食品を凍らせず、最大10ヶ月間保存できるオズアンドテック「Wi-Free」技術。新たにSTePP登録へ

食/地域/環境

記事の要点

・株式会社O’s&Tec(オズアンドテック)が開発する独自技術「Wi-Free」が、食品の貯蔵や食糧不足などの問題解決に貢献できる技術として評価され、国際連合工業開発機関(UNIDO)東京事務所が運営する「STePP(サステナブル技術普及プラットフォーム)」に新規登録。

 

・Wi-Freeとは、従来からある冷蔵冷凍技術に、独自の高電圧・低電流技術を組み合わせて開発した“鮮度維持高電圧発生装置”のこと。生鮮食品等を冷凍させずに、1ヶ月〜10ヶ月という長期保存が可能になる。

 

・これまで“鮮度”が重要な食品等は、航空便やトラックでしか運べなかったが、Wi-Freeによって船や鉄道貨物による長時間の輸送も実現することが期待される。

LoveTechポイント

食品の「生産」や「販売」領域で、アグリテックサービスが多く勃興していますが、今回のWi-Freeのような「物理的な流通」領域でのブレイクスルーはまだまだ少ない印象なので、とても貴重だと感じます。

具体的な流通インフラ技術として、食品の貯蔵や食糧不足などの問題解決に貢献できる点が、LoveTechだと感じます。

編集部コメント

我々の生活を日々支えている、広大な物流網。

 

昨今の新型コロナ禍による経済活動の停滞を背景に、物流業界も少なからず大きな影響を受けている。一方でそうはいっても、食料品をはじめとする生活必需品の多くは、これまでと変わらずしっかりと我々の手元に届いており、社会インフラとしての底力を感じさせる。

 

これからはVUCA(※)の時代と言われているからこそ、物流機能への期待もますます高まっていくと想定される。

※VUCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性) の頭文字をつなぎ合わせた造語。今回の新型コロナ禍をはじめとする災害や、AIをはじめとする情報技術、バイオテクノロジーの劇的進化に伴い、不確実性が増し、将来予測が難しいことを示すワードとして主に使われている

 

そんな状況の中、創業4年の株式会社O’s&Tec(オズアンドテック)が開発する独自技術「Wi-Free」が、物流の機能性をさらに高め、食品の貯蔵や食糧不足などの問題解決に貢献できる技術として、グローバルレベルで期待されている。

 

Wi-Freeとは、従来からある冷蔵冷凍技術に、独自の高電圧・低電流技術を組み合わせて開発した“鮮度維持高電圧発生装置”のこと。世界で初めて物流リーファーコンテナ(※)に搭載された技術だ。

※リーファーコンテナ:冷凍・冷蔵貨物の輸送に使用される特殊コンテナのこと。果物・野菜・肉・魚介類などの生鮮食品等の輸送に使われる。対する一般のコンテナは「ドライコンテナ」と呼ばれる

 

コンテナ内部に特殊な電場空間を形成することで、食品などを凍らせずに鮮度を保ち、輸送時の時間経過によるダメージを大幅に減らすことができる。

 

具体的には、水分子・イオン・極性基などの揺らぎ運動が与えられ、水素結合などによる水の構造化に影響を及ぼすことで、水分蒸発抑制効果、水分活性の低下、鮮度保持効果、吸水促進効果があるという。また、イオン風と微量のオゾン発生による殺菌、除菌作用(酸化防止、腐敗防止、劣化防止等)もあるという。

 

これまで“鮮度”が重要な食品等は、航空便やトラックでしか運べなかった。

 

だが、このWi-Free技術を使うことで、1ヶ月〜10ヶ月という長期保存が可能になるため、船や鉄道貨物による長時間の輸送も実現する。またこれらに限らず、新たな輸送設備や加工設備、保管施設の構築に応用することも可能だ。

 

例えば、このWi-Free技術を搭載した同社コンテナ製品「氷感SO庫(ひょうかんそうこ)」では、凍結せずに長期間の鮮度維持が可能なことに併せて、loTの仕組みも導入。

株式会社O’s&Tecホームページより

 

稼働状態・電池残量・振動・庫内温度湿度・氷感システム・冷凍機、機器の不具合を管理しているので、以下のような効果を発揮するとしている。

  1. これまで鉄道で輸送できなかった食品輸送の範囲が拡大<鉄道輸送需要の増加>
  2. 食品の「熟成」「解凍」も可能なため新しい物流システムの構築が可能
  3. 急いで運ぶ必要がないため、収穫・生産・出荷調整が可能に
  4. 鮮度維持効果により収穫・生産量の調整、廃棄などの食品損失の減少
  5. 蓄電池を電源とするため、化石燃料が不要<環境配慮設計>
  6. 輸送列車などに輸送障害が発生しても蓄電池稼動のため食品損失を防止

株式会社O’s&Tecホームページより

 

また上記に付随して、米や肉については、「熟成効果」によって“旨味”がアップするという検査結果も出ているという。

 

このように、食における確保と保管のみならず、冷凍加工に応用する事で品質の良い冷凍食品の製造が可能だという面で、大きなビジネスチャンスの可能性があると言え、国連機関であるUNIDO(国際連合工業開発機関)東京事務所が運営する「STePP」(※)にも新規登録がなされた。

※STePP(Sustainable Technology Promotion Platform):開発途上国・新興国の持続的な産業開発のために、日本の優れた技術を紹介するプラットフォーム。詳細はこちら

 

今後は海外への技術移転を見据えているということで、我が国の物流のみならず、開発途上国におけるアグリビジネスなど、物流インフラを必要とする様々な生鮮市場開拓に貢献することが期待されるだろう。

 

食品の貯蔵や食糧不足などの問題解決に貢献できる技術として、今後の展開にも期待したい。

 

以下、リリース内容となります。

LoveTechMedia編集部

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