宇宙 × 食のテーマで持続的な“Well-being”社会を目指す「SPACE FOODSPHERE」が新規会員募集を開始

食/地域/環境

記事の要点

・一般社団法人SPACE FOODSPHEREが、地球と宇宙の食の課題解決を目指す「SPACE FOODSPHERE」プログラムの新規参画メンバー(一般社団法人の一般会員及び賛助会員)の募集を開始。

 

・食料生産技術やプラントエンジニアリング、食×コミュニケーションサービスなど、「食の未来」に関わる様々な会員を募集中。

 

・SPACE FOODSPHEREとは、究極の食のソリューションを地球と宇宙で社会実装し、人類を究極のサステナブル社会へ誘うことを目指すプロジェクト。地球と宇宙の共通課題としての「食」の重要性を再認識すると共に、宇宙という極限的な環境での生活を想定し、「食」を中心に据えて地球や暮らしをゼロベースで捉え直すことが極めて重要であるとの考えから設立された。

LoveTechポイント

SPACE FOODSPHEREのホームページをご覧になるとお分かりの通り、本格的な宇宙時代に向けたビジョンやソリューションが、実社会での取り組みとして非常に解像度高く描かれており、とてもワクワクします。

食という観点で、サステナブルで“Well-being”な人類未来社会の実現を目指している点が、非常にLoveTechだと感じます。

編集部コメント

2019年3月27日、日本発の優れた技術や知見、食文化を最大限に活用し、宇宙と地球の共通課題である「食」の課題解決を目指す共創プログラムとして、「Space Food X」プロジェクトがスタートした。

 

これはJAXAの共創型研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の取り組みの一環として、宇宙および地球上における食料の生産・供給に関する課題解決ならびにそれに伴うマーケットの早期創出を目指すべく、リアルテックファンド・JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)・シグマクシスの3社が立ち上げたもの。

 

「サステナブルで“Well-being”な人類未来社会を実現する」をビジョンに掲げており、多種多様な30以上の企業・大学・研究機関・有識者等が同プログラムに参画し、地球課題解決と惑星移住を目指す長期シナリオ達成を推進していった。

 

それから一年強となる2020年4月22日、同プロジェクトは「SPACE FOODSPHERE」プログラムへの名称が変更され、また参画企業等もパワーアップしてリニューアルされることとなった。

 

背景にあるのは、今日の地球社会における「食」課題の深刻さだ。

 

ここ最近注目されているSDGsであるが、国連はその進捗の遅れと危機感を表明しており、別の側面においては、大規模な自然災害やパンデミックに伴う閉鎖隔離環境における食の課題も顕在化している。

 

コロナ禍も相俟った地球や人類にとっての大きな転換期において、地球と宇宙の共通課題としての「食」の重要性を再認識すると共に、宇宙という極限的な環境での生活を想定し、「食」を中心に据えて地球や暮らしをゼロベースで捉え直すことが極めて重要であるとの考えから、より大きな共創プログラムへと進化し、運営体も任意団体から一般社団法人(一般社団法人SPACE FOODSPHERE)となってリニューアル発信されることとなったわけだ。

 

Space Food Xからの検討成果と今後のSPACE FOODSPHEREの取り組みとしては大きく3つ、「地球と宇宙の共通課題を解決する食の未来構想」、「月面基地コンセプト1.0と食のソリューション」、そして「共創基盤としての4つのスフィア構想」があるという。

 

まずは1つ目。月面や火星といった宇宙での長期的生活を想定した場合、食料や資源、最前線に立つ人材の確保などが困難なのが現状だ。また、宇宙飛行士のメンタルケアが課題となっていることからもお分かりの通り、基地という閉鎖隔離空間における心身の健康問題やコミュニティのあり方も、大きな課題と言えるだろう。

 

一方で地球に目を向けると、人口増加や資源の濫用によって、食料危機や資源の枯渇、生物多様性の低下が深刻化。災害やパンデミック時の閉鎖隔離環境における心身の健康問題やコミュニティの課題なども大きな問題となっています。

 

つまり、地球と宇宙では、「食料不足」「資源不足」「生物多様性」「閉鎖隔離環境のQOL」「人材不足」という、共通の食関連課題が山積していることがわかる。

 

SPACE FOODSPHEREプログラムではこれら共通課題の解決に向けて、「完全資源循環型かつ超高効率な食料供給システム」と「閉鎖空間のQOLを飛躍的に高める食のソリューション」という2大テーマのソリューションを創出し、地球と宇宙双方での社会実装を推進していくという。

 

完全資源循環型かつ超高効率な食料供給システムと聞いて当メディアがすぐに思い浮かべるのは、昨年当メディアでも数多く取材させていただいた昆虫テック企業・ムスカ。同社が構築を進める循環システム(バイオマスリサイクル)は、元々は旧ソ連における対米宇宙開発競争の一環で研究されていた昆虫技術を使っている。同社も、このSPACE FOODSPHEREプログラムに参画している企業の一つだ。

 

これらのソリューションを社会実装し実現を目指す超長期シナリオとして、2030年にはSDGsの食の課題解決に貢献、2040年には月面1000人の長期滞在の実現に貢献し、超長期的には惑星移住と地球環境の劇的回復を目指すとしている。

 

次に2つ目。Space Food Xプロジェクトでは、超長期シナリオにおける当面の目標として設定した2040年代の月面1000人の長期滞在に向けて、課題と解決策の解像度を上げるために、月面基地のコンセプトを設計すると共に、究極の食のソリューションの一端を可視化してきた。

 

以下がその際の前提と検証事項である。

  • 2040年代に月面に最大1000人が居住可能な基地を想定(100人/基地×10基地)
  • 南極基地等の極地生活における豊富な経験値をベースとした初期的な人員計画と動線/習慣の設計(極地建築家 村上祐資)
  • 食料生産や資源循環等に関する技術的な実現可能性の初期的な検証
  • 食料生産や資源循環に関する初期的な物質循環シミュレーション
  • 地球からの物資輸送の低減と現地資源利用の最大化

 

アウトプットとして図面表出された「月面基地コンセプト1.0」と「食のソリューション例」イラストが以下となり、まさにSF映画で登場するようなセットがリアルな解像度で描かれている。

月面基地コンセプト1.0

 

究極の食のソリューション例

 

例えば、上図02番の「バイオ食料リアクター」とは、食料不足や資源不足、労働力不足、空間制約、電力不足、輸送重量制約といった課題に対して、「細胞培養肉(動物肉、魚介類)、微細藻類(ユーグレナ等)、微生物タンパク質生産(水素細菌等)、完全資源循環(藻類・動物細胞共培養リサイクルシステム等)、完全自動化/遠隔化(収穫、搬送、メンテナンス)」などのソリューションを持って解決を図る構想。

プログラムメンバーとしては、ミドリムシを主に活用するイオテクノロジー企業・ユーグレナや、細胞農業の構想を掲げるインテグリカルチャー、高砂電気工業、MELTIN、宇宙システム開発、JAXA、清水達也氏(東京女子医大教授)、遠藤良輔氏(大阪府立大講師) などが名を連ねている。

 

今後はこれらのコンセプトを、SPACE FOODSPHEREプログラムを通じてブラッシュアップしていくという。

 

そして最後に3つ目。上記を例とした究極の食ソリューションを創出し社会実装に導くため、Space Food Xプロジェクトでは「共創型の研究開発基盤や実証基盤」が必要であるという結論に至った。

 

そこでSPACE FOODSPHEREプログラムでは、共創型の研究開発基盤や実証基盤として4つのスフィア構想の検討を開始。具体的には、食料生産や資源再生等の要素技術の高度化と統合/全体最適化、閉鎖環境における人の心身やコミュニティの課題抽出と解決策の構築等を目的とした閉鎖型の研究所(バイオスフィア等)や、それらを社会実装するための実証フィールド等について、さらなる検討を進めていくという。

 

プログラムメンバーとしては以下の通り、大企業からスタートアップ、産官学含めて非常に豪華なリストとなっている。

 

このSPACE FOODSPHERE」プログラムでは、2020年6月30日より、国内外から新規参画メンバー(一般社団法人の一般会員及び賛助会員)の募集を開始している。

 

主な募集分野としては以下の通り。

  • 食料生産技術(単位容積あたりの高い生産性)
  • 水・空気・有機廃棄物の資源再生技術(単位容積あたりの高い処理効率)
  • 自動調理・洗浄技術(ロボット技術など)
  • プラントエンジニアリング
  • おいしさ設計技術(調味・食感・香味技術)
  • スマートベンディングマシーン
  • スマートキッチンデバイス&サービス
  • 食×コミュニケーションサービス
  • 共食サービス&ソリューション
  • パーソナライズドレシピ&サービス
  • 食材情報の可視化技術・知見
  • 食文化・伝統的調理・保存手法等に関する知見
  • 軽量/省スペースのパッキング技術
  • 多様な盛り付け・カット・配膳技術
  • 廃棄物の仕分け技術
  • 低温・高温・各種調理器具の一体化技術
  • 食品/食環境の衛生管理・在庫管理・鮮度維持管理・殺菌静菌技術・保存技術
  • 多様な宗教などに対応した食品管理技術
  • バイタルセンシング技術
  • ストレス値やQOLの指標化に関する技術や知見

 

月1回の頻度で会員を中心とした様々な分野のプロフェッショナルによる講演会を開催し、最先端/最前線の知識を共有すると共に、大企業、ベンチャー企業、研究機関、有識者等の会員が参加する交流会を開催しコラボレーションの機会を提供するとしている。

 

また、研究開発やビジネス共創、共創拠点の構築等に関する分科会も設置しており、会員間の共創も推進していく。

 

入会基準や入会プロセス、その他応募要項の詳細等は、以下の応募フォームより確認できる。

 

宇宙という大舞台にて、サステナブルでウェルビーイングな人類未来社会を作り進めていくことに“ワクワク”する方は、ぜひ応募を検討してみてはいかがでしょう。

 

「未来の食卓」について考える最高のフィールドに違いない。

 

以下、リリース内容となります。

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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