がん患者の食領域をサポートする「kama+aid(カマエイド)」、全プレミアムサービスを無償開放

食/地域/環境

記事の要点

・女性特有のがんに直面する人向けピアサポート・コミュニティを運営するリサ・サーナが、がん患者向けの食事関連情報を配信するWebサービス「kama+aid(カマエイド)」の事業譲渡を受け、2021年4月から有料会員向けプレミアムサービスを全て無料開放。

 

・無料開放するサービスは「食事の悩み」に合わせたレシピ表示、検索条件別の並べ替え、栄養価22項目の表示、プロのひと工夫(専門家コラム)閲覧の4つ。

 

・カマエイドでは、食材の選定や味付け、調理方法、食べるときの工夫など、がん患者の悩みに合わせた「食」のポイントやレシピを、食と栄養の専門家である管理栄養士が具体的に提案。

LoveTechポイント

がん患者の食の悩みは、その症状によって様々です(だるさや辛さにより食欲が湧かない、口内炎や味覚障害のため食べるものを口にすることが苦痛、痛みや便秘・下痢のために食べる量が少ないetc…)

そのような様々な悩みパターンに寄り添ったレシピ等の情報発信がなされている点が、LoveTechだと感じます。

編集部コメント

女性特有のがんに直面する人向けピアサポート・コミュニティを運営する株式会社リサ・サーナが、がん患者向けの食事関連情報を配信するWebサービス「kama+aid(以下、カマエイド)」の事業譲渡を受け、2021年4月から全ての有料会員向けプレミアムサービスを無料開放した。

https://kama-aid.com/

 

カマエイドが提供する情報は、がん患者の家庭での食事に役立つ、管理栄養士監修レシピやコラムなど。元々は事業譲渡元である株式会社ひびたすの代表・門間寛修氏 が「がん患者さんとそのご家族の毎日を『食』の側面から支えたい」という思いからスタートしたサービスで、インターネット利用者であれば誰でもチェックできるものとなっている。

 

名前の由来は、カマ(お釜=食事)+エイド(助力する、サポートする)という意味が込められているという。

 

がん患者には「吐き気がある」「口内炎が辛い」「味覚に違和感がある」「少量の食事で体力をつけたい」など、食に関する様々な悩みがある。

 

これに対してカマエイドでは、食材の選定や味付け、調理方法、食べるときの工夫など、がん患者の悩みに合わせた「食」のポイントやレシピを、食と栄養の専門家である管理栄養士が具体的に提案してくれている。

画像データ:kama+aid Webページより

 

 

具体的には1700件以上のレシピが掲載されており、レシピの検索はもちろん、悩み別、味付け別での検索や、栄養補助食品の紹介、がん患者さんや専門家の体験談も掲載されている。

画像データ:kama+aid Webページより

 

 

今回、リサ・サーナでは同事業の譲渡を受けて、がんに向き合う人のQOL向上を後押しするべく、プレミアムサービスを廃止し、全ての有料サービスメニューを無料開放。具体的には、以下のサービスを全会員が見られるようにした。

 

  1. 「食事の悩み」に合わせたレシピ表示
  2. 検索条件別の並べ替え
  3. 栄養価22項目の表示
  4. プロのひと工夫(専門家コラム)閲覧

 

がん患者の治療は、2016度の診療報酬改定まで、抗癌薬など癌に直接効果のある研究が重視され、栄養管理の側面ではあまり注目されていなかった。

 

カマエイドのようなサービスが一般認知されていくことで、がん患者向けのガストロノミーが広がっていくことに期待したい。

  

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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