記事の要点
・IoTを活用した農業を推進するグリーンリバーホールディングス株式会社が、縦型水耕栽培装置「3D高密度栽培バイグロウシステム」を利用した簡易閉鎖型植物工場を開発。
・簡易閉鎖型工場を、今後スーパーや量販店、ホテル、レストラン等に販売開始し、デッドスペースを有効活用した地産地消を推奨するモデルとして全国展開していく。
・栽培に使用するシステムは、高さ150cmのプランターの両面に18株の苗が定植できる栽培方法。一般的な露地栽培と比較し、同一面積当たり30倍程度の収穫が可能となっている。
LoveTechポイント
人口減少や高齢化、自然災害など、農業における課題をテクノロジーで解決するAgriTechの領域に注目が集まっています。
スーパーやレストランなどのデッドスペースを誰もが簡単に有効活用し地産地消できるツールが根付けば、そうした課題解決はもちろん、輸送中のCO2削減や、消費者のニーズにあわせた生産量の調節などにも対応しやすく、食品ロスの軽減につなげることもできますね。LoveTechが凝縮された取り組みだと思います!
編集部コメント
IoTを活用した農業を推進するグリーンリバーホールディングス株式会社(以下、グリーンリバーHD)は、同社が独自開発する縦型水耕栽培装置「3D高密度栽培バイグロウシステム」を利用した「簡易閉鎖型植物工場」を、新たに発表した。
今後スーパーや量販店、ホテル、レストラン等に販売開始し、デッドスペースを有効活用した地産地消を推奨するモデルとして全国展開していくという。
グリーンリバーHDは、これまで福岡県をはじめとした全国6拠点でIoTを活用した太陽光利用型植物工場スマートアグリファクトリーの建設と運営を、同社傘下のグリーンラボ株式会社を通じて行ってきた。
栽培に使用される設備は、グリーンラボが開発した縦型水耕栽培プランター「バイグロウ」システム。高さ150cmのプランターの両面に18株の苗(バジルなどハーブ類の場合)を定植できるものだ。
栽培する作物によるが、一般的な露地栽培と比較して同一面積当たり30倍程度の収穫が可能だという。
同社はこれまで「バイグロウ」を太陽光利用型植物工場として活用してきたわけだが、昨今の海外における「FTT(Farm To Table)」(※)への注目トレンドを受けて、国内での屋内展開を設計。展開先としては、スーパーや量販店、ホテル、レストラン等を見据えているという。
※FTT:ファーム・トゥー・テーブル。「農場から食卓まで」を意味する用語で、その日に収穫された食材が、一貫した安全管理のもとで届くという、米国で生まれた食の潮流
ハーブやレタス等を室内で栽培可能
このような都市型で屋内設置型のファームとして有名なのは、ドイツ発のInfarm社。今年2月末にはJR東日本からの出資を受け、本格的な日本展開を進めているAgriTech企業だ。
今年の夏には早速、JRグループが運営する高級スーパー「紀ノ国屋」店内にて、Infarmの仕組みを活用した農作物栽培と販売を実施することを表明している。
このように、スーパーやレストランなどのデッドスペースを有効活用し地産地消できるツールの存在は、食の自給自足へのリテラシーを上げ、そのハードルは大きく下ゲル可能性がある。
生産地と消費地が近づけば、輸送中のCO2削減や、費者のニーズにあわせた生産量の調節などにも対応しやすく、食品ロスの軽減につなげるなど、さまざまな効果も期待できる。
今後も同様の取り組みの活性化を編集部としても期待していきたい。
以下、リリース内容となります。