記事の要点
・リユース業専門のPOSシステムなどを開発・提供する株式会社NOVASTOが、新たに「リユース参入支援事業」の開始を発表。
・リユース特有の撮影・採寸・原稿作成業務や在庫保管〜個別発送の代行ソリューションと、自社開発のPOS「ReCORE」の機能をうまく組み合わせることで、リユース事業に本格参入するための初期ハードルを大幅に低減させるサービスとなっている。
・アパレルブランドはもちろん、家電やスポーツ・アウトドア用品、楽器、ホビーなど、様々なジャンルの商品で利用が可能。
編集部コメント
リユース業専門のPOSシステムなどを開発・提供する株式会社NOVASTOが、新たに「リユース参入支援事業」の開始を発表した。
前提として、リユース業界は2009年以降11年連続で拡大しており、業界のリーディングカンパニーであるリサイクル通信の調査結果によると、2020年のリユース市場規模は前年比2.5%増の2兆4169億円となっている。
リユースというと、二次流通事業者が行うものというイメージが強いが、持続可能な社会実現への取り組みとして、一次流通を担うブランド自らがリユースに取り組むことも、特に近年では重要視されている。
すでに国内でいくつかのアパレルブランドがリユース事業参入を発表しているように、一次流通のブランド自らがリユース事業に取り組むことは、様々なメリットがある。たとえば、買取(下取り)という新しい顧客とのタッチポイントを得ることができ、それにより新品商品の買い替え促進につながったり、ブランドの認知向上につながることが考えられる。
一方で、一次流通事業者がリユース事業をスタートし、継続していくのは容易ではないのが現状だ。
まず、リユース品はコンディションが多岐にわたる一点物であるため、在庫管理が非常に複雑であり、一次流通事業者が使っている既存の基幹システムでは対応が難しい。また、買取や下取りをした後の販売業務には「ささげ」とよばれる、撮影・採寸・原稿作成という中古特有で負荷の高い業務工程があり、独自でのオペレーション構築が難しく、それゆえに参入ハードルが高くなっている。
このような現状に対してNOVASTOは、買取から販売、EC、品出し、顧客管理、スタッフKPI管理までを網羅した、クラウド型POSシステム「ReCORE(リコア)」を2019年3月にリリース。システム導入とオペレーション代行の両面で、リユース事業の裏側をサポートしてきた。
ReCOREでは、買取査定AIによって誰でも効率的に買取が可能になる。リサイクルショップで取り扱う幅広い商品群に対応する3,500万件超のReCORE商品データベースが用意されているので、それに基づいた効率的な買取作業を実現。今の市場価格と自社の在庫状況、そして過去の販売履歴を元に自動的に買取金額を計算するので、商品に詳しくないスタッフでも、買取業務をすぐに行うことができるのだ。
また、買い取った商品は店頭のみならず、Amazonや楽天、ヤフオク!などのECモールで自動的に併売することができるので、より早く/高く商品を販売し、店頭と在庫連動した形で、越境ECに簡単にチャレンジすることができる。
さらに、自店舗の経営数値を業界標準値と比較して基準に満たないと改善警告を出すといった店舗経営サポート機能や、バイヤーごとの値入率や回転率を正確に見える化する仕組みなども有していることから、これまでにリユース企業100社以上にて採用されている。
同社では、先ほどの「ささげ(撮影・採寸・原稿作成)」業務や在庫保管〜個別発送の代行ソリューションも保有しており、これらのノウハウとReCORE機能をうまく組み合わせた仕組みを「リユース参入支援事業」として提供することで、リユース事業に本格参入するための初期ハードルを大幅に低減させようとしているわけだ。
同サービスではまず、ReCOREにアパレルブランドの「マスタデータ」をインポートし、買取金額のルールを設定したPOSシステムを買取拠点へと導入する。買取が行われた商品は「ReCOREささげセンター」へと送られ、ささげ業務を経て、販売のためのデータ作成がなされる。その後、Shopifyで構築されたブランド公式中古ストアに出品されて販売開始される、という流れになっている。
在庫に関しては提携倉庫で保管され、受注〜発送業務も全て代行される他、販売後も自社の商品マスタ毎の中古での販売買取実績データを取得したり、顧客のリユースサービス利用状況データを活用できるので、商品開発や新しい施策を講じやすくなっている。
もちろん、上記はアパレルブランドを前提に記載しているが、それ以外にも、家電やスポーツ・アウトドア用品、楽器、ホビーなど、様々なジャンルの商品で利用が可能となっている。
同社ではすでに、複数のアパレルブランドと共にリユース参入の準備を進めているという。