつけてSNSやブログで発信したらミッションクリア!
  2. 砂浜や河川でゴミを拾おう!(アプリ“ピリカ”連携):ゴミ拾いアプリ・ピリカをダウンロードして、砂浜や河川で拾ったゴミを専用イベントページ「全国砂浜ムーブメント2019」に参加・投稿したらミッションクリア!
  3. 砂浜で自然を観察しよう!(アプリ“Biome”連携):生きものアプリBiome(バイオーム)をダウンロードして、砂浜で見つけた生きものを砂浜生きものクエストに投稿したらミッションクリア!
  4. 砂浜で自然観察会を開催しよう!参加しよう!:砂浜の自然観察会の様子をハッシュタグ#砂浜 をつけてSNSやブログで発信したらミッションクリア!
  5. 砂浜や海のセミナー、シンポジウムに参加しよう!:砂浜や海について学ぶセミナーやシンポジウムに参加して、その様子や感想などをハッシュタグ #砂浜 をつけてSNSやブログで発信したらミッションクリア!

 

生きものアプリを運営している株式会社バイオームと、ゴミ拾いアプリを運営している株式会社ピリカと連携し、最新技術を駆使して、楽しく生きもの観察やゴミ拾いができるミッションとなっている。

 

バイオームは、世界中の生物多様性・環境の状況をビッグデータ化し、環境保全に役立てることを目指すスタートアップ。現在は、生物の写真を送るだけでその名前を知ることができる、いきもの図鑑アプリ “Biome(バイオーム)” を開発・運営している。

 

全国の砂浜やその周辺でカニや貝、打ち上がった海藻や貝殻などいきものを見つけて写真撮影のうえアプリに投稿することで進める「砂浜いきものクエスト」イベントを今回用に設けており、ゲーム感覚でいきものコレクションを進めることのできる工夫がなされている。

 

またピリカは、科学技術の力でポイ捨てごみ問題をはじめとするあらゆる環境問題を克服することを目指しており、世界最大のごみ拾いSNSを運用している。

 

世界85ヶ国から80万人以上が参加しているというから驚きだ。

 

上述5つのミッションをクリアしたら、特製砂浜ノートをプレゼントしてくれるということで、ささやかではあるが、達成による成果物があるのも嬉しいものだ。

 

砂浜における生物多様性の豊かさを再認識する取り組みとして、ぜひこのムーブメントをきっかけに、休日などに海辺や川辺に行き、ゆっくりと観察してみてはいかがでしょう。

 

普段目を向けない部分だからこそ、新たな発見があるかもしれない。

 

以下、リリース内容となります。

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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