記事の要点
・首都圏と九州で軽貨物配送サービスを提供している株式会社ケイソーが、物流マーケティングサービス「PARELL!」を運営する株式会社START WITH WHYと共同で、配送中の車両に特化した見守りサービス「マモル」を、2021年10月より提供開始。
・マモルは車を止めて配達をしている間、荷物の盗難や車両へのいたずらを近くにいる人に見守ってもらえるという、配達事業者と近くにいる見守りたい人をつなぐマッチングサービス。
・両社は、簡単に素早くそして安価に配達車両の見守りを依頼できるマモルにより、ドライバーが安全に荷物を届けられる事が当たり前となる社会の実現を目指す。
LoveTechポイント
家にいながら簡単に様々なものを手に入れられるのは、物を届けてくれる物流企業、ひいてはそのドライバーがいるからこそ。
便利なデリバリー社会を支える配送業界のペインを解決するLoveTechなサービスとして、同社の動向を今後も注視していきたいと思います。
編集部コメント
首都圏と九州で軽貨物配送サービスを提供している株式会社ケイソーが、物流マーケティングサービス「PARELL!」を運営する株式会社START WITH WHYと共同で、配送中の車両に特化した見守りサービス「マモル」を、2021年10月より提供開始する。
マモルは、配達事業者と近くにいる車両を見守りたい人をつなぐマッチングサービスで、配達員が車を止めて配達をしている間、荷物の盗難や車両へのいたずら防止のため、近くにいる人に車両を見守ってもらえるというもの。
悲しいことに、配達員が車両を止めて荷物を玄関先まで運ぶ、その僅かな不在時に車両にいたずらをされたり、荷物を盗難されるトラブルがあるというのだ。
このようなトラブルを防ぐため、宅配業者はドライバーとは別に一人車に残って監視する人員を雇うことも多く、その費用が物流コストを押し上げる要因ともなっている。
このような現状に対してマモルでは、近くにいる人に素早く簡単に、かつ安価に車両の見守り依頼ができ、配達業者と見守りたい人をマッチングすることで、配達中のトラブル防止と、物流コスト値上げを防ぐことができるというわけだ。
提供元の株式会社ケイソーは、ドライバーが安全に、そして安心して荷物を届けられる社会を実現する第一歩として、今回マモルの提供に至ったが、他にも運送業を通して様々な社会課題へと取り組んでいる。
たとえば、運送中の有事の際の延命処置のため、業界ではまだ珍しいAED車両搭載を導入。そのドライバーは全員AED講習受けており、住宅街や狭い路地など、救急車到着まで時間がかかってしまいそうな場所でも、同社の小回りが利く小型トラックなら迅速な対応が可能となっている。同社はイベント会場などへ発送も多く、AEDが常設されていない場所・イベント特設会場でのアクシデントにも対応ができるという。
また、宅配便の取扱い個数は年々増加するなか、配業者の労働力不足・労働環境悪化が重大な社会問題に発展している。そのなかでも特に問題視されている「再配達問題」への対策として、同社は建物オーナー負担金ゼロで「宅配ボックス」を設置する、宅配業者の営業・施工・管理代行サービスも行っている。
通常「宅配ボックス」制作会社によるセールスでの設置には、マンション・アパートオーナー等の建物管理者が設置料金を負担するが、同社サービスでは設置料金を宅配業者が全額負担するため、設置に対するハードルが下がり、広い普及が期待できる。また、営業地域の指定(首都圏限定)も可能なため、人員不足・不在率の高い地域から優先して設置可能だという。
令和2年度の宅配便取扱個数は、48億3647万個にも及びで、前年度と比較して5億1298万個、約11.9%の増加も増加したという。(国土交通省 令和2年度宅配便取扱実績について)
最近の外出自粛やテレワークで在宅時間が長くなったため、インターネット買い物をする機会が多くなっているが、家にいながら簡単に様々なものを手に入れられるのは、物を届けてくれるドライバーがいるからこそ。便利なデリバリー社会を支える配送業界のペインを解決するサービスとして、同社の動向を今後も注視していきたい。