記事の要点
・養豚事業での生産管理システム「Poker」を軸に、養豚エコシステム構築を進める株式会社Eco-Porkが、豚熱(CSF)やアフリカ豚熱(ASF)等の重篤伝染病に対する「感染リスクのみえる化」および「予防対策支援」BIツール ”BioAsseT Web”をリリース。
・国内養豚農場の疾病感染リスク(バイオセキュリティレベル)を数値化し、定量評価・分析に基づく感染予防指導およびバイオセキュリティレベル向上支援を、P-JET主導の下で実施していく。
・P-JETが定める「査定者」が農場に訪問し、全155項目で構成される査定項目を診断・評価することで、農場のバイオセキュリティレベルを数値化する。また、数値データを元にセキュリティの弱点を特定し、重点的に改善すべき課題と改善に向けたアクションプランが提示されるという、国内唯一の仕組みとなっている。
LoveTechポイント
私たちが安心して美味しい豚肉を食べ続けるためにも、国内農場におけるバイオセキュリティないしはバイオセーフティーの実践は非常に重要な施策となります。
だからこそ、数値データを元にセキュリティの弱点を特定し、重点的に改善すべき課題と改善に向けたアクションプランが提示される点が、国内養豚生産者にとってLoveTechなプロダクトだと感じます。
編集部コメント
養豚事業での生産管理システム「Poker」を軸に、養豚エコシステム構築を進める株式会社Eco-Porkが、豚熱(CSF)やアフリカ豚熱(ASF)等の重篤伝染病に対する「感染リスクのみえる化」および「予防対策支援」BIツール ”BioAsseT Web”をリリースした。
同社は、国内養豚の感染症撲滅を推進する獣医師チーム「PRRS撲滅推進チームJAPAN」(以下、P-JET)に参画しており、本ツールを通じて、国内養豚農場の疾病感染リスク(バイオセキュリティレベル)を数値化し、定量評価・分析に基づく感染予防指導およびバイオセキュリティレベル向上支援を、P-JET主導の下で実施していくという。
今、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症リスク増大が大いに懸念されているが、養豚の世界でも「豚熱(CSF)」や「アフリカ豚熱(ASF)」が大きなリスクとなっている。
まず前者について、現在国内で発生している豚熱は、豚・いのしし特有の熱性伝染病であり、その強い伝染力と高い致死率から、豚肉の産出量を大きく低下させる。既に13万頭の豚がわずか1年間で殺処分されており、未だその正確な感染経路の特定に至らず、国産豚肉の持続可能性を脅かし続けているという。
また後者について、隣国の中国では2018年に発生したアフリカ豚熱によって国内飼育頭数の30%超を殺処分し、経済損失額がおよそ16兆円にのぼると試算されている。現在、日本国内での感染は確認されていないが、東南アジア諸国での感染が確認されており、国内感染阻止に向けた未然防止策が求められている。
そんな背景の中、農林水産省では上記重篤感染症への対応として、国内農場の「バイオセキュリティレベル」向上のため、「飼養衛生管理基準」の改定を進めている。この改定に呼応する形で、国内の農場バイオセキュリティを定量評価し、分析・改善指導するツールとしてBioAsseT Webがリリースされたわけだ。
BioAsseT Webは、P-JETが定める「査定者」が農場に訪問し、全155項目で構成される査定項目を診断・評価することで、農場のバイオセキュリティレベルを数値化する。
また、数値データを元にセキュリティの弱点を特定し、重点的に改善すべき課題と改善に向けたアクションプランが提示されるという、国内唯一の仕組みとなっている。
今後は国内農場のセキュリティレベル向上に向け、P-JETを通じて養豚生産者には無償で提供するともに、国内獣医師および各都道府県の家畜衛生保健所に対して、査定者講習会を実施することでBioAsseT Webを提供する予定だという。
こちらは現在(2020.2時点)、操作体験版をhttps://demo.bioasset.netで公開しており、あらかじめ入力されたパラメーター項目を元にした結果サンプルを参照することができる。
養豚生産者の方々は、ぜひ中長期的なリスク管理の一環として、まずは体験版を確認されてみてはいかがでしょう。
以下、リリース内容となります。