記事の要点
・ヴイストン株式会社が、介護者の負担軽減を目的とした新作ヒーリングコミュニケーションデバイス「かまって「ひろちゃん」」を発表。ユーザーが感情移入しやすいように、あえて表情を持たせないよう設計。
・赤ちゃんを“あやす”ことによって、あやす側にこそ癒やしの効果が得られるはず、という点に着目して開発。本物の赤ちゃんと同様、様々な声で泣き笑いをして機嫌を表現するので、ユーザーは「だっこ」したり「たかいたかい」したりすることで、ご機嫌を取ることができる。
・まずは介護施設向けの無償モニター募集(20施設程度)を開始。応募期間は2020年8月1日~8月31日。利用後アンケートへ回答してくれる施設あるいはスタッフが対象。
LoveTechポイント
厚労省も発表している通り、ボランティアや趣味関係のグループ等への“社会参加”の割合が高い地域ほど、転倒や認知症やうつのリスクが低い傾向がみられ、介護予防効果が高いとされています。
今回発表された「かまって「ひろちゃん」」は、高齢者が「頼まれたお世話ができた」という社会参加的充足感を得られやすく、また一方でスタッフの労務負担軽減に繋がりうることも期待でき、高齢者とスタッフの双方に役立つデバイスである点がLoveTechだと感じます。
編集部コメント
二足歩行ロボットなどの各種ロボットや、電子機器、学習用教材の製造販売等を手がける産学ベンチャー・ヴイストン株式会社が、介護者の負担軽減を目的とした新作ヒーリングコミュニケーションデバイス「かまって「ひろちゃん」」を発表。介護施設向けの無償モニター募集を開始した。
かまって「ひろちゃん」は、赤ちゃんを“あやす”ことによって、あやす側にこそ癒やしの効果が得られるはず、という点に着目して開発されたもの。
本物の赤ちゃんと同様、様々な声で泣き笑いをして機嫌を表現するので、ユーザーは「だっこ」したり「たかいたかい」したりすることで、ご機嫌を取ることができる。
その最大の特徴は、ご覧の通り、顔が“のっぺらぼう”になっている点だろう。これは、ユーザーが感情移入しやすいように、あえて表情を持たない設計にしているという。顔の表情を持たせないことで、泣き顔や笑い顔、男の子や女の子など、ユーザーが思い描く「ひろちゃん」の姿を妨げることがなく、かえって愛着がわくという効果を狙っているというわけだ。
ちなみに、以前当メディアで取材したコミュニケーションロボット「OriHime」も、対面するユーザーが各々のOriHimeパイロットの顔や表情を自由に思い浮かべてイメージを重ねることができるように、能面のような顔面設計にしていた。
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いずれのケースも、人は対象物に表情がなくとも、コミュニケーションを重ねることで勝手に対象者の表情や人物像を対象物に“投影”する機能があることを応用した設計になっている。
なお、外装はぬいぐるみ素材なので、お好みに合わせて服を着せたり、好きな顔を付けてあげることも可能とのことだ。
介護施設などでの活用方法としては、スタッフからユーザーに対して「少しの間、この子のお世話をお願いします」といった形で手渡すことを想定。
ユーザーは「頼まれたお世話ができた」という社会参加的充足感が得られ、一方でスタッフサイドとしても、近くで別の用事を済ませるなどの時間の使い方をデザインすることができ、結果として労務負担軽減に繋がりうることが期待される。
モニターへの応募要項は以下の通り。
・対象:介護施設
利用後アンケートへ回答してくれる施設あるいはスタッフ
・応募期間:8/1~8/31
・モニター期間:「ひろちゃん」発送後30日間
モニター期間終了後1週間以内に利用後アンケートを提出
・対象モニター数:20施設程度
申込みあたり6台のかまって「ひろちゃん」モニターを想定。
希望台数や利用人数によっては、個別に調整。
申込み内容を審査の上、順次発送。
・応募方法:下記URLのかまって「ひろちゃん」公式ページ内メールフォームより応募
URL : https://www.hiro-chan.jp/mailform2.html※お問い合わせ種類を「モニター募集」とした上で各項目を入力
これまでにない着眼点やデザインを持つ製品なので、利用開始のハードルは決して低くはないだろうが、他のコミュニケーションロボットなどと同様に実際に使ってみて初めて、癒し効果といった各種メリットを体験できるだろう。
介護施設オーナーや担当者の皆さまは要チェックだ。
以下、リリース内容となります。