記事の要点
・経済産業省は5月1日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により国民の健康不安が高まっていることから、遠隔で医師等に無料相談できる健康相談窓口の設置を発表。
・窓口設置期間は、【2020年5月1日(金)~6月26日(金)】。LINEヘルスケア株式会社、株式会社Mediplat、株式会社Kids Public、株式会社セーフティネットの4社が、委託先として決定している。
・期間中は、「LINEヘルスケア」「first call」「小児科オンライン」「産婦人科オンライン」「こころの安心相談(電話相談サービス)」が、それぞれ無料で利用可能に。
LoveTechポイント
外出自粛要請が続く中、自身の体調や健康に不安を抱える人は、日に日に増加していることでしょう。
そんな状況の中、不安を少しでも和らげるべく、医師等による無料遠隔相談施策がスピーディーに決定して実行された点が、LoveTechだと感じます。
編集部コメント
経済産業省は5月1日、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の感染拡大により国民の健康不安が高まっていることから、遠隔で医師等に無料相談できる健康相談窓口の設置を発表した。
健康相談なので、相談者の個別的な状態を踏まえた“診断”や“薬の処方”は行わないものの、スマートフォンやパソコンを通じて、医師等に遠隔で健康不安などを無料で相談できるという、非常にありがたい事業である。
窓口設置期間は、【2020年5月1日(金)~6月26日(金)】。LINEヘルスケア株式会社、株式会社Mediplat、株式会社Kids Public、株式会社セーフティネットの4社が、委託先として決定している。
実はこの医師等による遠隔健康相談事業は、3月11日~3月31日に実施した令和元年度予備費「遠隔健康医療相談窓口」の第二弾として設置されたもの(令和2年度補正遠隔健康相談体制強化事業)。3月10日に取りまとめられたCOVID-19に関する緊急対応策のひとつである。
3月時点ではLINEヘルスケア株式会社と株式会社Mediplatの2社が委託先として決定していたが、今回はさらに2社増えて、無償利用できるサービスが増強された形だ。
以下、それぞれのサービス・提供概要である。
■LINEヘルスケア
LINE株式会社とエムスリー株式会社の共同出資により、2019年に設立した合弁会社・LINEヘルスケア株式会社では、いつでも医師とLINEでつながるオンライン健康相談サービスを展開。チャット形式で医師に相談できる「いますぐ相談する(相談を予約する)」と、テキストメッセージ形式で詳しく医師に相談できる「あとから回答をもらう」という、計2種類のオンライン健康相談を提供している。
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令和2年度「遠隔健康相談事業体制強化事業」では、「24時間チャット等窓口」に採択。LINEアプリを起動し、上部にある検索窓で【LINEヘルスケア】と検索して友達追加することで、利用開始することができる。
対応診療科は、内科・小児科・産婦人科・整形外科・皮膚科・耳鼻咽喉科。
実際の相談者に実施したアンケートでは、「医師の回答内容は的確で、悩みを解決できましたか?」、「医師の受け答えの専門性はいかがでしたか?」 という項目において、10 段階中「9」「10」と評価した満足度が高いユーザーが、全体の7割を占める結果となっている。
■first call
メドピア株式会社の連結子会社である株式会社Mediplatでは、オンライン医療相談サービス「first call」を運営。法人向けに「オンライン医療相談」「オンライン産業医」「ストレスチェック」の3つの産業保健支援サービスを提供しており、現在まで550超の事業所で約43万人(2020年4月時点)にサービスを提供している。
令和2年度「遠隔健康相談事業体制強化事業」では、「企業の健康管理体制等に関する相談窓口」に採択。
以下URLより法人契約した企業に対して、以下2サービスを無料で提供する。
https://www.firstcall.md/Home/Subscription/business
(1)従業員から医師へのオンライン医療相談窓口の提供
従業員が専門医に対して、自身や家族の心身の不安について匿名で気軽に相談できる窓口を設置。一般内科や小児科、産婦人科、精神科などの全12科目について、医師が実名で回答する。チャット型のテキスト相談(土日を含む24時間相談可能、画像添付可能)と15分間のTV電話による相談(要事前予約)のいずれかを選択し、相談することができる。
(2)企業経営者・人事担当者から産業医へのオンライン相談窓口の提供
産業医に対して、企業全体の感染症対策や健康増進施策について各企業の担当者が個別に相談可能なオンラインの相談窓口を設置。同社に所属する経験豊富な産業医が、各企業の相談に対応してくれる。
また、担当者向けに産業医によるオンラインセミナーを配信し、感染症への具体的な予防策等を紹介するとともに、社員への注意喚起用の資料の配布や、対応チェックリスト等も順次提供。今後は、在宅・テレワーク環境での勤務の増加に対応し、人事担当者が従業員の健康状態を正しく速やかに把握できるリサーチシステムの開発・提供を予定している。
■小児科オンライン & 産婦人科オンライン
株式会社Kids Publicが提供する遠隔健康医療相談「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」は、スマホから直接、産婦人科医、小児科医、または助産師に相談ができるサービス。現在、110名の産婦人科医、小児科医、助産師が在籍しており、必ず専門家が回答してくれる点が最大の特徴となっている。
令和2年度「遠隔健康相談事業体制強化事業」では、「小児・産婦人科専門窓口」に採択。
以下2通りの方法を通じて、全国民へ遠隔健康医療相談を無償で提供する。小児科オンラインでは新生児〜15歳までのお子さんの健康や子育てに関する相談を、産婦人科オンラインでは妊産婦だけでなく、婦人科の相談や妊娠を希望している女性からの相談も、それぞれ受けるという。
(1)産婦人科医、小児科医、助産師への予約制相談
スマホのLINEアプリを使用してビデオ通話、音声通話、メッセージチャットのうち好きな方法で、直接産婦人科医、小児科医、助産師にリアルタイムで相談が可能。
対応時間:16時〜23時(平日・日曜日・祝日。土曜日は定休日)
(2)産婦人科医、小児科医、助産師への「いつでも相談」
24時間好きな時間に専用フォームからメッセージで相談内容を質問でき、24時間以内に産婦人科医、小児科医、助産師が回答してくれる。写真の添付も可能。
対応時間:24時間 毎日
URL: https://syounika.jp/lp/gov/anytime
■こころの安心相談
メンタルヘルスケア専門会社である株式会社セーフティネットでは、2001年設立時より「なんでも相談窓口」を開設。契約会社社員やその家族に向けて電話相談を受けてきた。現在、複数の自治体を含む、会員数250万人、会員企業2,000社のストレスチェックやカウンセリング、電話相談を受託している。
令和2年度「遠隔健康相談事業体制強化事業」では、「メンタルヘルス専門窓口」に採択。
COVID-19による不安や、長引く自粛生活がもたらすモヤモヤやストレス等、心の不安に対するメンタルヘルスケアの専門無料電話相談窓口「こころの安心相談」を設置する。
◆電話相談:期間中、24時間対応(土日含む)/ 匿名相談可 / 無料
◆相談窓口電話番号:0120-221-677
◆相談対応者:心理の専門家(産業カウンセラー・臨床心理士・公認心理師・精神保健福祉士)、保健師、看護師、栄養士など
新型コロナ禍で心身ともに疲労が溜まっている状況だからこそ、体調も崩れやすくなっている。健康不安を抱えている方は、今回発表されたサービスを、遠慮なく使ってみると良いだろう。
以下、リリース内容となります。